『生物学のロボコン』iGEM 2024体験記
今年の一月から取り組んでいた研究プロジェクト『iGEM Grand Tokyo』での活動も、そろそろ終わりが近づいてきたので、振り返りをまとめたいと思います。
iGEMとは
Grand Tokyoの公式noteから一部引用させていただきました。
合成生物学 (Synthetic Biology)とは
生物の細胞や遺伝子を「部品」のように捉え、遺伝子を組み替えることで新しい生命機能をデザインして作り出す研究分野です。生物学と工学の学際的な分野で、分子生物学が個体レベルの現象から細胞や遺伝子の細分化された働きを明らかにすることを目的にするのに対し、合成生物学は遺伝子を設計しその機能を発見するボトムアップアプローチを取る分野です。
iGEMとは
iGEM (The international Genetically Engineered Machine competition)はMIT発の合成生物学の世界大会です。高校生・大学生・大学院生の参加者は微生物の遺伝子を組み換えることで社会問題の解決を目指します。毎年6000人を越える参加者が10月下旬に行われる大会に集い、成果を発表しています。(2024大会はパリ)
Q. Grand Tokyoとは
東京を拠点に活動しているiGEMの高校生チームです。11の学校から集まった新高1〜高3の15人のメンバーと、Ninjas・九大からのアドバイザー5人で活動していました。
私自身の取り組み
入ったきっかけ
私は2023年の8月に行われたデンマークのFuture Scientists Summer Campへ、ともに日本代表として参加したしおりと仲が良く、彼女がGrand Tokyoを立ち上げるので財務担当をしてくれないかと誘われたことがきっかけでメンバーになりました。元々はiGEMの存在は知らなかったのですが、研究成果を社会実装することに関わりたいと考えていたため、橋渡し的な存在を経験したいと考え、決めました。また高校受験も無事に終わったタイミングだったので、何か新しいことに挑戦したいと考えていました。
役割
スポンサー集めを行う財務担当をしていました。
企業からの協賛を探したり、プレゼンを行ったり、クラウドファンディングも行いました。
一月ごろからチームが徐々にでき始め、財務担当しては最初の数ヶ月が最も忙しかったように感じています。
というのも、4月ごろに登録費(なんとほぼ100万円、!)の支払い期限があったり、資金が集まっていなければ、研究のための試薬などが手に入らず、プロジェクトが進まないからです。
メールを書いたり、SNSで告知したり、本社まで会いに行ったりと、とにかく手と足を動かす日々でした。
最終的に、大会関係費や研究費などの約200万円を集めることができ、10月の大会に臨むことができました。全員分の渡航費までは届かなかったため、また私は中間考査と大会が被っていたため、当日の参加は断念しました。
学び
今回、資金調達という形で研究プロジェクトに関わったことで、研究の社会的意義を認めてもらえるように説明する力がついたように感じます。全く違う分野にいる人たちにも『魅せる力』です。どんなに素晴らしい成果が出ても、伝わらなければ認められることは難しいです。私は研究者と社会をつなぐ存在になるため、科学的に対等に理解できるような専門性と流動的な実社会の双方での知見を深めていきたいと考えています。Grand Tokyoでは研究テーマが定まらず、方向性が見えていなかった時は特に苦労しましたが、自分たちの強みを理解し、何ならできるのかを探し続けた時間だったと思います。
また、丁寧に人間関係を構築していくことの大切さも改めて実感しました。あの時お会いして、帰宅してからひとことメールを入れていたり、SNSでやり取りを続けていたりと、その当時はどう繋がるか全く想像していなかったことが結ばれる瞬間もありました。最終的には人柄であって、信頼関係が問われる場面は、年齢が上がるほど増えていくと学んだので、人格を磨いていきたいと思います。
たくさんの方に支援はもちろん、自分自身の大きな学びとなるアドバイスをいただき、このプロジェクトをきっかけに改めてお話しさせていただいた方もいらっしゃり、『賞を目指す』ところにはあまり関われなかったものの、確実に成長できた数ヶ月だったと思います。
出会いへの感謝を忘れずに、新たな挑戦を続けて行きたいです。
ありがとうございました!