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恋愛小説|恋の観察日記 第1話:記憶障害の朝と未来のふたり
あらすじ
貴方の一番大切な記憶はなんですか?
葵と壮馬は家が隣同士で小さい頃から仲が良く高校まで同じ学校に通っていた。高2の春に葵は学校の帰り道に事故に遭ってしまう。
命は助かったが後遺症で一週間前の記憶を忘れてしまう記憶障害になってしまう。葵のことを心配していた壮馬だったが、クラスメイトを庇うため葵に嘘の告白することになり、葵は壮馬に病気のことを隠し告白を受け入れる。一方の壮馬は葵に寄り添おうと奮闘していた。
一条岬さんの『今夜、世界からこの恋が消えても』のオマージュ作品です。
もしも原作の2人が幼馴染だったら……
[私は高校2年生のGW初日に事故に遭いました。一週間が経つと前週の記憶をすべて失います・・・]
葵は眉をひそめた。
[この日記は、毎週欠落する記憶を補うためつけることにしました]
日記は2021年5月5日から始まっていた。
葵は最新の日記までスクロールし、手を止める。
スマホの画面で日記を確認すると3年が経過していた。
大学の帰り道、私は高校からの親友の美月と駅近くのカフェに来ていた。
「そういえば最近、壮馬とは上手くやってるの?」
「まぁ、それなりにね」
「まさか、本当に2人が付き合うなんて思わなかったよ」
「私も最初は何かの罰ゲームだと思って庇っただけなのに、まさか本当に付き合うなんて思ってなかったよ」
高校を卒業した私と壮馬は正式に付き合うことになった。
そして壮馬とは別々の大学に進学した。大学が違っても壮馬とは月1で会っている。私が日記を開くといつでもそこには壮馬が居る。高校生の時まではただの幼馴染だと思っていたが今では私にとって大切な人になっている。
桜も散り、四月の忙しない時期を過ぎた5月。僕は葵と小さい時によく遊んでいた公園のベンチに座っていた。あれから3年が経ちお互い別々の大学に進学をした。3年が経った今でも葵との関係は変わっていない。
葵が日記を開けばいつだってそこには僕が居る。
この先、葵が悲しまないように僕は彼女のそばに居たい。
次回、過去編スタート!
葵と壮馬が恋人になったきっかけが明らかに