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怪獣はカッコいい。
やるべきことから逃避するために、書類ケースを整理していると
幼稚園の時にもらった「お誕生日カード」が出てきた。
カードの中には
「せんせいからの お祝いのことば」や
「おともだちの なまえ」などを書く欄があり
先生や友達と一緒に写っている写真が貼ってあったりする。
「おうちのかたからの ことば」の欄は、空白のまま。
私の親は、お祝いの言葉を書くことに照れがあったのだと思う。
そう思うと、空白なのに親の存在を強く感じてしまうから不思議だ。
「すきなたべもの」の欄は
カレーライスとぶどう、と書いてある。
「将来の夢は?」の欄は
かいじゅうになりたい、と書いてある。
何故、怪獣になりたかったかのかは、覚えていない。
「周りのみんなはヒーロー好きだけど、僕は違うぞ」
みたいな気持ちだったのかもしれない。
今、改めて考えてみても怪獣はカッコいい。
怪獣は、孤独で暴れて闘ってヒーローに爆破されて「ギャーッ」とか叫んで
木端微塵に吹っ飛んで、跡形もなく消えてしまう。
なんて清々しい最期。
もちろん悲しむ者はいない。
カッコいい。
人は成長して変わっていくものだと思うが
案外、根っこの部分は変わらないのだ。
「いらない物は、どんどん捨てる病」の私だが
お誕生日カードは書類ケースに戻した。
自分の変わらない部分が愛おしい・・・ような気がする。