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恩師からの手紙

昨年の郵便料金値上がりで、年賀状じまいをする人が増えている。私はだいぶ前から年賀状を出さなくなっているが、一人だけほぼ毎年年賀状を出している人がいた。それは小学3、4年のクラス担任であった先生だ。

その先生の昨年の年賀状には年賀状じまいの一文があり、自分は年賀状を出さなくなっているくせにとても寂しく思っていた。
先生の場合、郵便料金の値上がりというより、たぶんお年のことを考えてのことと想像した。

先生の終活なのかな……

そんな風に思っていたのだが、年賀状じまいする先生に一言伝えたくて年賀状を書いた。私が今年書いた年賀状はその一枚だけだ。

一方的な文面で申し訳ないと思いつつ、「お会いしたいです」と書いた。

15年以上前だろうか、一度お会いしたことがある。やはり「会いたいです」と年賀状に書いて実現した恩師との再会であった。
当時からの幼なじみで現在でも仲良くしている友人と三人でホテル内の和食レストランでランチをしたのだった。

一方的な年賀状を書いたこともすっかり忘れ、昨日金曜日も疲れて帰宅。ポストを開けると一通のハガキが入っていた。

暗がりで何が書いてあるかわからないけれど、その文字の感じから、先生からとすぐにわかり、急いで玄関の鍵を開けた。

先生からの手紙の書き出しは、余寒お見舞い申し上げます……  もう小学生ではない歳をとった私は余寒お見舞いという挨拶文を知らない恥ずかしさを感じながら文章をすっ飛ばして、最後の二行を読んだ。

『ぜひお会いしたいです  計画お願いします
          連絡待ってます』



あぁ嬉しい。
最近、落ち込むことが多かったので、昨日のこの先生から届いたハガキは飛び上がるほど嬉しかった。

春になったら実現させよう。
今はまだ寒すぎるから……
春がこんなに待ち遠しいのはどれくらいぶりだろう。

今から楽しみで楽しみで、早速、ランチ調査をしている。



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