頭頂葉:体性感覚野って何?
お久しぶりです!
年末年始やら自己研鑽学習やらで約2ヶ月ぶりの投稿となってしまいました💦
本日より頭頂葉編を投稿していきます!
隙間時間にでもこの記事を見て、自己研鑽として有効活用して頂けると幸いでございます☺︎
よろしくお願いいたします!
頭頂葉ってどこにあるの?
そもそも、頭頂葉はどこに位置しているか覚えていますか?
頭頂葉は、前回まとめた『前頭葉』の後方に位置しており、上の画像でいうと色のついている部分になります!
頭頂葉は以下の3つの溝により、他の脳葉と区分されています
1:中心溝
2:頭頂後頭溝(画像には載っていませんが、後頭葉と区分される溝です)
3:外側溝
また、溝ではなく機能によっても区分することが可能です。
大きく以下の2つに分けられると言われています!
①体性感覚野
②頭頂連合野(上頭頂小葉・下頭頂小葉)
またまた、②の頭頂連合野はさらに2つに分けられます!
a:上頭頂小葉
b:下頭頂小葉
それぞれの機能を簡単に説明すると、
体性感覚野:感覚を受容する領域
上頭頂小葉(SPL):身体図式(体のマップ)を生成
下頭頂小葉(IPL):身体所有感(自分の体は自分の体である)を生成
となります!
本日は体性感覚野(S1、S2)について詳しく解説していきます!
次回にSPL、IPLを解説していきますね!
それではよろしくお願いいたします!
一次体性感覚野(S1)について
S1は中心溝の後方に位置しています。
役目としては、固有感覚(深部感覚のこと)や触覚情報の受容に関与すると言われています。
『熱い』や『冷たい』、『触られた感覚』などは全てS1に入ってくるということですね!
また、ホムンクルスはM1のみならずS1にもいるといわれています!
配列や神経比はM1とほぼ同じと言われていますが、画像で確認してみるとわかりますがS1の方が下肢や体幹の領域が少し大きいとも言われています。
また、S1はブロードマンのマップでは1、2、3a、3b野に相当します!
1、2、3a、3b野というように、細かく分類されており階層性(順番)を持っていて、順番に並んでいます。それぞれの領域が徐々に感覚情報を明確にし、より確かなものにすることでその先にある頭頂連合野(5野)の方に感覚情報を渡していきます。
S1の感覚情報は場所によって細かく分類されていく
3a→3b→1→2→5野の順で情報が渡されているといわれています。
3a:筋紡錘などからの深部感覚情報を担う
3b:触覚情報
1:触覚情報がより広範囲となりより明確な情報になる
2:皮膚(触覚)および関節(筋紡錘)から統合された情報になる
最終的に5野の頭頂連合野に感覚情報を渡して統合されていきます
💫臨床アイデア
ここでわかってくるのが、『感覚障害がある』だけではなく、『感覚情報の中でもどんな感覚情報が分からない、あるいは分かる』ということが大切になってきますね!
『深部感覚はわからない』が、『触覚情報はわかる』とかですね。
ただ単に『S1の障害』だけではなく、細かく分別していくことが必要となってきます。
「😀見ていたら分かるけど、😞閉眼だと手を動かしているという感覚がわからない」
という患者さんに対して、輪投げなど空間でリーチをするような動作は酷なこととも捉えることができます。
「😞閉眼だと手を動かしているという感覚がわからない」でも「🖐️触られている感覚なら分かる」のなら、残存している感覚情報(ワイピングなど擦りながら)➕他の残存している感覚情報(👂聴覚情報や👀視覚情報)を与えながら、手などを動かしていった方が『手が前や横に動いた』という情報が入ってくるためそれにより深部感覚が促通されていくという可能性も出てくるということです。
使える感覚をも弁別していき、そこを生かしながら使えない感覚を促通する重要性があるということです!当たり前なことでも、脳科学の観点から言葉にすると意外と難しいものですね^^;
二次体性感覚野(S2)について
次はS2について解説していきます!
