フェアトレードを国内に?地元の農家を守るためにできる3つのこと
無農薬野菜の減少の理由
田舎で農業をやってる親戚から野菜が送られてきました。
例年より量が少なくて、少し心配になってお礼もかねて電話してみました。
すると、『今年は例年より野菜の収穫が少なかった』『手伝ってくれていた老夫婦が体調を崩して収穫に手が足りなかった』と言ってました。
都会に住んでいると、『最近野菜高くなったなぁ』と感じることは多いと思いますが、身近な人のこういう悩みを聞くと居ても立っても居られません。
フェアトレードは国内でも必要
国外からの農産物にはフェアトレード認証と言って、発展途上国の農産物を適正な価格で購入することで、生産者や労働者の生活改善を目指す活動が広がっています。
輸入商品もそうだけど、日本の農家でも適正になっていない現状がありそうなので調べてみました。
フェアトレードってなに?
コーヒーや紅茶、バナナやチョコレートなど、日常を彩るたくさんの食べ物が世界の国々から私たちの手に届けられています。
日本では途上国で生産された日用品や食料品が、驚くほど安い価格で販売されていることがあります。
一方生産国ではその安さを生み出すため、正当な対価が生産者に支払われなかったり、生産性を上げるために必要以上の農薬が使用され環境が破壊されたり、生産する人の健康に害を及ぼしたりといった事態が起こっています。
生産者がおいしくて品質の良いものを作り続けていくためには、生産者の労働環境や生活水準が保証され、また自然環境にもやさしい配慮がなされる持続可能な取引のサイクルを作っていくことが重要です。
フェアトレードとは直訳すると「公平・公正な貿易」。
つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。
日本の農業が抱える3つの課題
日本の農業が抱える課題は多くありますが、特に大きな課題は『農家の高齢化』『耕作放棄地の増加』『TPPによる競争激化』です。
・農家の高齢化
農業従事者の平均年齢は、2015年が67.1歳、2022年が68.4歳と高齢化が長く続いてます。
また、農業従事者の数は、2015年が175.7万人だったのに対し、2022年は122.6万人まで減少しています。
離農の多くは高齢により農業が続けられなくなったことによるものです。
ほかにも農業は自然に左右されやすく生計が成り立たない、農作物の育成は数値化するのが難しいため知識や技術が伝承しにくいといったことが要因として考えられます。
・耕作放棄地の増加
かつて農地だったものの現在は農地として利用されていない「耕作放棄地」や「荒廃農地」の増加も課題となっています。
この問題は長年認知されていましたが、解決には至っていません。
なぜなら、耕作放棄地や荒廃農地が増加している主な原因が、基幹農業従事者の高齢化と後継者不足によるものだからです。
・TPPによる競争激化
TPP(環太平洋パートナーシップ)による価格競争の激化も、日本の農家が抱える課題です。
TPPはアジア太平洋地域において貿易や交流の活性化を狙った協定です。
その中で農業に影響を与えているのが、関税の撤廃です。
農林水産省が発表した「TPPにおける農林水産物関税の最終結果」によると、農林水産物2,594品目のうち、2,135品目の関税が撤廃されました。
農業のこれから
このような課題を解決するには、『スマート農業の実施』『農地や経営の拡大』『農作物のブランド化』が必要だと言われています。
私が理事を務めるクラフトメイド協会では、加盟していただいたハンドメイド作家さんに、ノウハウを提供したり、作家さん同士のコミュニティを組織したり、製品のブランド力を高める講座を実施してきました。
何かの参考になればと思い、ブランディング講座のURLを掲載させていただきます。
私たちにできること
農業の未来を考えることは、日ごろから野菜を食べる私たちにとってとても重要なことということがわかったと思います。
生産者の苦悩も理解した上で、感謝しながら美味しく命をいただくことが、未来の日本を作ることに繋がります。
食は、私たちの豊かな生活の源です。
最後に、国内で生産された野菜を消費することを前提として、わたしたちができることを3つ紹介します。
1.野菜そのものの量を減らしたメニューを作る
2.価格変動の少ない野菜を使ったメニューを作る
3.規格外野菜を仕入れる
一人ひとりが行う小さな行動が、大きな成果につながることを信じて、美味しい野菜をいただきましょう。