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エストニアの歯医者さん体験記と、自分のハードウェアをケアすること|エストニア日記 #6

こんにちは、スロベニア🇸🇮にあるリュブリャナ大学でインダストリアルデザインコースに留学中で、現在はエストニア🇪🇪のタリンにある、エストニア芸術アカデミーに交換留学中のりんです。

先日、いきなり歯が欠けてしまって、歯医者さんに行った。日本を出る前に歯医者に行って、その時点では何も問題がないようにしてきたけど、1年半もすぎると事情は変わっていくものだ。

ヨーロッパに来てから、歯医者に限らず病院を訪れるのは初めて。行ってみて、色々と日本と違って面白かったので記録しておきたい。また今回歯医者に行って、自分の身体のケアについて考えたことを最後にメモしておいた。




1. スロットでネット予約できる

まず、色んな歯医者を見てみたが、ほとんどの歯医者がネットから予約ができる。
こんな感じで、治療の内容や希望の歯科医、また医院が複数ある歯医者は希望の医院を選択すると予約可能なスロットが出てくる。

Läänemere Hambakliinik のWebより
HanzaDentのWebより

所属している歯科医の方々の経験や対応可能な言語もWebから確認することができる。

Läänemere Hambakliinik のwebより

2. 開業医じゃない

上の画像でお気づきだと思うが、一つの大きな歯科病院に何人もの医師が所属している場合が多い。いくつかの歯医者のサイトを見てみたが、少なくとも10個の歯科医院はそういうスタイルで、基本的に歯科医だけでも10数名はいそうだった。日本だと歯科医って一人の歯医者さんの「よしだ歯科」みたいな開業医の業態が多いと思うので、ちょっと意外。厚労省の資料によると日本では約54%の歯科医が開業医らしい。


3. 女性の歯科医が多い

私は今回生まれて初めて女性の歯医者さんに担当してもらった。医院の歯科医リストを見てみても女性多いな〜と思っていた。それもそのはず、歯科医に限定したデータはなかったのだけど、 OECD Data Explorer によるとなんとエストニアでは全医師の72%が女性のようだ!びっくり。

世界各国比較|医師の男女比ランキング・年代・診療科別  Labcoatより引用

女性の割合が高い順に並べたら、上位3つをバルト三国が占めているのがけっこうおどろき。

4. 個室で治療

そして、医院内のレイアウトの形態も違う。このように受付の奥に個室がたくさんあって、それぞれの個室で治療してもらう。だから日本の歯医者さんみたいに一人の医師があっちこっち回りながら治療するみたいなスタイルではなかった。日本は美容院みたいなスタイルがメジャーだよってエストニア人の友達に話したらそれは嫌だな〜って言ってた。たしかにこのスタイルに慣れてたら自分の治療時間の間に医師の行き来があるのは嫌かもしれない。

筆者撮影

部屋のなかには治療のための椅子と医師のデスク、棚などがあって、歯科助手の方に案内してもらって待っていたらお医者さんが入ってくる。(ので、医師の持ち部屋というわけではないのかなと思う)

Maestro Maja Hambakliinik のWebより

受付はこんな感じ↓

筆者撮影

5. サングラスかけさせてくれる

そして治療を始める前には照明が眩しくないようにサングラスをかけさせてくれた。ヨーロピアンの人たちは目の色が薄いから歯医者の光はかなり刺激的なのだろう。でもアジア人の私にとってもあればあったでリラックスできてよかった。

https://virumaateataja.postimees.ee/6923196/hambaarstide-liit-soovitab-plaaniparase-hambaravi-katkestada

6. 治療中はうがいさせてくれない

40分くらいかかる治療中に一回も、うがいしてくださいって言われなかった!うがいって歯の治療にマストではなかったのか。頻繁にうがいするスタイルに慣れてる私はけっこうもどかしかった。最後に一回、うがいしてく?って聞かれてやっと口をすすげた。

あと、これは全歯医者共通かわからないのだけど、治療前に唇にたっぷりリップクリームを塗られ、こういう口を開いてる状態でキープする器具をつけてもらったのも私は初めての体験だった。

