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【要点まとめ】『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』

現役保育士・日本語教師オススメ本
『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』

子育ての中で「こんなとき、どうしたら良かったんだろう・・・」と思う場面、多いですよね。
シチュエーション別での対応の仕方も書いてあり、実践しやすいです。
モンテッソーリ教育に基づいた子どもの成長段階のとらえ方、どのような関わりをした方が良いのかなど、子育て中のお父さん・お母さんに参考になる点がたくさん!

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 モンテッソーリ教育は、今から約110年前にイタリアで、マリア・モンテッソーリという女性医師によって子どもを観察することで築き上げられた教育方法です。    
 みなさんは、モンテッソーリ教育にどんな印象をお持ちでしょうか?  
モンテッソーリ教育を受けた人物に優秀な方が多いこともあって、モンテッソーリ教育に対して「早期教育」「英才教育」などの印象をお持ちの方も少なくないかもしれません。  
 しかし、モンテッソーリ教育は、決して「天才を育てる」だとか「子どもの 知能を伸ばす」ことを目的とした教育方法ではありません。  
子どもの発達の特徴や原理を理解し、適切な環境を用意して、必要なかかわりをし、子どもが自ら育っていくのをお手伝いする教育方法なのです。   そして、モンテッソーリ教育は、「子どもを尊重して信じる」ことを基盤として理論や方法が築き上げられているのです。

著:モンテッソーリ教師あきえ
『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』

子育てにおいて大切なこと

子育てにおいて何より大切なことは「子どもを尊重して信じる」こと。
親は子どもの「自ら育つ力」を信じて、サポートしてあげること。

  • 子どもは「自ら育つ力」を持っている
    人間として生きていくために、いつ何を獲得すべきなのかがプログラムされている。

  • 子どもの発達のゴールは「じりつ
    自立」…自分のことが自分でできるようになること
    自律」…自分で自分を律することができるようになること

乳幼児期の6年間を「前半と後半」2つに分けて考える

モンテッソーリ教育では、乳幼児期の6年間を前半と後半の2つに分けて考える。0~6歳の乳幼児期は「自分」という「個」を創る大切な時期。

【最初の3年間(0~3歳)】
「自分=個」の基礎を創り上げる時期
→「自分が自分になるのを手伝ってね

【後半の3年間(3~6歳)】
「個」をさらに細かく創り上げ、洗練させる時期
→「一人でするのを手伝ってね

→この子どもの願いが叶うようにサポートしていくことが「子育て」の基本

【最初の3年間(0~3歳)】→「無意識の時期」
0~3歳の間は「触りたい!」思ったら触って「やりたい!」と思ったらやってそれが叶わないと全力で泣く時期。自分の中に埋め込まれているプログラムによって、エネルギーのままに無意識に動いていることの多い時期。

【後半の3年間(3~6歳)】→「意識の時期」
「自分がどうしたいのか」という目的を持って、物事を選択できるようになっていく。エネルギーを使って意識的に取り組む姿が見られる。

子どもが持つ2つの「自ら育つ力」

①「吸収する力」

常に周囲の情報を吸収し、自分の中に入れ、その溜め込んだものを使って少しずつ自分を創っていく。

0~3歳の「無意識」の時期
無意識にどんなものでもフィルターを通すことなく吸収する。
3~6歳の「意識」の時期
自分が吸収したいこと、できるようになりたいことを意識的に自分から掴みに行く姿が見られるようになる。

②「敏感期のエネルギー」

子どもの成長過程で「この時期にこの能力が発達するベストな時期があり、モンテッソーリ教育では、それを「敏感期」を呼ぶ。
「敏感期」は特定の能力(運動能力や言語能力など)を獲得するベストタイミング。

「敏感期」の種類と時期

  • 言葉の敏感期
    0~6歳。
    言語を獲得するために表れるエネルギー。

  • 運動の敏感期
    10ヶ月~4歳前後。
    二足歩行や手を道具として使えるようにするために表れるエネルギー。

  • 感覚の敏感期
    0~4歳半前後。
    感覚器官(五感:視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)を洗練させて感覚器官で感じた情報を区別できるようにするために表れるエネルギー。

