![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/87744700/rectangle_large_type_2_81944918e975f277184a0ca655ddf2fe.png?width=1200)
息子(4)の手術の話④
息子が検査入院を終えた。
造影剤なるものをお腹に入れ、
CTで撮影をしたようだ。
普段聞き慣れない単語が何度も出てくる。
知らない単語が出てくるたびに嫌な気持ちになった。
人はわからないことが怖いらしい。
手術だって結局、
よくわからないから怖いんだと思う。
よくわからない病名によくわからない単語の説明をされたところで不安は増長するだけだろう。
…その点、僕は妻を尊敬する。
医師から
「腸回転異常症なので、手術が必要です」
と言われ
初動で『腸回転異常症ガイドライン』を購入。
読了後、マーカーで線を引く。
そして医師に聞きたいことをまとめていた。
もちろん僕も読んで気になる所をメモした。
…が、妻がいなかったらこの書籍は購入していないと思う。
僕が一人で子育てをしていたら、「餅は餅屋」の精神で医師からの提案をそのまま実行していただろう。
こういった妻の行動には本当に頭が上がらない。
普段、どうでも良いことに対してすら不安や心配しすぎる点はあるが、こういったときは本当に頼りになる。
だいたい、
「大きな病院で息子の腹痛の原因を確かめたい」
と切り出したのも妻だった。
それも、「なるべく早く相談したい」とまで言っていた。
最初は、「ま〜た心配してんのか?」
程度だったが、蛋白漏出性胃腸症のときも妻が先に気づいて行動してくれていたのを思い出した。
妻の、子どもの健康や安全に対する思いは徹底している。
さて、話を戻して検査の結果だが、
まだ簡単にしか説明を受けていない。
「結論から言うと、やはり腸回転異常症。ラッド靭帯が腸を狭窄しているかどうかも見ました。これから詳しく情報を整理して、今後どうしていくか来週お話しします」
といった感じだった。
人間には、ラッド靭帯なるものがあるらしい。
これは、『腸回転異常症ガイドライン』に何度もでてきた。
通常の人間はこの靭帯が大腸を固定している。
理科室の人体模型を想像すればわかりやすい。
胃の後に小腸が繋がり、
その後、
小腸を囲うようにぐるっと大腸がある。
この"小腸を囲うようにぐるっと大腸がある"形をしていないのが、「腸回転異常症」らしい。
うちの子の場合、
小腸が右側に寄っていて、
大腸が左側に寄っているらしい。
このように正常な形をしていないと、
大腸がぶらぶらしていて安定しないため
腸が捻れてしまうことがある。
ラッド靭帯を切って小腸と大腸を収め、
自然に癒着させて腸の位置を安定させ、
腸の捻れを抑える手術が必要なようだ。
普段息子が元気だからこそ、
言われなきゃ絶対に気づかない。
腸回転異常と知らずに成人になる人もいるし、
もはや全く知らずに生涯を終える人もいるらしい。
ただ、腸が捻れてしまうと激痛に襲われ、腸管壊死(えし)になる(腸に血が通わなくて腐っちゃう)可能性があるし、最悪死んでしまうようだ。
…こんなにサラサラ書くと他人事のようだが、
息子にはその可能性がある。
腸が急に捻れて、死ぬ。
書いていて泣きたくなる。
この事実を呪っても現実は変わらない。
…検査入院のあと退院の際、
息子が寝たので妻と車の中で話し合った。
「医師が手術を勧めるなら手術をする。ただ、腹腔鏡手術と開腹手術、どちらか選択する必要があるから、腹腔鏡手術の話も聞きに行こう」
「医師から診て、捻れなさそうな腸の配置であれば手術を見送りたい」
このような結論に落ち着いた。
まずは来週、検査結果の詳しい話を聞く。
そしてまた妻と話し合い、今後を決める。
検査入院の前は検査結果を聞きたくなかった。
今はどちらかと言うと、
「手術しなければならないから、
どっちの手術をするべきか考えよう」
と前向きになっている気がする。
こういうとき、親がメソメソしていてはいけない。
建設的な話し合いをして、
息子のベストな道を決めてあげよう。
2022/06/18