担当裁判官が替わる
ええ、そんなことってあるの??
はい。あります。これまでずっと間でやりとりをしていた担当裁判官は替わることがあります。特に、年度初めの異動の時期にです。
私の場合もそうでした。どれくらい、きちんと引き継いでおられるかは、裁判官マターでこちらにはどうしようもありません。その点も含めて、当たりハズレがあることは裁判にはつきものです。
複数の裁判官とやりとりをすることで、裁判官にもキャラクターがあるということが分かりました。比較的、原告と被告の顔を見て話をする方とそうでない方。法律的判断を最優先にしそうな方、個別の事情を適当な範囲でくみ取ろとしてくれそうな方。なんとなく、言葉の端々にでてきます。こちらもしくは相手が発言したときに、どこまで法律の原則論として話を捌いていくかの様子などでです。だからといって、こちらとしては大きく戦術を変えることもできないのですが・・・。
事前にどれくらいこちらの文書を読んでいるかも人によって違いました。ある時は、読んでいないことが分かるような発言をされるときもありました。「書いたじゃん。」と思いつつも丁寧に説明をした記憶があります。そんなときには、軽く、「どこどこの何ページにも書きましたが、・・・です。」と言って、次回にはきちんと読んでもらうプレシャーをかけることも必要でしょう。きちんとした方は、ご自身のノートにこちらの主張と相手の主張とを整理して書いておられました(チラ見できた範囲ではそんな感じでした)。
これらのことを、裁判を有利に進めるという観点から考えてみましょう。これらは、複雑な主張は担当裁判官が替わったときには不利になる(一から説明しなければならないかもしれない)、少なくとも有利にはならない、ということだと思います。したがって、本当に重要な点を絞り込んで主張するという戦略は、裁判官が替わるようなことがあってもなくても、有効そうに思います。いずれにせよ、言いたいことを言えば、裁判で有利になるわけではないということです。
とはいえ、そんなに有利な主張ばかりをできるわけでもありません。その時は、粘り勝ちを目指すしかないでしょう。これについては、次の記事でお話いたします。