社会科散策-論述(日本史15)平安文化
〔かな文字の影響〕類題(お茶女附属平成13年度)
日本で平安時代にうまれた「かな文字」は,当時の文化や社会にどのような変化をもたらしたか。具体的な例をあげて説明しなさい。(80字前後)
〔解答〕かな文字により,日本の言葉の表現や日本人特有の感情表現がしやすくなったことから,和歌や日記などの国文学が発達し,源氏物語や枕草子といった多くのすぐれた文学作品が生まれた。(85字)
(解説)
「具体的な例をあげて」とは,源氏物語や枕草子などの文学作品をあげなさいということである。そこで,これらの作品が生まれた理由とかな文字との関係を書くことが必要となる。それは,表意文字の漢字よりも表音文字のかな文字のほうが日本語表現や感情表現に優れていたからであろうと思われる。
〔参考〕東大2002
10世紀~平安末における密教と浄土教の朝廷・貴族と地方有力者への受容のあり方を説明せよ。指定語句(阿弥陀堂・加持祈祷・聖・寄木造)
⇒密教は,加持祈祷を通じて,護国や病気平癒など朝廷や貴族の現世利益に応えた。浄土教は,疫病や厄災など社会不安が高まるなか,空也などの聖が極楽往生を説き普及した。寄木造は末法思想を背景とした仏像需要に応え,貴族や地方の有力者により阿弥陀堂が各地に建てられた。