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街中のレストランが学食になる!?学生のための食事補助Boni(ボニ)がすごい|スロベニア日記#1

スロベニアには、学生のための食事補助の制度「Študentski Boni」(通称ボニ)がある。これが、とても学生に優しく、しかも使いやすいシステム&アプリで感動したので紹介。

昨年、日本でGoToキャンペーンとして展開された、アプリでクーポンを見せたら飲食店やお土産屋さんでの料金が利用者は割引され、割引分は国が店に対して補填してくれるというものがあったけど、Boniはそれの学生対象かつ飲食店限定版のようなものである。学生は一度窓口で登録しアプリをダウンロードしたら、月に20日程度(学校がある日数)飲食店で使える1回3.8ユーロほどのクーポンがゲットできる。

これは、そもそもリュブリャナ大学が1つの大学に23学部あって、キャンパスが街中に分散しているため、すべての学部に学食を設置するのが難しいという理由から導入された制度らしい。なるほど。(2024年8月追記)

概要〜

  • 7時から22時まで使える

  • 週末も使える

  • 1日に2回まで使うことができるが、4時間はあけないといけない

  • 毎月勝手に更新されて、使わなかった分は翌月にどんどん繰り越される

  • 登録店舗はスロベニア中で377店舗

  • 2022年度の月間利用者数は約4万人

  • 2022年の補助額の合計は€11,219,743(18.3億円)

  • おそらく始まったのは2002年

お店に入ってBoniを使いたいと言うと、学生用のメニューがもらえたり、マックでは受付でメニューが用意されていたりする。メインを選ぶことができ(普通のメニューとバリエーションの幅はそんなに変わらないと思う)、加えてサラダと水、そして果物がついてくるのがスタンダードだ。

支払うときに、お店にあるデバイスにアプリを開いた状態でスマホをかざすと認証され、boniを使うことができる。めっちゃ簡単。アプリも使いやすい。アプリはスロベニア語しかないけど。

大体、普通のレストランだと9ユーロくらいのメニューに3.8ユーロの割引がきくので、5ユーロくらいで美味しいごはんが食べられる。もう少しカジュアルなレストランやファストフード店、カフェとかだと、割引がきいた結果、学生は無料になってしまう店さえある。

お店のバリエーションも多く、リュブリャナ市内でも200以上あるので、どこの店でも使えるというほどではないけど、小さな市内を歩いていればすぐに使える店には出会える。アプリではマップから近くにある店舗を探すこともできる。

日替わりでメニューが異なる店もあり、こんな感じで今日のメニューもアプリから確認できる。まあスロベニア語なので、見てもわからない。翻訳するか、店の名前をGoogle Mapsで調べればどんな感じの食事かはイメージできる。


Boniで食べられる食事はこんな感じ。


肉野菜炒めとパンみたいな料理
バルカン地方の郷土料理、チェバプチチ。私は5本セット。
向かいに座っているクラスメートは10本セット食べてた。
ペリメニ
パッタイ。日本にいたときはタイとかベトナムの料理ってエキゾチックなイメージだったけど、
ヨーロッパに来て食べるとどこか懐かしさを感じるようになったな
チキンソテーとフレンチフライ
魚のソテーとクスクス
イエローカレー
ハワイアンなお店の照焼きチキン?みたいなもの
アーティチョークのピザ
タンパク質もりもりサラダ

店にもよるけど、品数も量も十分◎

22%の消費税(軽減税率対象のものは9.5%)が、こうやって学生へのサポートに使われていると思えば納得もできるな〜と思った。

知人とBoniについて話していて、日本でも社食などに応用したらいいのにねと話していて、確かに、と思った。企業とまちの接点を増やすきっかけになり、企業は地域社会との関係性をより温度感のあるものにできるし、個人単位でも、ただオフィスがあるからという理由だけでそのまちや駅に毎日来ている人も多い中で、最初の理由はそうであったとしても、近くにあるローカルなお店に足を運ぶようになれば、そのまちに愛着や思い入れを持てるようになるのではないか。あとは、例えば大きな企業で、社食サービスをグループの子会社がやっていたりすると、明らかに企業努力を怠り続けていて、安いだけで本当に美味しくない社食が提供されている(でも社屋内にあるから行ってしまう)ような会社もあったりすると思うので、そういった子会社にも刺激になるのではないかな、と思う。(2024年8月追記)

Boniを一番最初に申請しにいくのは大学の学生生活事務局みたいなところなんだけど、オフィシャルな建物にしてはファンキーすぎる。笑

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