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小学校とドッジボール

 僕は小学校4年生まで八尾で過ごした。1年、2年は同じクラス、3年生でクラス替えがあり、また2年間同じクラスという流れだ。小学生の頃は遊ぶことが優先事項で、家に帰ってランドセルを投げるとすぐに近くの少年グラウンドに駆けて行った。
 3年生になった時に先生が変わり、「放課後はクラスのみんなで遊びなさい」と教えられた。僕らは素直にその教えを守り、クラスの男女問わずほぼほぼ全員が集まっていた。男子は野球やドッジボール、女子は人形を持ってきておままごとに興じていた。男子も全員が運動というわけではなく、漫画や怪獣のソフビを持ってきて遊んでいることもあった。駄菓子屋でお菓子を買えば、みんなで分け合い、30人近くでワイワイやっていた。
 そんなある日、担任の先生が「ドッジボールのチームを作り、カトちゃんケンちゃんの番組に出よう」と言い出した。子どもたちは大興奮、すぐにその気になり放課後の練習にも熱が入った。時代を見るとドッジ弾平も流行っていたようだが、僕らには毎週の番組でカトちゃんケンちゃんらとドッジボールで勝負する小学生たちの方がよっぽど身近で、目標だった。
 学校から帰って少年グラウンドへ。夕方遅くまでみんなで走り回った。いつの日か東京でカトちゃんケンちゃんと勝負できると信じて。
 しかし我々のハガキはついに採用されることはなく、番組も程なくして終わった。さっきWikipediaで見たらわずか半年の番組だったようだ。当時の入れ込みようからは信じられないほど短い期間だ。それでもクラスで集まって遊ぶのは続いていたのだからよっぽど仲が良かったようだ。
 志村けんさんの訃報を知り、そんなことを思い出した。楽しかった思い出がまた少し遠のいた気がした。

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