見出し画像

前を捨てよ、後を捨てよ、中間を棄てよ

毎日notoを書いたりしていた時が懐かしい程久しぶりに書いてみます。

3月から始まったスペインバスクでの研修が終わった。
年単位で居るつもりだったので捉えようによっては挫折だし、自分も大いに挫折と捉えている。

でも昨日ビルバオまで200kmでとばして送ってくれたシェフとの会話で、より相当する言葉をいただいた。
僕はこの4ヶ月で解脱に成功した。
絶対に天狗になんてならないと思い、言い続けてきた僕だが、やっぱり生意気でキザなやつだった様だ。
自分が積み上げたものを否定することが怖くて、そのスタンスをとっていた。
そして自分が目指す料理人像を早すぎる段階で自分に降ろしていた。
今の自分で思う、調子に乗っていた。
イタイ、気持ち悪い。
そしてもっと怖いのは、たった4ヶ月前の渦中だが、当時は全く調子に乗っていると思っていなかったことだ。

わざわざこんな異国の地に来て、そんな邪念があるので、上手くいかないという陳腐な悩みを抱えていた。
こんなはずじゃなかっと、消化不良の毎日だった。 
そしてその原因が分からず、分からないからか我武者羅に成れていなかった。
そして今を闘えてもいないのに、理想の未来を考えて少し前の自分の積み上げたものを保守していた。
そんな奴は切られて当然で、案の定戦力外通告をいただいた。

そこでようやく、気付き始めて行く。
今の自分の現在地と、行きたい未来とのギャップ。
今自分にあるもの、必要なものetc
というよりも今の自分のスタンスの違い。
早くで何かを成すことは、何かを飛ばすことではない。
全てのことを周りの人間が追い付かないくらいに達成して行くことだ。
まだ達成していない事を体に入れる、経験するスタンスを取れていないから逆に時間がかかる。
今まだお前はその段階じゃねえよってこと。

そこに気付き始めてから、ある決断をすることになる。
その決断はバスクに来るまでは絶対に選択出来ないことだった。
今この海外での挫折と東京での殆ど泣いていた4年間があってこそだ。
何が正解か分からないが、今自分はそこに向かうべき気がしている。
ただ、その環境はしがみつくだけがやっとの場所ということは過去の経験から知っている。
だからこそしがみつく、そして流されずに呼吸をして考えることを辞めない。
高く飛ぶには膝を曲げないといけないし、長く助走をとった方がより遠くへ飛べる。
人生は豊かであるべきだけど、今はその段階ではない。

やっとスタートラインに立てたということで、気付かせてくれた、解脱させてくれたこの経験が安かったのか高かったのかはこれからの自分の結果次第。
手垢のつきまくった言葉で失礼します、この4ヶ月は濃かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?