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犬のトレーニング方法を探す~『シーザー・ミランの犬と幸せに暮らす方法55』
今、世界的に有名な犬のトレーナーといったら、この方なのかもしれない。動画も多くあがっていて、それなりに批判もあるが(有名になれば当たり前)どんなに狂暴な犬でもシーザーさんが前に立つと、一瞬でおとなしくなる。やらせ?って疑いたくなるくらいすごいのだが、事実だからこれほど有名にもなるのだろう。まるで魔法使いのよう…。絶対にこれはシーザーさんの持つ天性が犬たちを従わせているのであり、凡人が同じようにできるとは思えない。
シーザーさんは動画の中でも本の中でも、飼い主が自信を持ってパック(群れ)リーダーとなることを、繰り返し推奨している。とにかく堂々と胸を張って歩けと。飼い主に軍隊の呼吸法を学ばせるシーンもあるくらいで、それくらいで変わるのか?とも思ったが、番組の中では効果が表れていた。シーザーさんは犬の行動を変えるのではなく、飼い主の行動を変えるアドバイスを行う。確かに犬よりも人間の行動改革の方が確実だし、犬が常に人間の行動を見ているのは事実だ。
下記はとてもわかりやすく、納得感があると思った。
犬は本能の動物だ・・・人間の感情で理解するな
犬はエネルギーがすべてだ…人間のエネルギーをよみとっている
犬はあくまで動物で犬種や名前はその次の話…動物であり、家犬であること
犬は感覚で現実を理解する…嗅覚➡視覚➡聴覚➡触覚の順で理解している
犬は社会的動物である・・・集団で行動する。集団には役割や秩序がある。
確かに人間同士のコミュニケーションではないのだから、犬に伝えるためには動物としての犬の感覚に訴える必要があるというのはよくわかる。
運動・しつけ・愛情の順番を厳守する
まずはたっぷりと運動をさせる、それから躾けをする。その上で愛情をかける。愛情ばかりで躾けがされていなかったり、運動をろくにさせずに躾けをしようとするからうまくいかないということ。長い時間散歩すると犬は満足しておとなしくなる。欲求不満がたまった状態で躾けをしようなんて人間の子どもに対してでもうまくいかない。単純な話だが、これまであまり考えていなかった。
ルール・境界・制限を設定し、実行する
本当はゆるゆると暮らしたいけど、犬は賢いだけにルール作りが必要だということらしい。これはやってはいけないとか、飼い主のいうことをきかないといけないとか、そういったルールを明確にする必要がある。意外と難しい気がする。その時によってめんどくさいから犬の言いなりになってしまったり、飼い主自らルールを破ってしまったりすることが多々ある。
境界は人間と犬が違うことを明確にさせることで、制限に関しては犬には人間の社会で暮らしているのだから人間の都合に合わせて制限が必要であるということだ。
これらを実行するたにも、犬の欲求は十分に満たしてあげる必要がでてくる。
さらに、散歩を極めろ、ボディランゲージをよみとれなどなど、どれも腹落ちのする言葉ばかりだった。まずは散歩(=運動)して欲求を満たしてあげるべき。犬のボディランゲージを人間の感情におきかえているシーンはよくみかける。かわいい洋服を着せて、〇〇ちゃんうれしそうとかいった感じで…。うれしいわけないだろって、さすがに思うのだが、飼い主は真剣にそう思っているから、ついつい合わせてしまう。また犬が怖がっているのを、大丈夫って優しくしてなだめるのも間違っているらしい。その反応が正しいと思い込んでしまうとか…さらに怒るときは真剣にエネルギーを込めて怒らないといけない。ダメでしょ~なんてゆるゆると言っても伝わらない。
犬に対して真剣に接するべし、そして毅然としたリーダーであるべしというメッセージが強く伝わってくる。これを実行するには私のようにいい加減で散歩中もボケっとしてしまう人間は、まずは人間の矯正を始める必要がありそうだ。シーザーさんは散歩の最初の15分はオシッコもさせない匂いもかがせないらしい…なんか散歩が軍隊の行進のように思えなくもない。あまり楽しくなさそうな気がする。
読後に改めてリクを見てみると、リクはおそらく運動が足りていない。最低でも2時間程度は歩かないと満足しないと思う。さらに我が家にはルールらしきものがない。リクはいつも好きな所にいるし、夜は私と一緒に寝てさえいる。しかし、この状態で私は困っていない。散歩のときの興奮さえ抑えられればよいのだ。が、すべての問題行動を直すには、「ルールを守る」という基本行動が必要ということなのか…ということで、散歩の時間を増やし、そしてせめて玄関の出入りは人間が先!というルールを作り実行してみたいと思う。
私は胸を張って堂々とした散歩を始めた。しかし、リクは相変わらず鹿を見ると大興奮で飛び跳ねる。その時のリクは目も耳も鼻もすべて鹿に集中していて、私のことなど全く考えていないことがリクのボディランゲージから読み取れるようにはなった。