切ないものに美しさを感じている。

切ないものに美しさを感じている。
小さい頃からずっと。
言葉にすることが難しい、
なんとも言えない感情を大切にしてきた。
音楽も映画も漫画でさえも全部切ないものが大好きだった。

大切にしすぎたのだろうか、
たまに繊細すぎて嫌になることがある。

別れた元恋人のことたちのことを思い出しては、
元気かな、もう一回だけ会えたらいいな、と。
会ってその先のことは考えていない。
本当にアホだな…と思う。
冷静に考えたら先がないことを想像していたりするのだ。

無駄が何より嫌いなくせに、恋愛に関しては自ら遠回りをしている。

もしくは…
韓国ドラマのような展開を心のどこかで期待しているのかもしれない。
その年、私たちは
を見ている。5年ぶりに再開して、
元気だった?今まで何してた?
「元気にしてたよ」
の一言に、いろんな感情が詰まっていて泣いてしまった。
そういう気持ちがとても尊いと感じてしまう。

一度手にした物を手放すことの難しさ。
自分の力ではどうにもならない出来事にずっと抵抗し続けているのだろうか…。

全部冷静に考えると、私は一体何をしているのだろうと…。
わかっているのに、
切ない大きなプールにずっと仰向けで浮かんでいる。


そして泳ぐことができない。


どこかで見た。
失くしてしまったものも
誇って良いんだって。
今はもう手元になくても
去ってしまったものも
自分の中で大事に誇っても良いものなんだって。


救われた。

ふと目を外に向けると、桜が咲き始めている。
今年は本当に寒くて冬が長く感じられたけど、季節はちゃんと動いている。

プールの中で泳げないなりに手足をバタバタさせているけど
いつかどこかの場所に辿り着きたい。


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