無相応な木偶の坊
8席周りを見渡せば、10代の頃から憧れたシェフばかり
サッカーで例えるなら、周りにメッシやクリロナ、ノイアーがいる中、J2の選手が混ざっているようなものだ
緊張はしなかった
敬意はあるものの、自分の未来だ
やはり皆さま、世界最高峰たるものだった
冷静に考えれば何故自分がここにいるか見失いそうになる
だからこそ冷静でいられなかった
楽しくて、ワクワクしてしょうがなかった
料理に関して
自分の正解を見つけたいと思った
正解というか、自分がやるべきこと
自分である理由とでもいうか
自分だから、この食材で、自分だからこの料理方で
その説得力はやはり自分の中では足りない
だからこそ海外に行くべきだと感じた
もちろん説得力の種は自分の中に植っている
そこを育てる日光なのか水なのか、はたまた別の種が必要なのか
海外が正解とは言えないが
直感的に海外にあるような気がする
外的な影響だけではない、日本で構築した自分の中の価値観が
良い悪いではなくて、覚醒するような気がする
自分でなければ出来ないこと、自分だから出来ること
そして自分に求められていること、勿論自分がやりたいこと
その正解を見つける旅に心が躍る、少しの臆病がありながら
そして憧れた人達と共有できた時間はかけがえのないものだった
今の自分は迷いまくる毎日だ
正解が分からないから、だから考えて間違えて、否定され続ける毎日だ
でもあの憧れの人達もそこを経ているのだ
外的な要因があることもあれば、自分の中でその過程を経ている
各々の価値観だったり正解に触れることで、笑みが溢れてしまう
自分が間違っているかなんて分からない
そしてあの方々も分からない中、走り抜けて来たのだと感じた
これからの自分の身の振り方、そして着地点
変わるかもしれない
でも動きながらではないと分からない
というか導き出せない
塞翁が馬
何がいい方向に転がってるかなんて、渦中の自分では分からない
だからこそ自分を信じて、そして先人の教授を賜りながら
この長いようで短い、旅を
そして今日はその、簡単な言葉で言えばモチベーションをいただけた日だった
そして何よりも、この場に送り出してくれた親方のやばさ
ああ、日本語のやばいは実に便利だ
だからこそ難しいが
とにかくやばい
何故、お前がそこに入れるのか
そこも考えるべきだ
もちろん憧れの料理人はたくさんいるし、皆さん感嘆が止まらない程すごい
だが、今このレストランで働けている自分が
幸せで運がいいと、思わざるを得ない
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