(和な掛合い?台詞)『生まれ変わりというものがあるならば…。』

「火がまわってきよったか。此の城も、最早これまで。登子、御前は逃げよ。」

「殿、それは、出来ませぬ。妾は最後まで殿と御一緒に参りまする。」

「馬鹿を申すな!御前は女子だ。儂と共に果つる事はない!」

「フフッ…妾は、遠野隆之が妻。幼き頃より空け者と言われた、貴方の妻にござりまする。もう、何年も空け者の傍に居りますれば、その私も空け者。空けの妻らしゅうに逝かせて下さりませ。」

「登子。まことに御前という女子は変わり者よ。昔も今も変わらず。よかろう。遠野隆之が妻として、此の空け者の妻として、城を枕に果てるがよい。」

「殿…。生まれ変わりというものがあるならば、妾はまた、殿の伴侶として生まれとうございます。」

「ああ、また、其方と一緒に。」

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