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15歳のひとり旅インド*8日目

今日は朝から、市街地から離れたインド工科大学からハイデラバード市内に移動した。

雨が降っていたので、早めに準備しようと急いで片付けて、朝食も食べず乗り場へ行った。食堂はもちろん開いていないので、日本から持っていったアルファ米のわかめご飯に、ケトルで沸かしたお湯を注いでリュックに詰め込んだ。
キャンパス内はとても広いので、タクシーが来る門に行くまで10分くらいバスに乗らないといけない。無事に間に合いそうでホッとした。

8:00にタクシーを呼んでいたので、15分前には門の前について待っていたのだが、8:30になっても来ない。英語があまり通じなそうなので、警備員さんに頼んで電話してもらうと渋滞に巻き込まれて遅れているという。結局45分遅れて出発した。まあインドでは時間通りになることなんてほとんどないので、そこら辺は気楽にいかないといけない。

今日の予定はまず、LV Prasad Eye Institute(以下LVPEI)に行くことだ。

社会起業家を育成する団体アショカのイベントで、アショカの初期のフェローであり、当日の講演者だったDavid Greenさんから、院長を紹介していただいた。彼は、インドの眼科医療について数十年前から現地のドクターたちとともに取り組んでいて、安価で高品質なものを届けるシステムは世界中の経営者に学ばれている。私も本でその取り組みを読んだことがあり、そのビジョンと発想の豊かさに感銘を受けた。

スケジュールの関係で、アラヴィンドへの訪問はできなかったのだが、私がインドに行く予定で、医療システムに興味があることを伝えると、LVPEIを紹介していただいた。そして今日に至る。

まずは、メールのやり取りをしていた院長のDr.Prashantの部屋へ通してもらった。
1人の高校生のためにわざわざ時間を取っていただいて、感謝しかない。私がここへ来た経緯、インドでの研究にとても興味を持ってくださったようで、たくさん質問をいただいた。こういった機会で、自分のことを説明できるよう、練習をしたいなと思う。

PVPEIの取り組みについても伺った。もともとは、ここの拠点だけだったのだが、それだけでは全く足りないと、少しずつ規模を大きくして行ったという。各地域に中核病院があり、それぞれ小さなクリニックと連携している。さらにその下には、コミュニティでの教育やセルフトリートメントプログラムも用意されているそうだ。

のちに訪れたテクノロジーイノベーションセンターで様々なアイテムを見せてもらった。学校や各家庭でも、手軽に視力を測れるように開発したのが、この装置だ。模様から3m離れて万華鏡のようにのぞき、少しずつ引くとだんだんと模様がはっきり見えてくる。私の視力は−6.5位なのだが、ピッタリそのメモリになっていた。

そしてこちらはコロナで患者さんが病院に来れなくなった時、リモート診察をするための道具だ。ソフトウェアのアプリと連携していて、眼の撮影をするのに適切な距離をハードウェアが設定してくれる。特別な技術など要らず、簡単に綺麗な写真が撮れ、それを医師に送ることで病気などを見つけることにつながっているそうだ。

治療を提供するだけではないという。
視力を持たない人々は、教育を受けられる機会がなかったため、仕事についていないことが多いそうだ。そのため、就労支援や基礎レベルの教育の提供にも力を入れている。例えば見学した部屋では、ミシンで布製品を作るトレーニングをしていたり、治療の合間に学べるオーディオブックがあったりした。これらの活動の多くは、市民ボランティアによって支えられているという。

また、研究にも力を入れており、バングラディッシュやインドネシアでも、その成果を活かして医療を行っているそうだ。リハビリルームの見学など、とても充実した時間になった。予定が入っていたので短く切り上げたが、次来たときはもっと詳しく案内してあげるよとおっしゃっていただき、再訪が楽しみだ。

その後は、Na Ra Japan Hubを訪問した。
日本語がペラペラな代表ご夫妻が本当に親切にサポートしてくださり、辛くなく脂っぽくもない南インドのベジごはんを美味しくいただいた。畳があったりと、日本をとても感じた時間だった。

ちょうど日本語を習いに来ていた双子の大学生がいたので、日本語で話した。
インドについてどう思うか聞くと、
『私はあまり好きではない。なぜなら、女性に優しくないから。考え方が古くて、悪い習慣も残している。それに私は綺麗好きだから、どこに行っても汚れているのがよくない。』
といっていて、驚いた。今まであってきたインド人は、愛国心が強く、このようなネガティブなコメントを聞いたことがなかったからだ。

北インドは保守的、南インドはオープンと聞くが、まだまだほんの一部分しか見れていないのだとつくづく思う。その少ない経験だけで、インドのことを語ろうとするなんて甘いなと気付かされた。それだけ14億人の多様性は半端ない。

夕方、Japan Hubの代表と別の会社で働いている方のお家に連れて行ってもらった。今日から3日間お世話になる。到着してから、私が大好きなパパイヤを振る舞ってくださり、ビタミンが補充されてる感覚があった。すごく美味しい!

明日はハイデラバードを観光する予定なので、ゆっくり休みたいと思う。

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