台湾スイーツ「豆花」を求めて③〜春水堂〜
豆花(トウファ)との出会い
東京を中心に関東、関西、九州に10以上の店舗を展開する台湾のお茶専門カフェ「春水堂(チュンスイタン)」。
タピオカミルクティー発祥の店とPRされているけど、私にとっては、豆花との出会いのお店。
中国茶が飲める気軽に入れそうなお店を探していて行きついた。
お茶は、普段は茶葉を買って家で飲む。でも、お湯の温度を何となくお茶の種類に合わせるくらいで、茶器をそろえたり茶葉の量を計ったりはしていない。
茶葉に合わせて茶器を変え、しっかりお湯の温度や茶葉の量を管理したら、もっとお茶が美味しいだろうなとは思いつつ、面倒くさがりなので実現せず。
雰囲気ある茶器で美味しくお茶が飲みたい時は、プロの手を借りる。つまり、お茶が飲めそうなお店を探す。
春水堂はメニューに台湾茶が数種類あって、気軽に入りやすい雰囲気だったのが目にとまった。
その時にお茶のお供に注文したのが豆花。台湾のお茶に合わせるなら同じ台湾のスイーツかな、くらいの気持ちで頼んで、はまった。
豆乳スイーツと書いてあったので、豆乳プリンを想像して食べたら全然違う。豆腐に似ているけれど、もっとつるんとした感じで、ジャスミンの香るシロップやタピオカ、不思議な食感のゼリー「愛玉(アイユイ)」とよく合う。ゆでたピーナッツも、食べたことはあったけど甘いものと一緒にして馴染むなんて新発見だった。
全体として、甘味はあっさり、ほのかにジャスミンが香る、とても好みの味。大豆から作られた豆花も、タピオカも食べごたえがあって、一皿で満足度が高い。珍しいトッピングがのっていて楽しい。初めて食べた豆花は、また食べたいと思ってしまう魅力がたくさんあった。
そして豆花にはまる
豆花は中華料理のひとつで、豆腐と同じく豆乳に凝固剤を入れて固めたもの。凝固剤の種類が違うみたいで、食感の違いにつながっているよう。
同じ製法の食べ物は各地にあって、台湾や香港では甘いもの、中国北部では醤油ベース、中国南部では辛いものなど、味にバリエーションがあり、名前も豆花、豆腐花、豆腐脳、老豆腐など、色々あるらしい。
台湾風の豆花は、台湾はもちろん、日本にも専門店があるらしい。しかも全国各地に。北海道に発見して、沖縄を調べたら、台湾に近いためなのか沖縄には思いのほか豆花を食べられるお店がたくさんある。そしてトッピングの種類や組み合わせがお店によって違っている。
これは他のお店の味も試してみなければ。
こうして、豆花を求めてあちこち行くようになって、今、お店ごとの違いや調べたことを忘れないように、noteにメモしている。
台湾の伝統おやつ「愛玉(アイユイ)」
ゼラチンで作ったゼリーではなく、イチジクの仲間の愛玉子(オーギョーチ)という果実から作る、台湾の伝統的なデザート。愛玉子は台湾のみに自生する植物のため、愛玉は台湾オリジナル。
「アイユイ」は中国読みで、「オーギョー」は台湾読みとのこと。日本では「オーギョーチ」と呼ぶことが多く、台湾では中国読みの「アイユイ」(またはアイユー)と呼ぶことが多い様子。
ジャムやゼリーに入れてとろみや粘度を強めるペクチンという食品添加物があるけれど、愛玉子にはペクチンが多く含まれていて、乾燥した愛玉子の種子を水の中で揉んでペクチン溶け出させ、しばらく放置すると固まる、という作り方らしい。
食物繊維が多く含まれていて美容効果が期待できるとか、デトックス効果があるとか、色々言われていて、何だか体にもよさそう。
食感が楽しくて、ぷるぷるしている中に、ほんのわずかナタデココを思わせる弾力もあり、こんにゃくゼリーをやわらかくしたようでもあり、不思議な感じ。
台湾で専門店があるほど人気のデザートで、日本でもけっこう食べられるところはありそう。
お茶のこと
そもそもの目的だったお茶について。
春水堂では台湾茶を数種類の茶葉から選ぶことができて、ポットでの提供か蓋碗(ガイワン)という茶器に入れてもらうかを選べる。
この時は、東方美人茶と、初めて使う蓋碗を選択。これだけで気分が上がる。
蓋碗は、フタ付きの茶碗で、茶葉とお湯が茶碗の中に入っていて、フタをずらして茶葉をおさえ、すき間からお茶を飲む、またはティーポットのように使いカップにお茶を注ぐ、中国式の茶器。春水堂ではすき間から飲む方式。
煎茶などでこれを使うと細かい茶葉が口に入ってしまいそうだけど、台湾茶は茶葉が大きめなので大丈夫。フタで香りが逃げにくいのか、東方美人の茶葉がよいのか、飲むときにとてもよい香りが広がった。
美味しいお茶に美味しいデザート。
とても幸せなひと時。