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まちカフェ!報告~防災班~

私たち太田ゼミの防災班は、11/27、28の両日、町田市の市民協働フェスティバル「まちカフェ!」にて、「若者目線で防災を語ろう~私たちにできる災害への備えとは~」と題してイベントを実施しました。

このページは、その報告です。

はじめに

防災班全体で防災への課題を話し合ったところ、大学生の防災の危機意識の低さが上がりました。

そこで情報収集したところ、日本同様、地震が多い国であるインドネシアと日本の大学生の防災意識と防災活動に関する調査研究において、日本は防災教育の受講経験がある人の中で、大学以降に受講したことがある人が11.8%と最も低い値を出していることがわかりました。

そして、参加対象を大学生に絞り、大学生の防災の危機意識の向上を目的とし、防災グッズ班非常食班防災ゲーム班の三つに分かれて企画をつくりました。

防災グッズ班

防災意識の向上のために「一般家庭にあるもので、誰でも簡単に作ることができる防災グッズ」を防災グッズ班のテーマとし、参加者が実際に体験しそれを災害時に活用できることを目指しました。

1.振り返り

参加者に防災グッズをレクチャーするにあたって、参加者に防災グッズを作るモチベーションを高め、いざという時に役立てることができると感じてもらえると考えたため、非常持ち出し品を準備しておくことの重要性新聞紙スリッパの利便性を説明しました。

寒さや砂ぼこりがあることなどの災害時に予想される状況も具体的に説明することで、参加者がどんな時に必要になるのかイメージしやすいと考えました。

そして、参加者に作ってもらう際には、zoomのリアクション機能を使いコミュニケ―ションをとることや声掛けを行うなどして丁寧な説明をすることができました。

準備過程などの詳細はこちらにまとめてあります。

2.学んだこと

まず、ゼミ生に防災グッズのレクチャーし、この時にオンラインで教え合うことの難しさがわかりました。

対面に比べると、体験者がどこまで進んでいるのかどこで行き詰っているのかわからないため、丁寧な説明と積極的なコミュニケーションが必要であることを学びました。

そのため、作り方の簡潔な説明と写真を大きく載せ、理解してもらいやすいパワーポイントの作成を心がけました。

難しい箇所は口頭での説明を繰り返し、参加者にリアクションをもらうなど積極的にコミュニケーションをとることができました。

また、参加者が楽しく学び積極的に参加してもらえるような柔らかい雰囲気をつくることを心がけ、明るくハキハキとした口調で進行していきました。

このように、参加者の立場になって自分たちを客観視し、丁寧な説明を工夫することや良い雰囲気作りをすることを学びました。

3.テーマとのつながり

参加者から

「身近にあるものでつくる体験ができて、実際に災害が発生した際に代用することができる」

「ただ聞くだけでなく自分で実践した覚えることで、災害時に周りの人も巻き込んで行動できる」

といった感想をいただくことができ、災害に備えることの重要性を理解してもらえたように思いました。

そして、自分が得た防災グッズの作り方などの知識を参加者に共有し、さらに参加者が学びを活用してもらえることができたと思います。

そのため、今回のテーマであるAll-Win「自分と他者がwinであると同時に、その二社を取り巻く環境や人間関係にもwinを与える。」を達成できたと感じています。

非常食班

1.振り返り

普段の生活ではなかなか触れることのない非常食を題材に、非常食を知るというテーマを設定し発表をしました。
特に我々学生など若者たちにとってはあまり触れてこなかったテーマの一つとして扱うため、非常食の基本的知識をはじめとして、ローリングストックなどの専門用語や、農林水産省が公表している緊急時に備えた家庭用食料品ガイドなどを扱いました。

また、皆が楽しめるようなテーマも扱いたいと考え、珍しい非常食というテーマを扱うことにし、実際にある珍しい非常食を栄養面や利便性の観点から理解してもらえるよう工夫をするようにしました。

そして最後に実際に授業で調理した火を使わずにできるカレーを紹介し、ゼミ生の様々な感想をもとに、緊急時におけるこのカレーのメリットやデメリットなどを考察しました。

詳しいことはこちらのnote記事に記載されています。


2.学んだこと

今回の講義を通し学んだことは、非常食における基本的知識は勿論のこと、非常食を常に常時しておくことがいかに大切であるかということが一番大きな学びとなりました。

アンケートの結果多くの方は、今後大きな震災が起きると感じているが、ローリングストックの非常食の知識は知らないなど、震災における危機意識の中に非常食が入っていないことがわかりました。

一学生である私たちにとっても今回の発表をする以前は、生活する上で非常食というのはあまり意識することのないものでありました。
あったとしても大きな震災や自然災害が発生した時に備蓄されているか確認をするか、もしくはその時備蓄品を購入することぐらいでした。

しかし、東日本大地震や熊本地震など実際に起きた震災では発生から3日目まで炊き出し等は出ず、それまでは非常食などで生活せざるえませんでした。
そのような情報を得てから、いかに非常食を常備することが大切であるかということを再確認させられた

3.テーマとのつながり

私たちが普段生活する上で非常食に対して目を向けることはなかなかないが、今回の発表を通し、今後の日常生活において非常食への意識を向けることができたと感じました。
実際、発表後のアンケート結果を見ると、参加した全員の方が備蓄への意識が上がったと回答しました。

このことから、テーマである「All Win」とのつながりがあったと実感することができました。
参加した全員が備蓄への意識が上がり、参加者自身だけでなく参加者の身近な人々にも影響を及ぼすことができたと考えました。


