コミュニティと子育ての価値
【ママ友会を実施していての経験】
皆さんこんにちは。中野莉子です。
私は月に一回、子育てを通して知り合った友人たちとママ友会をしています。
母親である私たちだけで夜に集まり、みんなが案を出し合って決まったお店でにぎやかに過ごせる時間が本当に楽しいです。
自分たちで仕事をしているママ友が多いのですが、子どもをパートナーや安心できる仲間に預けて夜に出かけることができることは、世間的にいうと当たり前ではないことを実感しています。
【日本の子育ての現状】
日本の子育ては、女性が主となって行っている傾向があることが、実態調査で発表されています。
内閣府の2020年の調査によると、子育てについて「主に妻が行うが、夫も手伝う」(49.9%)が約半数を占めていて、「妻も夫も同じように行う」(40.5%)が続きます。 各国の結果を比較すると、欧州3か国では「妻も夫も同じように行う」(フランス:60.9%、ドイ ツ:62.7%、スウェーデン:94.5%)と回答した人の割合が6割を超えており(こっちに移動)、スウェーデンで9割 台と特に高いそうです。
2015年に実施した結果よりも「妻も夫も同じように行う」と考えている割合が上昇していますが、他国に比べて、男女間の役割分担意識をもつ人が日本人には多いことが分かります。
日本や韓国では、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という性別での役割分担意識を持つ人が多いと発表されています。スウェーデンやフランス、アメリカでは、その考え方に否定的な人が多いなかで、日本では、実態上も子育てを妻に依存しているそうです。
さらにショックな内容としては、子育てを一人で実施している母親は2021年の調査で約77万世帯もいます。その中で働きながら子育てをしている人は全体の86.3%となっています。
母親として、家にいる時には家事、日中に就業と、帰宅してまた家事と子育てを行なっていくことを考えると、もはや母はダブルワーク、トリプルワークをしているようなものです。先日お話を聞いた、国際協力をされている方の講演会では、「日本も昔は子どもが兄弟たちの子育てや家事を手伝っていたが、今は母親だけが家事と育児に追われている。日本のお母さんは虐待されているようなもの」とお話されていました。
このような現状を見ると、私が子どもを預けて自分の気心が知れた仲間と子育てのことも仕事のことも話せる現状は、当たり前じゃないと感じます。
また、子育てをしていく中でいかにハードな環境で世のお母さんたちが過ごしているのかと、子育てに対するフォローの少なさや母たちの孤独さを実感しました。
支援までとはいかなくても、相談したいことがあった場合に気軽に相談できる存在が重要だと感じます。
【子育てのコミュニティがあるって大事】
自身のママ友たちの存在もありがたいですが、自身が立ち上げた クラフトメイド協会を通して、コミュニティ作りが出来ていることにも強く価値を感じています。
元々、リアル開催のマルシェを実施することを検討していたクラフトメイド協会でしたが、新型コロナウイルスの影響でオンライン開催を主軸とすることになりました。
その結果、家で子育てをしながらアクセサリーやハンドメイド作品を制作している作家の先生方も、マルシェの参加がしやすくなりました。
働くにしても子育てをしながらの就業はなかなか難しい状況の人も、ハンドメイドという得意分野を通して収入や、ゆくゆくは自身で子どもを家でみながら、仕事もできるような環境になりたい、という女性は多いです。
生活が変わることももちろん意義がありますが、協会を通して知り合った同じ子育てをする作家さんとつながることで、参加した先生方は全国各地の同世代の友人や、子育てを既に経験している先輩に出会うことができています。
場所を気にせず、自身の悩みを解決できるようなコミュニティができることはとても喜ばしいことです。
【まとめ】
日本では他国よりも、子育てについてはまだまだ母親である女性が主体となっていくものだという認識が強いことが分かりました。その中で、パートナーがおらず仕事と子育てを実施している存在も、大変多いことが分かり、生活の中で子育ても私生活も孤独を感じている女性が多い可能性が高い現状が分かりました。私自身が、コミュニティの力によって子育てのフォローや、「何でも任せてくれ」と言ってくれる仕事仲間に恵まれていることがいかに幸せなことかを実感しながら、自身の作ったコミュニティを活かしてより多くの女性や子育て世代の方々が子育てをしやすい環境になっていく場を作っていきます。