HOPE
疲れ切った体を滑り込ませ 運良く座った座席の中で
視線の先くたびれた靴を見て
そろそろ新しいのを買わなきゃなんて 頭でメモをとる
誰にも気付かれないような 違和感も存在感もない
革靴のシルエットが今の自分と 急に重なったりして
本当に欲しいのは 本当に行きたい場所は
通過する言葉と景色 揺れるバスの中
何も考えるな、何も見るな、欲しがるな
そう言い聞かせて、足並みを揃えながら
ここまで来たのに
いつもは断る同窓会 気まぐれで来てみると これが案外楽しくって
記憶と現実の隙間 心がほどけていく 君の隣、ビールを流し込んだ
僕らどことなく似ていた 好きな漫画や、靴のサイズも
笑い方はあの頃と同じなのに 今は少し遠い気がした
本当に欲しいもの 本当に行きたい世界
あの頃から、君には見えていた?
いつの間に僕ら こんなに離れたとこまで来てしまったんだろう?
そんな事を考えてまた僕は 立ち止まっている
今もくたびれたスニーカーを履いた君が笑う
いつか僕も君と肩を並べて また心から笑えるかな
本当に欲しいもの 今、必要な靴を
それぞれが探しながら 見つけてはまた、歩いていく
君とは違うけど 僕は見慣れたこの街で
たまにうつむいては、選んだこの靴を見つめて
また足音を鳴らす
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