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部活動の現実

部活動の地域移行が進んでいる。

中学校教職員の長時間労働が課題になる中、福島市教委は7月1日、市職員が報酬を受けながら市立中の部活動を指導する制度を導入する。市教委によると、導入は福島県内初。負担が大きい部活動の指導員として市職員を活用し、教職員の働き方改革につなげる。兼業として認め、時間に応じた手当を支給して安定的に学校に配置し、運動部や文化部などの経験者の専門性を地域に還元する。木幡浩市長が27日、記者会見で発表した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ffa57baaa403f196ba3a83b4098cbe5e73280aad

 神戸市教育委員会は、2026年度から公立中学校の平日・休日の部活動を地域移行する方針を明らかにした。近く市議会の教育こども委員会で説明する。国は23~25年度を「改革推進期間」とし、休日の部活動を段階的に地域移行していくことを目指している。

https://www.asahi.com/articles/ASS6L14QRS6LPIHB01BM.html

福島市や神戸市など徐々に各自治体で部活動の地域移行が進んできた。
私が所属している自治体も地域移行の動きはあるが、実際のところ多くの部活動は教員が担っている。

私の勤務している学校では、一つの競技が外部の人が土日も含めて部活をしているが、その部活でさえも教員が一緒に指導している。

部活の地域移行が進まないのは、制度が整っていないのもあるが、
教員の部活動離れができないのも地域移行が進まない理由になっていると感じている。

私は現在部活動の顧問もしているが、平日はなかなか業務が忙しく部活動に参加できていない。
土日はどちらかが活動日なので、なるべく参加するようにしている
(現在複数の顧問で部活動を指導しているので土日休みことも可能である)

部活動の指導のやりがいはいくつかある
1  生徒の積極的な姿を見れる
生徒は自分の好きな(やりたい)競技を選択していることが多いので、自らどんどんと進んで練習する姿は見ているだけで気持ちいいものである。
これは授業となると全く違う姿である。興味のない教科をいくらこちらが熱心に伝えても生徒には全く響かないことが多いのである。

2  生徒と喜びを共有できる
生徒とともに練習をして大会などで勝利した時には喜びを共有することができる。
もちろん、負けた時には悔しさも共有し、ともにまた勝利に向かって努力をすることになるので、指導者と生徒というよりも同志といった感覚になることもある。
これは学校の行事に近いのかもしれない。しかし、先ほども述べた通り、生徒は興味がある種目を選んでいる。行事はダンスが苦手な子がいようが、いまいがダンスになればダンスをしなければならない。つまり、こちらもともにゴールを目指せるという点では活動に熱が入る。

3  優越感
私の中学校時代もそうであったが、部活動の指導者と競技者の関係は絶対的なものになることが多い(これは良くないとは思う)
しかし、現実的には特に競技経験が長い教師ほど知識も豊富で、その先生についていきたいという生徒は多いのではないだろうか。
また、教師もそこに優越感を感じ、部活動の指導の時の学校の授業の時では人格が変わったかのように偉そうに振る舞うことがある(これは私も時々あるので注意しなければならないのだが・・・)

これらの三つの要素は部活動をしていると生徒とともに部活をしたいという気持ちになる。
積極的に練習している姿を見て、試合に勝利し、自分のアドバイスをよく聞いてくれるそんな環境はなかなかない。
また、部活動をするために教師になる人も少なからずいる。
さらに、部活動の顧問というだけで、実は生徒指導(支援)もしやすいのは事実であろう。

地域移行が難関しているのはこのような教師のマインドも影響しているのだろう。
私としては、部活動を続けたい教師の気持ちも尊重しながら地域移行するのが現実的ではないかと考えている。
「教職調整額」の基本給の4%から10%以上に引き上げることが話題となっているが、部活動を続けたい教師も増額してもいいのではないだろうか。

教員志望が減っていることもニュースで多く取り上げられている。
何かしらの改革をしなければ、教育の質はどんどん下がることになり、
影響は子どもに及んでしまう。
そのようなことは決してしてはいけないのである。



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