  • 秩序の敏感期
    0~4歳前後。(1歳半~3歳がピーク)
    自分がいる環境での「当たり前」という秩序を確立するために強く表れるエネルギー。「いつも同じ」であることにとても強いこだわりを見せる。

  • 社会性の敏感期
    2歳半~6歳前後。
    自分のいる環境に見合った人間になるために、その環境における挨拶、マナー、立ち振る舞いなどを獲得するために強く表れるエネルギー。

  • 小さいものへの敏感期
    1歳半~3歳前後。
    小さいものへ意識を向けるようになり、観察力を獲得するために強く表れるエネルギー。

モンテッソーリ教育を子育ての取り入れる方法

「モンテッソーリ教育」を子育てに落とし込むときのポイント4つ

①環境をととのえる

  • 子どもの「今やりたい!」が叶えられるものを用意
    子どもを観察して「今」やりたがっていることができるように必要に応じてものを用意するサポート。
    例えば、
    「ものをつかんで落とす」に興味がある
    →つまめるサイズのおもちゃと、それを入れる箱を用意
    「引っ張って出す」(ティッシュなど)に興味がある
    →ハンカチを何枚も縫い合わせて長くしたものを、箱やタッパーから引っ張って出せるものを用意

  • 子どもが自分の力で生活できる環境
    「もの」を揃えるだけでなく、生活面でも環境を整える。
    子どもが使う用具や道具を、子どもが取れる高さ、位置にそろえる。
    子どもが使うもののサイズ、子どもの手の大きさに合っているかなどの配慮も必要。

ちなみに、お家で簡単にモンテッソーリ教育に基づいた手作りオモチャの参考になる本がコチラ。
わたしもこれを参考に、いくつか作りました♪

②子どもを観察する

  • 何を楽しんでいるか、子どもを見つめてみる
    子どもの育ちをサポートする上で「子どものことを知る」ことは不可欠。その時に必要なのが「観察する」こと。

  • 大人の願いや先入観なしで「観察」
    「この子はこうだから」と先入観を持っていたり、「これをもっとやってほしい」と大人の願いが根底にありすぎたりすると、本来の子どもの姿をキャッチするのが難しい。
    観察する時はあくまでもポジティブに「今この子にどんなサポートをしたら育ちを助けられるかな?」というまなざしで。

③大人がやって見せる

0~6歳の子どもに何かを伝えるときは、「実際にやって見せる」方法が◎

やって見せるときのポイント

  • 大人の動作は子どもには速すぎる
    「いつものペースより7~8倍ゆっくりやって見せる」こと。

  • 動作と言葉を別々に伝える
    「ここを持って、ほら、ここに通すよ」と、動作と言葉を同時に伝えると、子どもは言葉に集中すればいいのか動作に集中すればいいのかわからなくなってしまう。視覚と聴覚から一気に入ってくる情報を処理することは、低年齢であればあるほど難しい。
    今からやるから見ていてね」と声を掛け、ゆっくり動作だけやる。
    そのあと言葉を添えて、もう一度ゆっくりやって見せても◎

④見守る

  • 子どもの成長の上で大切なことは、「できるように大人にやってもらうこと」ではなく、「子どもが自分でできるようになること」。

  • 子どもが失敗から学ぶ機会を奪わないために、できる限り「手出し・口出しはしない」こと。

日常生活の「できる!」が増えるかかわり方

【食事】

  • 安定感があり、足がしっかりつく椅子を。成長によってサイズが合っているか見直す。

  • 食事中、子どもの視界におもちゃが入らないようにする。テレビは切る。

食事中のかかわり4つのポイント

  1. 「座って食べる」を徹底する
    動きたい時期でも「していいこと」と「しないこと」の線引きは必要。
    子どもが遊びにいったところまで追いかけて食べさせない。「遊びに行ってもご飯は食べられる」と思わせてしまう。長い時間戻ってこない場合は、子どものいる場所へ行き、「席に戻ろうね」と声を掛けたり、抱っこして戻ったりすることが必要。

  2. 上限時間を決めてキリをつける
    だらだら食べない。30分以上かかるときは、「これを最後の一口にしよう」と終わりを示してキリをつける。

  3. ものの使い方をくり返し伝える
    食事中にものを落として遊んでしまうときは、「これはスプーン。こうやって使うよ」とどうやって使うものかくり返し伝える。

  4. 子どもの欲求はおもちゃや活動で満たす
    「ものを落としたい」という子どもの欲求を、活動や遊びの中で満たしてあげるのも一つの方法。(穴の空いた箱にボールや球を落とすなど)