Freepikより

これは構造的には拡張ピアスみたいな感じで、輪の形に口を当てはめることで開口をキープしているものなので、素材は柔らかいが自由に話すことはできない。それでも「噛み合わせてみて高いですか?」とか聞いてくるので困る。笑

7. でも音楽かけてくれる

治療が始まると、お医者さんが音楽をかけてくれる。ヒーリングミュージックとかでもなく、アリアナ・グランデとか普通のポップスがかかっていた。これは私の年齢や性別を見て選んでくれたのか、お医者さんの趣味なのか、もしくは全室この選曲はわからない。もし私の趣味を想定していたり、お医者さんがノれる音楽なのであれば、音楽のカスタマイズは個室だからこそできるサービスだ。音楽があると結構楽しく治療が受けられたので個人的にはいいなと思った。


注意〜!多くの留学保険は適用されない

あと、留学生にとって困るのは、留学のために入っている医療保険が使えないということ。大きな事故にあって、それに伴い急ぎの歯科治療が必要だった場合など、緊急性が認められるときは保険が使えるみたいなんだけど、普通に予約して行くような治療には使えなかった。だから高額の料金がかかった😭 留学保険の会社を検討しているときに、滞在中に一番行く可能性が高い医療機関は歯医者かな〜と思っていくつか調べたけど、普通の歯科治療をカバーしているものは見つけられなかった。もし普通の歯科治療をカバーしている保険を知っている人がいたら教えてください。



歯について考えていたこと。

若いうちから歯を大切にできる人は人生2回目なの?

私は、歯磨きやスキンケア、早く寝ることなど、自分のためにしかならない、かつまとめて5回分とかやっておけない、毎日しなくてはいけないことをするのが苦手だ。とても面倒だし、できるなら誰かにやってほしいと毎回毎回思っている。(まあ人って基本そうかな?)

それでも、例えば睡眠だったら翌日の自分の活動に響くという長年の実体験があるので、まだちゃんと寝ることへのインセンティブが働く。でも歯って、さいあく虫歯になってしまったら歯医者さんで治してもらったらリセットできるし(本当はリセットではないのだろうけど)、毎日なんでまたこれやってるんだろうって思いながらしぶしぶ歯磨きするより、少しお金がかかったとしてもたまに歯医者に行くほうが個人的にはだいぶ気持ちが楽なのだ。

しかも、全体が弱くなってきて困るのがまだまだ先だろうから、そんなときまで生きてるかもわからないのに、今なんともない歯をケアするモチベーションが全然わかない。そもそも特に必要以上に長生きしたいと思ってないのも頑張れないことに加担している。。。医学的には日頃から丁寧にケアしたほうがいいと言われているのは知っているし学校でも習ったが、まだ自分の身に降りかかっていない痛みには、人はどうしても対応を遅らせてしまうバイアスがあるものだ。人類が地球規模でしていることと相似だ。

でも同年代でも、歯を大切にしている人は普通にいて、友人の一人は、歯磨きには3ステップあってそれぞれ別の道具を使ってやっているという。そんな若くして歯を大切にしてる勢の人たちは人生2回目なんじゃないかと思っている。前回の人生で、年を重ねたときに入れ歯になって大変だったとか、歯が原因の病気で大変そうにしている友達が身近にいたとかなのか?じゃないと、どういうモチベーションであんなに気力がいることを、若いうちから毎日丁寧にできているのか理解できない。本当にすごすぎ。

とはいえ、私も自分を奮い立たせてちゃんと歯磨きもしてるし風呂キャンセルとかもしてはいないので安心してください。笑

最近は自分のハードウェアとソフトウェアはつながっているんだなあと実感することが多くなってきたので、身体を労わろうという気運が自分のなかで醸成されてきているんだけど、数年前まで身体は思考や感情の容れ物としか考えておらず、中身が元気ならOK!と思ってかなり使い倒していたので、きっといつかツケが回ってくるんだろう。




最近こんなことを考えてたせいか、このあいだ、歯が子どものときみたいに1本ずつグラグラしだして、ものの4-5時間程度のうちに1本また1本とポロポロ抜けて行ってしまう夢を見てとっても怖かった。起きたときにとっっってもホッとした 😮‍💨


それでは!


カバー写真:Eugenia Pankiv

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東郷 りん / Rin Togo
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