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元旦だけで死者30名!人生100年時代に見直す「新年の餅食」

訂正とお詫び(2023年1月5日)
元の記事では、消費者庁発表のデータに基づき「三が日だけで毎年約100名の高齢者が餅による窒息で亡くなる」としていましたが、同データは2018年1月から2019年12月の2年間のものであり、「三が日だけで毎年約50名の高齢者が餅による窒息で亡くなる」が正しい情報でした。訂正してお詫びします。

ドイツでは、新年を花火で祝います。花火と言っても、日本の夏の花火のような風情ではありません。「ビューラー(Böller)」という爆音のする打ち上げ花火を個人で購入し、各自で上げるのです。

1月1日の0時が近づいてくると街や村のあらゆる場所から花火が上がり始め、新年を迎える瞬間には、見渡す限りが花火と爆音に包まれます。

その光景は、美しいと言えば美しく、壮観と言えば壮観ですが、事故や怪我も多く、翌元旦の街は花火の燃え殻やゴミで目も当てられないほどの状態になります。 

花火で疫病や鬼を払う新年

日本の花火は1733年、飢饉や疫病による死者を弔い、悪疫を退散するため、隅田川で開催された水上祭がはじまりとされています。

ヨーロッパの新年の花火もローマ時代、年の変わり目に大きな音を立てて悪魔や鬼を追い払った風習にさかのぼります。当初はがらがらや鞭を使って、中世に入るとトランペットや鐘を使って、音を立てていました。

中国から伝わった火薬が花火として使われた最初の記録は1379 年、フィレンツェで行われた聖霊降臨祭です。ドイツではもう少し時代が下り、1506 年、マクシミリアン 1 世が帝国会議を招集した際にコンスタンツ湖で打ち上げたのが最初です。

一方、個人で打ち上げ花火を上げる今の新年の風習は、小型花火の大量生産が実現した20世紀初頭、中国の旧正月に倣って始まったものと言われています。

1900年の新年を迎えた瞬間のベルリンの記録には、「教会の鐘が鳴り響き、シャンパンを持った人びとが踊りだした」とあって、少なくとも1900年当時は、教会の鐘が爆音にかき消されることなく聞こえていたことが分かります。

ちなみに、ドイツでは元旦に「幸福の豚」と呼ばれる、豚の形をしたマジパンを食べる風習があります。ドイツでも古くから多産の豚を富の象徴としているそうですが、これも遠く中国の影響を受けているのかもしれません。

新年にお隣からいただいた「幸せの豚」

手指の切断、眼球の喪失も…驚くべき重症者の数

2022年、ドイツではパンデミック開始以来2年ぶりに新年の花火が全面解禁となり、花火の売り上げも史上最高となりました。花火が禁止だったのは、集会が禁止されていたからではありません。

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