入院2日目(12月3日)

朝、暗闇の中で目を覚ますと、また痛みが襲ってきた。ナースコールを押して夜間担当の看護師に痛み止めをお願いしようとしたら、タイミング良く看護師さんが既に痛み止めを持ってきてくれた。患者の状態を察知する力が本当に高いと感心した。頼りになる存在だ。

6時に完全に目が覚め、窓の外を見ると空が徐々に明るくなってきた。今日の症状が悪化するのか、それとも少しでも改善されるのか、不安でいっぱいだった。でも、とにかく病院にいるというだけで少し安心できる。

これまで一番痛かったのは鼠蹊部の左側だったが、今日は右側に痛みが移動してきた。しかも右側の痛みのほうが強いように感じる。どうしてだろう?ガーゼの敷き方のせいなのか、それとも気のせいなのか分からない。

夜間担当の看護師さんが仕事を終え、挨拶に來てくれた。「お疲れ様でした」と伝えると、笑顔で「バイバイ👋」と応えてくれた。このような些細な交流が、少し心を和らげてくれる。

初日はシャワー禁止だったが、今日はシャワーが可能になるかもしれないと聞いた。でも、今のこの狀態では、シャワーを浴びる元気も気力もないので、少し我慢するしかない。代わりに病院が用意してくれた拭き取りシートを使い、口や手をきれいに拭いた。その後、歯磨きも終わらせ、朝ご飯を楽しみに待つことにした。

トイレに行く際、日勤担当の看護師に介助をお願いした。ベッドから降りるだけでも一苦労で、体を少し動かすだけで痛みが襲う。この痛みを乗り越えるためには、深呼吸を繰り返すしか方法がない。

トイレを済ませた後、ベッドに戻るのにも時間がかかった。トイレからベッドまではわずか2メートルほどの距離なのに、一歩一歩深呼吸をしながら進むのがやっとだった。やっとベッドに辿り着いても、ベッドに上がるのにまた痛みに耐える必要があった。

その様子を診察に来た先生が目撃していた。先生が私の大変さを理解してくれたのが分かり、少しだけ救われた気持ちになった。

昼11時ごろ、看護師さんがガーゼ交換をしてくれた。今回は、プロペトに亜鉛華を混ぜたものを使用していた。どんな薬かは分からないが、丁寧に処置をしてくれた。

午後3時ごろ、鼠蹊部の右側に再び激痛が走った。冷汗が止まらないほどの痛みで、体が暑く感じるほどだった。我慢しようとしたが、ついに限界が訪れた。普段は我慢強いほうだと思うけれど、今回は耐えられなかった。痛みのレベルを10段階で表すなら、9に相当するような激しい痛みだった。

ナースコールを押して看護師さんに「痛い」と訴えると、筋肉注射を提案された。「筋肉注射でいいですか?」と聞かれたが、考える余地もなく「お願いします」と返事をした。看護師さんが注射の準備をしに行く間、「お尻に注射されるのか、それとも太ももかな?」と少し不安になったが、実際には腕に注射された。

冷たい液体が体に入る感覚があったが、それと同時に痛みが和らいでいくのを感じた。予想以上の効果に少し驚いた。その注射が何かを尋ねたところ、ソセゴンとアタラックスPという薬だと教えてくれた。聞き慣れない薬名だったが、確かに効き目があった。

ただ、注射の効果は一時的なもので、痛みが完全になくなったわけではない。効果が薄れたあと、また新たな痛みとの闘いが始まるのだろうと思い、気を引き締めた。

空が暗くなり始めた18時ごろ、奇跡的に痛みがまだ戻ってきていなかった。久しぶりに痛みから解放されたような気がして、少しだけ心が軽くなった。

しかし、21時ごろから再び痛みが始まった。これ以上悪化しないよう願いながら、看護師さんにお願いして痛み止めを内服した。それでも完全に痛みが引くわけではなく、また横になりながら痛みと闘う夜が始まった。

ちなみに、点滴で使われている薬について聞いたところ、抗ウイルス薬のアシクロビルと、痛み止めのアセリオだと教えてもらった。アシクロビルはウイルスを退治してくれる重要な薬だそうで、これが効いて症状が少しでも軽くなることを願っている。

21時半、病室の電気を消して目を閉じた。
おやすみなさい。


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