布団から|冬の着衣|#シロクマ文芸部
布団から枕元へ手を伸ばす。
前の晩に用意したブラウスを手探りでごそごそ手に取り布団の中に入れる。
掛け布団は頭までかぶっている。
布団の中でパジャマの上着を脱ぎ、布団の外へ放り投げる。
布団の中でブラウスを着る。
まだ掛け布団は頭までかぶっている。
また枕元へ手を伸ばす。
手探りでスカートを手に取りそれも布団の中に入れる。
布団の中でパジャマのズボンを脱ぎ、布団の外へ放り投げる。
まだ掛け布団は頭までかぶっている。
布団の中でスカートを履く。
息苦しくなってきて、掛け布団から顔を出す。
はぁー
ここでやっと起き上がり、布団を畳んで押し入れへ入れる。
放り投げたパジャマを拾って綺麗に畳み、布団の上に乗せる。
これは私の低学年ころの冬の朝の様子だ。
外も寒いが、家の中も寒かった。
もう少し大きくなってくると、冷んやりする洋服が嫌で、朝食中、洋服をこたつの中に入れて温めたりしていた。
笑われてしまう話だが、「布団から」のお題をいただかなければ忘れていたことだ。
懐かしい…
もちろん今も朝は寒いけれど、さすがにこんなことはやっておりませんので悪しからず。
「布団から」から始まるエッセイを書きました。
シロクマ文芸部 さんの企画に参加しました。
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