ライテクの変化

ライテクの進化の歴史を振り返ると、私がバイクに乗り始めた頃は、TZ350のレーサーとノーマルのCB750が混走していた8時間耐久レースが主流でした。その頃、ホンダからはボルドー24時間耐久を走行していたチームが参戦し、吉村スズキやオージーライダーが熱戦を繰り広げていました。

特に、ヘアピンの立ち上がりで吉村スズキのクロスビーが披露してくれたウイリーは、私たちの心を揺さぶりました。彼はまだバンクしている状態から浮かし始め、マッチャンコーナーへ消えていくような走りを見せていました。その姿には、驚嘆の声を上げるしかありませんでした。

一方、トライアル界では、まっすぐな壁を登る非常に難しいテクニックがありました。しかし、ある選手がその壁をクリアしたことで、他の選手たちも追随し、さらなる高みへと挑戦しました。そして、ヨーロッパからやってきたトライアルのモンスター、エディールジャーンが登場し、これまでのトライアル界の常識を打ち破りました。

彼は斜面の途中でこぶを使うことなく空中に飛び立ち、空中でUターンをしたり、セクション内でバックをしたりと、驚異的な走りを見せました。その姿は、トライアル関係者たちを驚嘆の渦に巻き込みました。

そして、モトクロス界でも、スーパークロスの日本上陸により、新たなテクニックが生まれました。ジャンプの飛び方や、アメリカンのライダーたちが使うスピードや加速度は、当時の国内ライダーたちを度肝を抜くものでした。

現在では、電子制御やハイブリッド技術の進歩により、バイク競技においても新たなライテクが次々と生まれています。例えば、モトGPでは、エンジンブレーキやトラクションコントロールなどの高度な電子制御技術が採用され、ライダーたちはより高速で安全なライディングを行うことができます。

バイクのテクニックは、人間の出来ることが時代とともに増えていく過程を物語っています。今後も、どんな新たなテクニックが生まれるのか、私たちはそれを楽しみに待ち望んでいます。

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