離婚裁判の2回目以降
初回の離婚裁判の様子は前の記事で説明させていただきました。
この記事では、離婚裁判の第2回以降の様子を説明します。
第2回目からは、普通の応接室のようなところで離婚裁判が行われます。横長にテーブルが置かれ、向こう側に裁判官、手前側の左側に原告側、右側に被告側が座ります。書記官は、そのどちらでもなく、テーブルの横に座ります。
まず、書記官が我々を待合室からその部屋に連れて行ってくれます。そこで、その回の裁判に提出した書類の確認がされます。以前説明したとおり、前回、こちらが書類を提出していれば、今回は相手の番です。両方が書類を提出することはまずありません。
書類は、だいたい1週間前ぐらいに提出する側から裁判官と相手側に連絡があります。ですので、どんな書類が出てくるかは、当日の1週間前に分かります。ただ、わざとなのか、ぎりぎりに提出してくることも私の場合には多かったです。相手がどんな大変なことを言ってくるか、気が気でありませんので、裁判前の1週間前はどうも落ち着かないです。離婚裁判でのストレスになる一つの要因だと思います。
裁判は1ヶ月に1回のペースで開催されますので、つまり、2ヶ月に1回しか、こちらが自分の主張を正式には説明できないことになります(口頭でそれは違うという説明はできるのですが、では次回の裁判にそのことを文書で提出してください、と言われてしまいます)。私は、このような進み具合に耐えられず、弁護士さんにお願いして、相手から出されてきた書類についての反論をすぐに検討して提出したことがあります。相手が5日前ぐらいに出してきたものに対して、2日ちょっとぐらいで検討をして前々日ぐらいに書類を出しました。そしたら、裁判官には「そんな直前に出されても読めないからやめてください。」と言われてしまいました。私の仕事感覚なら、2日もあれば3ページ程度の文書ぐらい、読めるだろうと思ったのですが。。。幸いにも文句は言われつつも、その文書はその日に受理していただましたので、そこで1ヶ月話を進めることを早めることができました。でも、早くできたのはそれだけです。他は、延々と相手の反論とこちらの反論を何カ月もやりとりすることが続きました。
裁判での部屋の様子に、話を戻しましょう。
提出された書類が書記官によって確認しているうちに、裁判官が部屋に入ってきて、離婚裁判が始まります。提出された書類の確認がされたのち、それぞれの話を聞いていきます。これは基本的に、原告側から、あるいは被告側からというように交互に行われます。裁判官は何とか話をまとめようとしますので、相手側に聞かれたら不利なことや不都合なことは相手側に聞かせるようなことはせずに、なんとか交渉の余地をみつけるようにするのです。おおむね、それぞれ2回ずつの話をする機会が与えられたら、その日は終わりです。両者をテーブルにつかせて、次回の日取りを決めます。場合によっては、次回の日程調整も別々に行うときもありました。
裁判の時間は1~2時間でした。午前のこともあれば午後のこともあります。日程を決めてから時間を変更することは難しいと思いますので、裁判の日までに自分の予定はきちんと確認しておきましょう。それから、相手が裁判を先延ばししたいときは、その日は難しいとか言ってくることでしょう。裁判を早く進めたいのであれば、あまりダメな日はつくらない方がよいでしょう。
離婚裁判では、交互に話をするために、相手の弁護士が事実誤認をしていたとしてもなかなか修正することができません。これはストレスになりました。相手の弁護士に直接、話をすることができても、それは本人に聞いてみないと分からないといって、即答は回避されます。そもそも、こちらに証拠がなければ、あえて事実と違うことを言っても完全否定されることはないので、ある意味、言いたい放題のところもあります。こちらがいくら事実だと強く説明しても、「暖簾(のれん)に腕押し」なのです。
このように離婚裁判は、一にも二にも忍耐です。そのうえで、シンプルで明確な主張が大切です。私の経験からは、裁判官にどんなに細かくに説明しても、要点以外は次回の裁判にあまり残らないという印象です。大きなインパクト・印象のある、有利なことをいかに上手に伝えられるかがポイントとなるでしょう。