離婚調停に行く
離婚協議ですめばよかったのですが、残念ながら、そうはいきませんでした。そうなると、次は離婚調停です。
そもそも「調停」って何?調停は裁判所で行われるというけど、裁判所に行ったことない。調停委員ってどんな人?など、いろいろな疑問がわくと思います。離婚の本をみても、いまいちよくわからない。私の場合もそうでした。今回は、離婚調停の様子を私の体験談からお伝えします。
(離婚調停の手順などを概説したネット記事がありますので、併せて参考にしてください。)
まず、離婚調停は家庭裁判所で行われます。そのためには、調停の申し立てをする必要があります。私は、離婚事由を整理して弁護士にお伝えしたうえで、弁護士に申立書を作っていただきました。申立の理由欄には、「・・・ことから、本人どうしの協議では離婚条件について合意が不可能と判断し、家庭裁判所による調停を求めるものである。」と書かれてありました。協議では解決できないから調停をするという位置づけです。その他、離婚事由(理由)を説明する文書も作成して併せて提出しました。
調停は家庭裁判所に申し立てをしてから行われますが、すぐにではありません。私の場合は、2か月程度待つこととなりました。この間、どうやって調停の話を進めるかの戦略を自分で考えたうえで、弁護士と相談して注意すべき点を確認しておきました。
調停は、最寄りの家庭裁判所で行われました。平日なので、仕事を調整していかなければなりません。私の場合は、電車で数駅行ったところにありますので、電車遅延しても問題ないように早めに家をでました。初のことで緊張が走りました。なんとか到着すると、家庭裁判所は市役所などのように飾り気のない建物でした。中も、まさしく市役所のような感じです。そういえば、自動車運転免許が免停になったときに、ここに来たことあったなあと思い出しました。
家庭裁判所の待合室で、弁護士と待ち合わせをして、いよいよ調停です。部屋に入ると、調停委員の方2人と裁判所の書記官の方が3名おられました。後ほど、妻とその弁護士も入ってきました。今回の調停についての冒頭説明がなされ、その後は、自分側と相手側が交互に調停委員に話をしていきます。相手側の番のときは、待合室で待機となります。それぞれで別の待合室を使うので、廊下などで、相手側とすれ違うことはありません。この点は私にとってはストレス軽減になってよかったです。初回の調停は、自分側⇒相手側、自分側⇒相手側というように2回のやりとりをし、2時間程度の時間がかかりました。最後は、次の期日を決めて終了です(約1ヶ月先に設定されます)。終了した後も、お互いが建物内で対面することがないよう、時間をずらして解散したことを覚えています。
調停委員は、60代前後の男性と女性の方でした。町会長さんのような方だと思っていただければと思います。良識がありそうな善良そうな方々です。ただし、論理力とか進行力とかいう能力的な点でいえば、必ずしも高くはありませんでした。弁護士や裁判官などのような専門能力をみっちりとトレーニングされている方というわけではないのです。例えば、相手側が感情的になっていたり、理不尽なことを言っていたりしただろうと思われることについても、「こう申されているのですが・・・。」とこちらに伝えてきます。こちらは、弁護士とともに、それは非常識とか、ありえないなどと発言すると、「そうですよね。でも、結構頑なに思われているようですので・・・。」という感じです。つまり、いかに折り合いをつけるかというのが調停委員の役割であって、判例的にもそれはないだろうということは発言されないようです。弁護士が「調停委員にはあたりはずれがある」という発言をされていたように、調停委員の能力には結構な幅があるのだと思います。
ですので、調停の場合には、そのような調停委員の方々にも伝わるように話をしなければなりません。シンプルでわかりやすくです。また、論点を絞ることも大切です。Aが、Bが、Cがというように、論点をどんどん出せば出すほど、調停委員が間をとりもたなければならないことが増えてしまいます。早期に離婚したいのであれば、なおさら、いいたいことをぐっと抑え、本当に離婚に必要な事項を調停してもらうことの方が得策であったりします。
私からすると調停委員にどう理解してもらうかばかりを考えていましたが、書記官の方にどう理解してもらえるかも大切なこととのことでした。書記官は一定の法律知識を有し、調停の内容について裁判官に伝える役割を担っているからです。私の場合、キレのある感じの30代ぐらいの女性の方が担当していました。ただ、残念だったのは、2回目の調停において、書記官が不在であったことです。調停委員がうまく調停をコントロールできなかったのが私のケースだったのですが、そういったときに、調停委員をサポートする方がいるのといないのとでは大きく違うと感じました。この点も運です。
調停は、調停委員が折り合えないと判断すれば不調(調停不成立)となります(詳しくは、弁護士の方が書いて記事をご覧ください。例えばこちら)。私の場合には、相手が調停委員から指示された宿題をやってこず、調停の先延ばしを図ったことから、申し立てを取り下げして裁判に進みました。