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投球動作 〜wind up編〜

図1
引用元文献:平山ら,野球投球における投球数と動作キネティクスとの関係


投球動作 〜Wind up〜

ワインドアップは、投球動作における一番初めの動作です。
「ピッチャー振りかぶって〜投げました!」の振りかぶってです
この期における重要なことを、何点か挙げます。
しかしそれが全てではないので、1観点としてRikuの思考を覗いてください!

Wind up(以下"wu")は、投球動作のはじまり。
私達に限らず目的や意図を持って動く動物は、全て等しく動作の開始があります。

・例えば…「歩く」
人間は歩き始めるとき、1歩目を出すほんの少し前に重心が後ろに下がります。
それは、重心を後ろにすることで足を出しやすくし、そこから続く前進的な歩行運動を開始するためのものです(現象の捉え方は様々です)。
バランスをわざと後方に倒し、反射的に足を前に出しているという考えもあるでしょう。

そんなこんなで、歩くに関わらず我々が意識していないだけで、動作には必ずはじまりがあります。どれだけ素早く動いても必ずあります。

【wuで重要なこと】図1を参考
1.的を定める
2.軸足に体重を乗せ、地面を踏む
3.力まない
4.捕手に向かって前方移動を開始する

まずは4個がパッと出てきました!
あれもこれも!と意見はあると思います。その意見は大切にしてください。
1つずつ何で大事なのか書きますね!


1.なぜ的を定めることが重要?

これはなんとなく分かると思います。
簡単です!

「見ないと捕手に投げれません!」
そんなことは分かってる!そう聞こえてきました。笑
"何が"大事かですよね?

通常私達は、基本的にはある程度正面を向いて生活をしますよね?
投球に関しては、投げる腕とは反対の腕の方向を見ます。
なぜか。そこに目的があるからです。
〈目的:捕手にボールを投げる〉
投げる相手を見て投げろ!!そう言われたことがある、聞いたことがある。そんな経験があると思います。これは間違っていません。

目的を見つけ、目的に向かって意図を持って動作をする。
捕手を見つけ、ミットに向かって投球を開始しボールを投げ込む。
的を定めるためには、目的を探すことが重要であり、目の使い方や捕手を視野の中にどう収めるのか。など、かなり重要です。

捕手を全体でみる?
捕手のミットをみる?
審判までを含めてぼんやりとみる?
打者を含めてみる?
など、見方は様々です。
首の角度やwu時の背骨の回旋具合など、人それぞれ次の動作にいきやすい、目的が視覚的に見やすいなど、特定の形があると思います!

しかし、それを知らずになんとなく横を向いて投げている選手は多いことでしょう。
思い起こせばそうかも?言われたらそんな気がしてきた!
そんな選手は、ぜひ投球練習やキャッチボールの際に試してみてください。

今度記事にするかもしれませんが、投球前の首周りのケアは大事だと思っています。
もちろんオフ時間でのケアも必要ですよ!

2.なぜ、軸足に体重を乗せ地面を踏むのが重要なのか。

「軸足に体重を乗せろ!」と指導されたことがあると思います。

結論から述べます。
【勝手に乗ります】

そりゃそうです。片足立ちをしてみてください。
それは体重が乗っています。

では、「乗せる」と「踏む」の違いは何か。
目的です。

乗せるというのは、脚に対して体重がかかる現象を言っています。
踏むというのは、意図を持った行為を表していて、踏むという過程の結果で足に体重が乗る必要があるのです。

イメージしづらいですよね💦
ゆっくりと片足立ちをしてみると、じっくりと足の裏で体重を感じると思います。
ほらほら、右足側に体が傾いていますよ~
あら!そこのあなたは、左足を外に開きすぎていますよ~

少々、癇に障ったと思いますがそれが乗せるです。

対して、右足をもも上げの形から素早く強く足を下ろして、左足をもも上げの形にしてみてください。
片足立ちの時に比べて、しっかりと立っている感じがしませんか?

つまり、踏むという意図をもつことで軸足に体重がかかり左足が上がるのを補助しているのです。
”右足が踏めるから左足が上がる” この意識を持ち
左足を上げるために、右足を踏む。そんな意図が必要です。
そうすることで、右足(軸足)の支持性は筋の収縮によって高まるばかりか、その後に起こる前方への重心移動で大きな意味を持ちます。


3.なぜ力まないことが重要か。

これは、感覚的に理解されている方がほとんどでしょうか?
・過去に言われたことがある
・力まない方が良さそうだもん
・なんかプロが言ってた
などなど、力まないことは直感的に理解していると思います。

なぜ力んではいけないのか。
それは、投球時の最大筋力発揮時期に最大限に筋力を発揮したいためです。

リリース時に一番力を込めたいですよね?
それより前から、力を入れていると我々の体は内側に内側に力が凝縮されていきます。
つまり、縮こまるんです。
昨今のフォームでは、ショートアームなる投法が注目されていますが
あれは、縮こまるとは全く関係ありません。

リリース前の瞬間を切り取るとこうなっています。

図2
引用文献 阿南ら、野球の投球動作の概観 -身体各部位の協調運動と障害予防をふまえて-

図2における赤枠(ボールリリース:BR)に最大を出せることが大事です。
そこまでの過程で、いかにロスを少なくしていきBRを迎えるか。
それが投球全体で必要なことです。
そのため、途中で力を発揮してしまうとロスしてしまうのです。

ムチをバチンっ‼と音を鳴らしたいとします。
ガッチガチに持ち手を握って、上下に振ってもバチンと鳴らないですよね?
ゆったりと持ち、勢いよく振り上げて素早く下に振り下ろします。
その時、振り下ろし始めでぎゅっと握ります。そうして、しなったムチは
バチンッ!といい音を鳴らすと思います。

ぎゅっと握った時がBRです。

要するに、BRをしたいならそこで一番力使えたら良いよね!ってことです!


4.なぜ捕手に向かって前方移動を開始するのか。その重要性は?

単純な回答としては、捕手にできるだけ近い所で投げたいからです。
捕手の手前1mから投げられるならその方が良くないですか?笑

極論そういうことです。前方に捕手がいるから、より近くで投げるために
前方へ体重移動を行います。
少し詳しくいきましょうか!

wu時には、ステップ足を上方に曲げ片足立ちをします。片足立ちの方を軸足といいます。軸足でしっかりと立ちバランスをとる必要があります。
ただ、一連の流れでいうと時間的にはそんなに長くないです。

軸足で立った後、ステップ足が前下方に向かって降りていきます。
その時の軸足が重要なのです。
ここはwuと違うフェイズとして扱いたいので、今度軸足の重要性について書かせていただきます。
ちらっと言うと、キーワードは「股関節外旋」「股関節内旋」です
お楽しみに!!


終わりに

拝読いただきましてありがとうございました!
今回は、投球動作における”ワインドアップ期”について書かせていただきました。
本文中にも書きましたが、この内容が全てではありません。
そのため似たような記事を書いている方のも読んでください!
色んな知見があります。その中で、ご自身が何を良しとして考え、動きとして感覚的に馴染むものを選んでください。
どんなに凄いトレーナーでも先生でも教授でも、誰かから学んでいます。
凄いから正しいわけでもないです。ただ、ある一定の基準よりも高い水準で物事を考えており、高次元のことを考えていらっしゃると思います。
そのため私も色んな方の話を聞きに行ったり、セミナーを受けるようにしています。

「未熟が故に学ぶ姿勢は絶えないようです。」
今後も皆様に有益と感じてもらえる情報を少しでも提供できるよう、頑張っていきたいと思います。
よろしくお願いいたします!

それでは、また!


Riku


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