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Rin
2024年11月16日 20:39
※一条岬さんの『今夜、世界からこの恋が消えても』のオマージュ作品です。付き合う取り決めを交わした僕と葵は放課後の教室で色んな事を話していた。「それじゃ早速だけど、壮馬のこと聞いてもいい?」「幼馴染なのに僕に聞くことなんてある?」僕は笑いながら葵に言った。「あるよ〜誕生日とか血液型とか」「好きな物とかは教えられるけど、流石に誕生日と血液型知ってるよね?」「知ってるけど、改めて壮馬の
2024年11月15日 23:17
※一条岬さんの『今夜、世界からこの恋が消えても』のオマージュ作品です。誰もいない放課後の教室。僕は葵との約束の時間まで自分の席で読書をしていた。教室の外からは吹奏楽部の楽器を鳴らす音や運動部の準備運動をする声が聞こえてくる。その孤独と連帯の合いの子のような空気感は嫌いじゃなかった。青い空は、寂寥じみた音楽に似たものを無人の教室へと運んでくる。どれだけそうやって過ごした頃だろう。廊下から聞
2024年11月2日 20:18
※一条岬さんの『今夜、世界からこの恋が消えても』のオマージュ作品です。翌朝、僕は登校途中に空を見上げた。五月の空は高く、青い。もう少しで終わってしまうが、僕は五月が好きだった。それは昔、姉から五月病を嘘の意味で教わっていたことが関係していると思う。桜も散り、四月の忙しない時期を過ぎると人が落ち着ける季節になる。若葉を眺めたりして時間を過ごせるようになり、皆んなが少しのんびり屋さんになる。それが