防災ゲーム班

今年度のゼミ合宿でクロスロードを行うことになった経緯は、若者の防災意識の向上のためにはゲームを通して分かりやすく防災について学ぶことが効果的ではないかと考えたためです。

クロスロード(crossroad)とは、日本語で「分岐点」を意味しています。
阪神淡路大震災を経験した神戸市の職員が直面したジレンマをゲーム化したものがクロスロードです。

 クロスロードを参考に「防災ゲーム」と名前を改めたものを今回まちカフェでは行いました。
まちカフェの準備期間から当日の発表までを振り返り、そこから学んだことを以下に記します。

(出典:「防災ゲームで学ぶリスク・コミュニケーション クロスロードへの招待」 矢守克也・吉川肇子・網代剛 著(株式会社ナカニシヤ出版)2005年1月10日発行)


クロスロードの詳細はこちらをnote記事にまとめてあります。


1.振り返り

~準備期間~
クロスロードというゲームを調べていくうちに、岩手県陸前高田市役所で防災マイスター講座を行っていることを知りました。
防災マイスター講座を主催している陸前高田市防災課の方に連絡を取り、太田ゼミのために講座を開講していただけることになりました。
ゼミ生全員がクロスロードを初めて行なったため、皆でクロスロードの理解を深めることができました。

その講座後にゼミ内で出た意見や改善点をもとに、クロスロードをより分かりやすくしたものが「防災ゲーム」です。今回は若者を対象としているため、ルールを簡略化し、より深く設問について考える工夫を凝らしました。

独自のルールで特に工夫をした点は、話し合う時間を2度設けることです。本来のルールでは、設問について話し合う時間は一度だけですが、今回はこのようにしました。

従来のルールと独自のルールを比較

実際にゼミ内でクロスロードを体験した際に、設問の解説を聞いた後に自分の考えが変わったという意見があり、より考えを深めるためには解説後にもう一度話し合う時間が必要であると考えました。
そのため、独自のルールとして、話し合いの時間を2度設け、自分の意見と他者の意見をより深く考えられるようにしました。

~まちカフェ当日~
まちカフェ当日は、各グループ6-7人 で1日目が6つのグループ、2日目が4つのグループで話し合いを行いました。

各グループの司会進行と書記兼発表者はゼミ生が担当しました。
クロスロード班は何度もリハーサルや話し合いを行なったため、練習の成果を当日に発揮することができました。

初めて防災ゲームを体験する人ばかりであるため、それらの人たちに分かりやすくルールを伝えるための言葉選びに力を入れました。
また、話し合いの際に異なる立場の人々の意見を尊重できるような進行の仕方や話の聞き方を心がけました。

まちカフェの2日目には、ららぱれっとの岡本啓子さんにゲストとして参加していただきました。
東日本大震災を経験した岡本さんの貴重なご意見によって、2度目の話し合い時に意見が変わる人が一日目よりも多くいました。
このことから、岡本さんや東日本大震災を経験した方からのご意見を事前に伺い、解説の際に役立てることができれば良かったと考えました。

準備期間からまちカフェ当日までを振り返りましたが、次にこれらの期間やイベントを通して学んだことをお伝えします。

2.学んだこと

まず防災マイスター講座にてクロスロードを体験し、適切な判断を下すことの難しさを知りました。
自分にとっては正しい意見であったとしても、必ずしもその意見が他者にとっても正しいとは限らないことに気がつくことができました。

また、独自のルールを考えるにあたり、どのようにしたら意見や考えをより深めることができるかに重点を置き考えました。
決められたルール内で何ができるのかを考えることも重要ですが、ルールそのものを変えてより良いものを作り上げていくことの面白さを学ぶことができました。

 さらに、まちカフェという限られたイベントの時間で、何を伝えることができるのかを考え、情報の整理を行いました。
伝えたいことや知ってもらいたいことを整理し、優先順位をつけることの大切さを学びました。

これらの学んだことを今後のゼミ活動や生活に活かしていきたいです。

3.テーマとのつながり

 今回まちカフェにて「防災ゲーム」を行い、テーマである「All win」とのつながりを感じることができました。
「防災ゲーム」は主催者であるゼミ生、参加者の皆様、さらにそのご家族や友人などの身近な方の学びになる企画であったと考えています。
防災ゲームを通して、改めて自分の生活や考えを考え直すきっかけとなったことを振り返りアンケートを通じて感じました。

振り返りアンケートから抜粋した感想を以下に記します。

人によって意見や価値観が異なること

話し合いを通じて他者理解の重要性を知ったこと

自分の意見のデメリットも考えてみること

振り返りアンケートより一部抜粋

話し合いによって自分と他者の存在を見直すきっかけになったコメントが数多くありました。
防災ゲームでは異なる立場の意見を聞き、『自分も相手もその周囲も幸せに、学びになれば「All win」』という今年度のテーマとのつながりをまちカフェを終えて実感することができました。

さいごに

私たち防災班は、3つの班に分かれて活動を行いましたが、今年度のゼミ合宿は良い学びの機会となりました。
それぞれが学んだことを、今後の生活やゼミ活動に活かしてお互いを高めあっていきたいと感じました。

防災グッズ班  4年 村田依迪 3年 高橋有咲
非常食班 4年 黛美舞 3年 松井健
防災ゲーム班 4年 上原楠玖 三橋昇太 3年 坂井麻依