子守り唄

゛君が唄う子守り唄。僕が眠るのを嫌がると必ず唄ってくれる。優しい、優しい唄声。゛

「また、眠れないのですか?」

君は優しい微笑をたたえ、僕に話かけてくる。

「眠りたくないんだ。眠ってしまったら僕は……」

病の進行は一時的には止まったかにみえた。

でも、やはり、そんなわけはなくて…。

「大丈夫です。大丈夫ですよ。私が傍にいますから。いつもの子守り唄を唄って差し上げますよ。安心して下さい、明日もきっと朝陽を見れます。大丈夫ですよ。」

゛君の優しい唄声と優しい響きの子守り唄。僕は明日、目覚めなかったとしても、きっと、後悔はしないだろう。君が唄う子守り唄を聞きながら、優しい手の温もりを感じながら逝けるのだから。゛

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