【はみがき】

はみがきを習慣化する4つのポイント

  1. 「食べたら磨く」をルーティンにする
    ほんの数秒でもいいので、「食事をしたら歯ブラシをくわえる」ことを習慣にする。

  2. 鏡を使って磨き方を見せる
    子どもは歯を磨かれているとき、口の中で何が起こっているのか想像することができないので、怖がったり嫌がったりすることもある。その場合、鏡で見せながら「ここの歯を磨くね」などと声掛けをしながら磨くと◎

  3. はみがきの必要性を教える
    絵本や図鑑を使って、歯がどうなっているのか、歯磨きをしないとどうなるのかを一緒に見て話す。

  4. 焦らず忍耐強く
    習慣になるまでは時間がかかるが、無理強いせず、鏡を用意してみたり、絵本を読みながら、歌を歌いながら磨いてみたり、いろいろな方法を試してみる。
    エネルギー切れでそのまま寝てしまった場合は、寝た後に濡らしたガーゼで歯を拭いたり、歯ブラシを軽く当てたりしてあげる。

【着替え】

子どもが一人で着替えをしたがらない場合、その理由としては、

  • 大人がやってくれるものだと思っている

  • やり方がわからない

  • 洋服が原因で「自分で着る」を難しくさせている

一人で着替えられるようになるかかわり3つのポイント

  1. できることは子どもの託す
    身辺自立はいかに子どもが自分のことだと捉えられるかがポイント。
    1から10まで大人がやってしまうのではなく、発達度合いに合わせて「できるところは部分的に子どもに託す」ことが大切。

  2. 大人が7~8倍ゆっくりやって見せる
    何回かやって見せてもらうことで、子どもは吸収して自分でやる力へと変えていく。

  3. 自分の力で着替えられる服を選ぶ
    伸縮性のない素材、多めのボタンなど、子どもが着るのに難しい洋服はなるべく避ける。子どもの握力や腕の力、自分の身体を思い通りに動かす力がまだ未発達のため。

【片付け】

片付けられるようになるかかわり5つのポイント

  1. ものの数を厳選する
    最近使っていないなと思うものがあれば片付け「今」子どもに必要なものだけを出す。未発達な「意志力」を使ってものを選び取るためには、選択肢が限られている方が子どもは選びやすい。
    環境を整えるときは、一度にすべてを変えるのではなく、使っていないものを数個片付ける、数個新しいものを取り替える。すべてが一気に変わると「わたしのものがない」と不安に感じるため。

  2. ものの置き場所を決める
    ものを厳選したら、それらを決まった場所に一つずつ丁寧に置くことがおすすめ。「どこに片付ければいいか」が子どもにとってわかりやすくなる。ものを丁寧に扱うことにもつながる。

  3. 一つ使ったら戻してから次のものを出す
    「使っていたものを片付けてから次のものを出す」というルールを習慣化する。
    片付けをしないまま次の遊びに夢中になり、大人の声かけが届かない場合は、少し待つ。そのあと再度声掛けを。

  4. 行動の区切りで片付ける
    出かける前、食事の前など、行動が変わるときには一度片付けるというルールにすると、部屋がおもちゃで溢れかえることもなくなる。
    4歳以降「まだ続きがしたい」と片付けずに残しておきたがるときは、続きがしたいものだけ残して、あとは片付ける。

  5. 大人がモデルとなって片付ける
    最初から一人では片付けられない。大人が一緒に片付け、最後のトリを子どもに託すことで「自分で片付けられた!」と感じられるようにしていく。

【約束を守る】

「今日はおやつ買わないよ」「終わったら片付けよう」その場では約束していても、時間がたつと、そんな約束はどこへやら…。しかし、子どもはわざと約束破っているわけではない。乳幼児期の子ども(0~3歳)が「現在」を生きているため、子どもが約束を守れないわけではなく「そういう時期」である。
「自分の欲求をコントロールする意志力」「約束を覚えておく記憶力」の発達に伴ってできるようになっていく。
2歳半頃になってきたら、少しずつ小さな約束をすることから始めてみる。道路を渡る前には手をつなぐ、家に帰ったら手を洗う、など。
乳幼児期は、まだ意志力を育む時期なので、もし約束が守れなくても、叱ったり怒ったりする必要はない。

