入院1日目(12月2日)

昨日までの痛みは本当に限界だった。症状の範囲は鼠径部から陰嚢の裏側、下部にまで拡大し、神経が影響を受けたのか、時折刺されるような激痛が走った。その痛みが来るたびに悶絶するほどで、冷や汗が止まらなかった。

夜間も断続的に痛みが発生し、ここ数日全く眠れない日々が続いていた。痛みと睡眠不足のダブルパンチで、体も心もすっかり疲れ果ててしまい、日常生活の基本的な動作すらできない状態。座ることも、歩くことも、横になることも困難で、思考もままならない。このままでは自宅療養は不可能だと判断し、再び救急車を要請することになった。

4回目の救急車を要請し、自宅近くのすみれ皮膚科に搬送された。皮膚科の先生にガーゼを使用した処置をしていただき、紹介状を作成していただいた上で市民病院に搬送された。

市民病院では戸井先生が検査キットを持参し、患部からぬぐい液を採取して検査を実施。その結果、検査で陽性(T)が確認され、ヘルペスの感染が判明した。先生からは、基礎疾患である家族良性慢性天疱瘡(Hailey-Hailey病)の上に併発した症状であると説明を受けた。

検査の際、綿棒が患部に触れるだけで耐え難い痛みを感じ、地獄に落ちたような辛さだった。冷や汗が止まらず、心身ともに消耗した。その後、先生が不明の塗り薬を患部全体に塗布したが、その痛みはこれまで経験した中で最も強烈なもので、思わず中国語で「不、不、不!」と叫んでしまうほどだった。

最終的に入院が決定した。隣の患者に迷惑をかけたくないという理由から個室を希望したところ、511号室が空いており、そこに入院することとなった。ここから本格的に病気との闘いが始まる。

痛み止めの点滴を希望したため、点滴による痛み止め治療を開始したが、それでも痛みは完全に引かず、辛い状態が続いている。

個室は日額9,700円で、トイレとシャワーが付いている。日常生活に必要な備品セットは日額491円。患部の処置や快適さを考慮し、浴衣を選択。一週間に3〜4回交換が可能とのこと。

今日一番幸せだったのは、病院のご飯を食べる時間だった。午後には、以前お世話になっていた加持先生が若い医師を連れて来られ、私の患部を確認してくださった。

治療としては、ウイルスを殺す点滴と痛み止めの点滴を一日3回(朝9時、午後5時、夜1時)実施。それでも痛みが出たときは、ロキソニンプロを内服するようお願いした。薬漬けになるのは嫌だったが、痛みには耐えられず仕方なかった。

トイレに行く際は、自力では動けず介助が必要な状態。一歩歩くだけで刺されるような痛みが走る。この状況の中で、人間としての幸せとは、自由に楽に歩けること、走れることだと改めて感じた。

夜9時頃に再び痛みが出たため、集中力を紛らわすために早めに寝ることにした。

こうして入院1日目が終わり、明日からも続く病気との闘いに備えることとなる。


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