「子宮頸がんワクチンが子宮頸がんを防ぐ」という当たり前のデータの大切さ
12月4日、子宮頸がん(HPV)ワクチンが男子にも適応となることが決まりました。子宮頸がんワクチンの男子への接種は、世界100カ国以上で認められ、定期接種になっている国も先進国を中心に40カ国ほどあります。
男子の子宮頸がんワクチン接種は、肛門がんや中咽頭がんなど男性に多いがんから男性を守るとともに、女性を子宮頸がんから守るためにも有効です。これで日本でもやっと、9歳以上であれば男子でも子宮頸がんワクチンを堂々と接種できるようになり、万が一の副反応が生じた際にも救済の対象となります。
さて、コロナ禍のなか、コロナ以外のニュースにあまり注目の集まらない状況が続いてきましたが、実は2か月くらい前から子宮頸がんワクチンをめぐっては、いくつかの大切な動きがあります。
ひとつは10月に「子宮頸がワクチンが子宮頸がんを防いだ」ことを示す、世界初のデータが出たことです。
「子宮頸がんワクチンなんだから、子宮頸がんを防ぐのは当たり前では?」「そもそも、ワクチンががんを防ぐというデータが無ければワクチンが承認されるわけがない」と不思議に思う方もいるかもしれません。
しかし、これまで世界にあったのは、「子宮頸がんワクチンが、がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐ」というデータや「子宮頸がんワクチンは、前がん病変を防ぐ」というデータだけでした。
そのため「接種すればがんにならないというのは過大広告だ!」というのが、日本における反子宮頸がんワクチン運動の主張の1つとなっていました。
ではなぜ世界には「子宮頸がんワクチンが子宮頸がんを防ぐ」という当たり前のデータが存在しなかったのでしょうか。
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