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ロープウェイを下る頃には

 先日すごく楽しいことがありまして、その内容自体はまた後日話そうと思いますが、そのことを終えて時計は22時30分を指しておりました。私はその高揚を抑えられず、いや抑えたくなかったの方が正しいでしょうか、酒を煽りたかった。しかし今はこんな世の中、軽く酒を片手に家路につきました。この時思い出したのです。以前の馬鹿騒ぎした友達との飲み会終わりのテーブルの虚しさを。

そこには、言葉で表現してはいけないような何かが存在する気がした。そしてあの楽しいひとときの中に、必ずロープウェイを下る瞬間がある。そしてそのことに気づいた時には既に足は地についているのです。その瞬間っていつだろうって何度考えても気づくことはできないのである。あの虚しさとは一生肩を組んで歩いていかなければいけないのだ。しかしそこが生を感じる瞬間。ロープウェイは必ず下ることを私たちは知っている。みんな気づかないふりをして、生きている。その時すごく愛おしさを感じるのです。

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