感覚野領域は先ほどの一次のみならず二次まであります!
S2の位置と役目について
S2はS1の腹側部に位置しており外側溝との境目に位置しています。
S1は物理的な刺激(熱いや触ったなど)がないと賦活されませんでしたが、
S2はなんと・・!刺激がなくても活動する部位になります!
・・というのはどういう意味なんでしょうか・・?🧐
詳しく解説していきますね!
S2の役目
S2の役目は主に以下の3つに分けられます!
①複雑な形のものを把持、操作することにより賦活
※要するにS1で処理しきれなかった複雑な感覚情報がS2でさらに明確な感覚に仕上げる
②疼痛・内臓感覚(緊張してお腹が痛いなど)に関与
③想像でも活性化する(不快感や疼痛の感覚)
ちなみに、③の想像というのは、例えば「タンスに小趾を思いっきりぶつけた時の痛み」や「注射を刺される時の痛み」や「黒板を爪で引っ掻く音を聞いた時の不快感」などになりますね。
💫臨床で活かす
例えば、圧迫骨折の患者さんで起居動作を促そうとすると、『起きると痛いから嫌だ』や、まだそもそも動いてもいないのに『痛みが出そうだからリハビリは嫌だ』などの発言を臨床で耳にすることはありませんか?
これは、『痛い』という言葉って実際に体験して出てくる発言にも関わらず、動作を遂行する前から『痛い』と発言してしまっているのはもう、その患者さんの脳内で『起きる🟰痛みを伴う動作』ということが脳内に刷り込まれてしまっています。そのため、最終的に運動を行う時間の『リハビリ』拒否へとつながっていくわけですね。
この思考を作り出しているのが、S2の働きになるということです。
S2が想像により痛みを作り上げてしまう
↓
行動に制限が出てくる
↓
負のスパイラル
これを打破するには・・
『痛くない』という経験を積むこと!になってきますね
このような起き方・動かし方・方法をすれば痛くないよなど、動作分析のスペシャリストともいえる私たち療法士が患者様へ提示していくことが必要になってきます。
『痛くなかった経験』を積んでいくことでS2の活動を弱め、『私はこれをしても痛くない』という想像を積むことで、痛みを減らすことができるということです!
感覚野の特性は変化し続ける
こんな面白い文献も出ていました⇩
D1:母指 D5:小指
⚫️:弦楽器演奏者 🟡:非演奏者
弦楽器演奏者は小指をよく使う(=常に感覚が小指に入り続けている)。
非演奏者と比較し、小指の体性感覚野が広いということがわかった!
つまり、感覚野は使用頻度に依存するということになりますね!
💫臨床では
この文献からわかったことは、感覚野は使用頻度に依存するということなので逆に感覚障害がある人には、ずっと感覚を入れ続けていかないと感覚の領域が回復してくることはまずない!ということになりますね。
感覚情報は、自ら取りにいかないと基本的には入ってこないものになりますよね。
そもそも脳卒中の患者様は運動麻痺が付随することが多いため、動く機会が減ってきます。
それだと、余計に動かなくなるので感覚情報が入ってくることが減ってきてしまいます。
そのため、『より運動する』ということは感覚情報が入るということに繋がります。
体を動かす運動のみならず、口音や発声(これも運動)によって返ってくる情報(👂聴覚情報や👄口の動かしかた)は最終的に感覚野へ入ってくるので、感覚情報を促通するということになりますね。
いかがだったでしょうか?
以上で、体性感覚野についてを終了します!
私は勉強してみて、S2について特に面白いな〜〜と感じました。
確かに考えてみたら、黒板を引っ掻く音とかは想像するだけで鳥肌が出てきますね。
この現象を脳科学の観点から言葉で説明できるって面白いし、すごいなあと思いました!
次回は頭頂連合野のSPL・IPLについてまとめていきます!
本日もご視聴いただきありがとうございました!
定期的に投稿できるようがんばります!
それではまた次回お会いしましょう〜!ではまた!🖐️