コミュ力の歴史〜学歴と出世街道〜
こんにちは、国武凜(くにたけりん)と申します! 「LUXER MOON(ルクサームーン)」というピアスブランドのオーナーをしたり、大阪ミナミのホストクラブ「ATOM ROYAL」でホストをしています!
コミュ力の歴史
コミュニケーション能力は、現代ではビジネスパーソンの重要事項のひとつとして定番となりましたが、この思想はいつからでしょう?
遡ること1970年代。
この時代は「教養」を纏めた文庫本がよく売れます。背景は、学歴を手にすることが出来なかったことに対するコンプレックスを抱いた男性サラリーマンが、出世することを目的に学歴の延長線上と考えるそれを獲得することに通勤の電車内で奮闘していたことが一番の理由と考えます。
80年代、プラザ合意を機にバブル景気が訪れます。同じく出版業界でもバブルが起きたのですが、業界を大きく支えた品のひとつに男性サラリーマン向け雑誌「BIG tomorrow」があります。
この雑誌は主に「処世術」と「モテる方法」について書かれていました。学歴や教養がなくても、処世術、つまりコミュニケーション能力があれば出世できるという考えが、この雑誌を気に日本に広まります。
今回の記事の主軸である「コミュ力の歴史」はつまり、80年代から始まります。その裏側に隠れた思想は、「学歴がなくても出世できる」というものです。教養ではなく、コミュ力を始めとして処世術が出世の最大の道具として持て囃されたのです。
80年代のベストセラーである小説の共通点は「一人称視点で語られている」という点です。
「僕」「私」の物語が求められたということです。
このことは、他人とうまく繋がることができない、80年代から情勢されたコミュ力へのコンプレックス解消として人々が「一人称の物語」ことへの現れだと、著書「なぜ働いてると本が読めなくなるのか」で語られています。
大ヒットの法則はないが、ヒットの法則はあると語るのはキングコング・西野亮廣さん。
時代の流れを読み、それを背景に人々は無意識に何を感じ、何を欲するのか。
SNSで誰もが発信者となれる今、一人称の物語は80年代ほど必要とされているのか。時代と共にニーズは変化しつつあると考えます。
他人と上手くつながることができない自分の中にある複雑な感情へのカタルシス」として、一人称の物語が80年代に世間で求められた。しかしそんな現代でも、コミュ力は持て囃される一方です。教養ではなく、人との関わり方や処世術が出世する上で大切だということが、プレイヤーだけでなくマネージャー側も思考として持っている。
この潮流がいつ続き、どんな変革を経て変化していくのかはわからない。しかし、コミュ力に対する偏重の歴史は、これからも長く続きそうだ。