雲の切れ間から日が差すのが見えた
僕は雷が嫌いだ。すごく怖い。
今朝の散歩のとき、夏の朝日が照り付けるなか、時折まとわりつくような湿った風が吹いて、嫌な感じがした。
お昼を過ぎた頃、遠くの空が灰色になって次第に広がり、僕のいる犬舎の上もすっかり覆ってしまった。
灰色の壁のような空の下に、黒い怪物のような雲が現れ始めた。
突然、強い風が吹く。
・・・やっぱりだ。雷がくる。
犬舎の横に立っている梅の木の枝が揺れ、犬舎の屋根を叩く。
遠くで雷が鳴り始めた。
同居しているちょこは、黙って小屋の中に入ってしまった。
仕