[小説]デブでブスな令嬢は英雄に求愛される 第10話
さて、どじっ子アレッタと愉快な仲間達と過ごして十数日、思いの外穏やかな日々を享受してジュリアは過ごしていた。
どのくらい穏やかかというとモーモー鳴く牛と共に牧草地で寝そべりのんべんだらりとできるくらいだ。勿論踏まれる恐れがあるためにそこまで近い距離には行かない。牛たちは少し離れたところで低いBGMを奏でてくれている。
「穏やかですね、ジュリア」
「あー……、そうねぇ……」
隣でにこにこと英雄殿も寝そべってしきりに声を掛けてくるが、ジュリアはぼへっとおざなりな返事を