約束を守れるようになるかかわり5つのポイント

  1. 行動する前に伝える
    どこかへ行く前、何かをする前には目的を伝え、子どもの顔を見て、約束も伝える。
    例:「今から食事の材料を買いにスーパーへ行くけど、おやつは買わないよ」

  2. 直前で再確認
    先ほどの約束は、子どもにとって「過去」になっている可能性が高いため「今」もう一度確認する。
    おやつを目の前にすると欲求に負けて約束は消えてしまうため、スーパーへ入る前に再確認。

  3. ぐずっても約束を一貫する
    改めて約束を確認し、ぐずったりだだをこねても、もともとの約束を貫き通す。

  4. 守れたら「行動」をシンプルに認める
    約束を守れたら、子どもの行動を認める。褒めちぎったり、おだてたりする必要はない。「約束を守ってくれたのね、ありがとう」「買いたいけど我慢したんだね」と、子どもの行動を褒める。

  5. 大人が約束を守る姿を見せる
    その場をやり過ごすために「あとで」「今度ね」と軽い約束をした場合、子どもがたとえ忘れていても、「あとでって言ったから、今やろうか?」などと大人から約束を遂行する姿を見せることが大切。
    親子の信頼関係が育まれ、「約束は守る」ということを当たり前のこととして認識する。

【集中力】

食欲や睡眠欲など、基本的な欲求がしっかり満たされ、自分の安心できる場所で興味を持てるものに出会ったとき、初めて集中は起こる。

  • じっと絵本を見ている

  • 積み木を倒さないように積もうと必死になっている

など、生活の中でも、子どもが集中したり夢中になっている場面は多くある。「集中している」とは、机に向かってのみやるものではない。

集中力を育むかかわり3つのポイント

  1. 子どもの集中を邪魔しない
    何かに集中して取り組んでいたら、「○○やってるの?」「できた?」など、子どもに話しかけない。話しかけられると集中は切れてしまう。
    子どもから話しかけられるまで待つ。
    タイムリミットがある場合は、キリのいいところで声掛けを。

  2. 「やりたい」が叶う環境を用意する
    親のものに興味があって触っている場合は「いたずら」と捉えず、同じような活動のできるものを用意してあげる。

  3. 子どもを観察して「少し挑戦すればできる」ラインを探る
    簡単な課題にはあまり集中できない。少し難しい課題に試行錯誤しながら取り組む過程で集中が起きる。そのため、今どんなことに興味があるのか子どもの姿を「観察」することが大事。

日常生活でのかかわりポイント以外に、
「友だちにものを貸してあげられない」
「すぐに手が出てしまう・・・」など、
人との関係や言葉遣いで気になることへのかかわりポイント
なども書かれているので、ぜひ本書を読んでみてください。

子どもへのかかわりポイントまとめ

  • 尊重したかかわり
    子どもを対等に見て、ひとりの人間としてリスペクトしたかかわりを。

  • 子どもの思いを受け止め、共感する
    危険な場合や、自他・ものに危害を加えている場合をのぞいて、まずは気持ちを受け止め、共感する。

  • 叱る・怒る・注意する→具体的に伝える
    感情的にならず、「どうすれば良かったのか」「今後どうすれば良いか」をその都度伝える。

  • 大人がモデルとなり行動で示す
    子どもに身に付けてほしいことを大人が当たり前にすることが大切。

  • 一貫した制限を示す
    「ここまでは良いけど、ここからはダメ」という一貫した制限を示すことが大切。子どもがぐずってもその制限を変えない。

  • 褒める→認める
    子どもが良い行動をしたら、褒めちぎったりごほうびをあげるのでなく、シンプルに行動を認める。

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わたし自身も大学で「幼児教育」を勉強しており、モンテッソーリ教育のことも少し勉強しましたが、それでも参考になる点が多々ありました。
子育ての中で「こんなとき、どうしたらいいんだろう」と思う場面は多いですが、シチュエーション別での対応の仕方も書いてあるので、乳幼児期のお子さんがいるお母さん、お父さん、ぜひ読んでみてください。
オススメです。

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