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過去から未来へ受け継がれるもの

最近、「家族」というテーマの2つの物語に出会いました。
一つはディズニー映画、もう一つは小説。

どちらもテーマは同じであっても、内容が全く異なるもので、面白くも深く考えさせられる内容でした。

そんな2つのお話しを照らし合わせながら、家族というものについて考えてみました。


「家族」というテーマの2つの作品

①リメンバー・ミー

ディズニー・ピクサーが贈る『リメンバー・ミー』は、音楽を愛する少年ミゲルを主人公に、家族の絆と夢の追求というテーマを描いた作品です。

リメンバー・ミー ディズニー公式

ミュージシャンを夢見るギターの天才少年ミゲル。
だが、彼の一族は代々、音楽を禁じられていた。
ある日、ミゲルは先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった。
日の出までに元の世界に戻らないと、ミゲルの体は消えてしまう!
そんな彼に手を差し伸べたのは、陽気だけど孤独なガイコツ、ヘクター。
やがて二人がたどり着く、ミゲルの一族の驚くべき“秘密”とは?
すべての謎を解く鍵は、伝説の歌手が遺した名曲“リメンバー・ミー”に隠されていた…。

リメンバー・ミー ディズニー公式

この物語の特徴的な設定は、「死者の国」という世界です。

ここでは、生者の記憶に留まる限り、死者たちは存在し続けることができる。

しかし、完全に忘れ去られてしまうと、その魂は永遠に消えてしまい、2度目の死が訪れる。

この設定は、家族の記憶がいかに大切かを強く物語っています。

そして、ミゲルの家族は、音楽を禁じるという厳格なルールを代々守ってきました。

側から見れば理不尽に思えるこのルールにも、家族を守りたいという強い想いが込められていたのです。

ところが、ミゲルは音楽への情熱を抑えきれず、家族と衝突してしまいますが、その中で彼は重要な気づきを得ていきます。

ミゲルは死者の国での旅を通して家族の歴史を知り、「夢を追うこと」と「家族を大切にすること」は両立できると気づきます。

そして、その思いを行動で示したことで、家族の理解を得られ、物語は感動のクライマックスへと進んでいきます。


②そして、バトンは渡された

次に、「そして、バトンは渡された」という小説を紹介します。

こちらの作品は、2021年に映画化もされていますが、私は小説を読みました。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。 
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。
 血の繋がらない親の間をリレーされながらも出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき―。
大絶賛の本屋大賞受賞作。

一方、瀬尾まいこ氏による『そして、バトンは渡された』は、現代の多様な家族の形が描かれています。

主人公の優子は、複数の親たちによって育てられます。

血縁関係のない大人たちが、それぞれの形で優子に愛情を注ぎ、彼女の人生を支えていくのです。

この物語が私たちに伝えたいことは、家族の形に正解はないということだと、私は思いました。

血のつながりの有無は、必ずしも家族の絆の強さを決定づけるものではありません。

むしろ、日々の生活の中で育まれる愛情こそが、本当の意味での家族の形を作っているのです


家族とは、想いあう気持ち

対照的な2つの作品ですが、実はそこには共通する重要なメッセージが込められています。

『リメンバー・ミー』では、記憶という目に見えない絆で世代を超えた家族のつながりが描かれ、『そして、バトンは渡された』では、血縁に関係なく新しい家族の形が描かれています。

どちらの作品も、家族とは単なる血のつながりや形だけの関係性を超えた、もっと深いところにある絆だということを教えてくれます。

時には衝突もあり、時には離れ離れになることもある。

でも、想い合う気持ちがあれば、どんな形であっても確かな家族になれるのです。

現代社会において、家族の形は様々です。

血縁関係のある従来型の家族、ステップファミリー、里親家族など、その形は実に多様化しています。

実際に私も、血縁関係はないものの、絆がしっかり通った素敵な家族に出会ったことがあります。

これらの作品が私たちに教えてくれるように、家族とは一つの形に収まるものではありません。

大切なのは、互いを思いやる気持ちと、その想いをバトンのように次世代へと受け継いでいくこと。

そこにこそ、真の家族の絆が宿るのかもしれません。

私たちは今、家族の在り方が大きく変化する時代の中心にいます。

だからこそ、形にとらわれず、それぞれの家族が自分たちなりの幸せを見つけていける社会であってほしい。

そんな願いを、これらの作品は力強く語りかけているのだと感じました。

特に、リメンバー・ミーは映像作品ということもあり、感情が伝わりやすく、私は涙なしでは見れませんでした。

ぜひ、この機会に一度見てみてはいかがでしょうか。

きっと、心が温まる素敵な時間になると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!


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