統一教会と子宮頸がんワクチン
「純潔」を至上とする統一教会と子宮頸がんワクチン問題や性教育をめぐる問題、その影響を受けた政治家たちの問題は、いつか詳細を明らかにすべき課題の1つだろう。
9月2日、北日本放送(KNB)が「統一教会と性教育」という特集を放送した。
以前から「統一教会との深いつながり」を指摘されていた山谷えり子参議院議員が安倍晋三元首相に対し、性教育の教育素材について否定的な説明を行う場面などの貴重な映像も織り交ぜながら(4”37’~)、日本で性教育が委縮していった過程と統一教会の関わりについて、上手にまとめている。
筆者の暮らすドイツでは、思春期に入る前の小学校中学年に入る頃から、ヒトの受精や発生についてくり返し学んでいく。日本の理科では、学年が進んでも「またか」というくらいいつまでもメダカの発生や植物の受粉の話をくり返す。
なぜかと不思議に思っていたが、この番組を見て理由が分かった。
裏には統一教会?学習指導要綱で禁止に
十分な知識がないために起きる10代の妊娠や性感染症を防ぐことを目的に、日本でも1992年から始まった性教育。しかし、1998年の学習指導要綱改定、いわゆる「はどめ規定」により、「人の受精に至る過程は取り扱わない(小5・理科)」「妊娠の経過は取り扱わない(中1・保健体育)」となり、2004年の改定では避妊、性交などの言葉が教科書から一斉に消えることになった。
広島県の産婦人科医、河野美代子氏の言葉を借りれば、「中学校では避妊は教えてはならない」となり、以降14年間、指導要綱は変わっていない。
【KNB作成、番組前編 2”49’のスクリーンショット】
2005年、講演を聞いては「中学生にセックスをそそのかして革命を願っている」など書いて性教育に反対する統一教会に対し河野氏は、広島地方裁判所に名誉棄損訴訟を提起した。「もっとえげつないことを書いたビラをばらまれた」際には、刑事事件で告訴し、逮捕者も出た。
名誉棄損訴訟の被告には、広島市PTA協議会の会長がおり、会長の支援者には統一教会の関係者もいた。当時、何人もの統一教会の信者が市内の学校のPTA役員を務めていたという。
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