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【要点まとめ】『子どもの自己肯定感が高まる 天使の口ぐせ』

この本では、つい口にしてしまいがちな子どもへの声かけの中から、子どもの心に悪影響及ぼす「悪魔の口ぐせ」を、なぜ使うべきでないのか説明してあります。
また、「天使の口ぐせ」として積極的に子どもにかけたい言葉も紹介されています。

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褒めるときの「悪魔の口ぐせ」「天使の口ぐせ」

子育ての本には、「褒めて育てましょう」と書かれていることもあれば、「褒めると子供はダメになってしまう」と書かれていることも。
コーチングにおいては、どちらも伝えることはありません。
「良い悪いを決めつけないこと」が大前提にあります。

ただこのような褒め方では、子どもに伝わらないというコミュニケーションにおいてのポイントはいくつかあります。

  1. その場限りのご機嫌取りで、無意識に褒めているケース
    「ママ見て!」に対して「すごいねー」「上手上手!」など反射的に言っているケース。本質を伴わない口先だけの褒め言葉は子供に伝わらないばかりか「大事にされてない」という感覚を潜在的に与えてしまう可能性も。

  2. 子どもをコントロールするために「褒める」を手段にしているケース
    大人がやってほしいことをした時にだけ「いい子だね」「えらいね」などと声をかけ、思い通りにコントロールしようとするケース。
    そこには強い思い込みや決めつけが隠れていることも。
    度が過ぎると、親の期待に応えようと、子どもは自分を抑え込んでしまい、自主性を奪うことにもつながる。

【1】
✕「かわいい!これにしようね」
○「いいの選んだね」

何かを選ぶ時、「どれがいい?」と聞いてはいるものの、結局はお母さんの好みで決めてしまっている事はありませんか。
子どもが自分で選んだ際は、まずは「いいの選んだね!」と褒めてあげてみてください。デザイン等に制限がある場合は、事前に子供に伝えておけば、後からダメ出しせずに済みます。その積み重ねが「自分の選択」に自信をつけることにつながっていきます。

【2】
✕「あなたは優しくて賢い自慢の子」
○「あなたは何よりも宝物」

自分自身のコンプレックスや劣等感を無意識に子供で埋めようとしてしまうケースが多く見受けられます。「優等生の母親である」という点で、自分の価値を確かめていたのかもしれません。
子どもとお母さんの自己肯定感は、イコールの関係。お母さんの劣等感がそのままであれば、2人の自己肯定感は伸びていきません。
お母さんの幸せは、子どもの成績によって決まるものではありませんよね。「あなたの存在自体が私の幸せなのだ」と子どもに伝わる言葉を選んでみてください。

【3】
✕「すごい!かっこいい!」
○「大きな作品だね!」

「意欲を引き出したいのにどうやって褒めたらいいのかわからない」「褒め言葉のバリエーションがない」と思っていませんか。

まずは【①見たままの事実を言葉にする】
さらにできそうなら【②感じた気持ちを添える】とやってみてください。「①すごくキレイだね。②本物見ている気分になるよ」
「①たくさん作ったねー。②この色ちょっと不思議だよね。」

このように声をかけると、会話が増えていきます。
「あなたの作品に興味津々!」という姿勢が伝われば、それは褒め言葉として子どもに伝わります。

【4】
✕「3位でもすごいよ」
○「目標に向けて頑張ったんだね」

目標に達成到達できず、明らかに子どもが落ち込んでいると、心配な気持ちもあって、つい「早く元気を取り戻してあげなきゃ」という気持ちになりがち。
ですが、1位なれなかったのはとても残念なことでも、「目標に届かなかったときの悔しい気持ち」を味わう経験も大切です。「目標に向けて頑張ったんだね」と目標までのプロセスを褒めてあげて、新しい経験を積んでいる子どもの姿を見守るのも大切。

怒るときの「悪魔の口ぐせ」「天使の口ぐせ」

怒ること自体は決して悪いことではありません。気を配るべきなのは、怒る感情そのものではなく、伝え方と、「怒る」ことによる人間関係への影響です。相手に与える影響が強いのは確かなので、褒めると同様に何でも怒っていいわけではありません。
自分は何に対して怒っているのか。
子どもにどうして欲しいのか。
それを正確に認識して伝えられるコミニュケーション力を磨いておくことが大切です。

【1】
✕「ちゃんとして」
○「ポイントはここ」

お母さんの「ちゃんと」と子どもの思う「ちゃんとが」一致していないこと、当事者になると意外と気づかないものです。
何かを頼む際は、事前に「ポイントはここ」とゆずれない部分を伝えておくと、すれ違いが防げます。自分のポイントが必ずしも他の人と同じとは限らないことを理解し、ポイントは1〜2個に絞るのがコツ。

【2】
✕「はあー(ため息)」
○「ママ、これ苦手なの」「ママ疲れてるの」

ため息や無言のように非言語で表現するやり方は、相手だけでなく、周囲の人も嫌な気持ちにさせます。
気持ちを言葉にすることを怠って不機嫌な様子を見せれば、相手が「どうしたんだろう」と推測しなければならず、コミュニケーションとして大きな負担に。親子関係でそれが続くと、子どもは常にお母さんの顔色を伺い、当たり障りのない子供を演じるようになりかねません。

「できないから黙っているだけ。察してほしいわけではない」とお母さんを持っていたとしても、です。「何もしない=悪影響がない」わけではありません。
急に変えるのは難しいので、まずは一言、できる限りソフトな声で口にしてしてみると、子どもの心理的負担が減ります。

【3】
✕「信じられない!」
○「ママ、びっくりしたよ」

自分の考えと合わなかった際に発してしまいがち。大人にはまだしも、子どもには悪影響を与えかねないかなり強い言葉だと思った方が良いでしょう。
「お母さんびっくりしたよ」とまずは気持ちを伝え、なぜやめてほしいかについて理由を説明してあげれば、十分理解できるはずです。

【4】
✕「何でこんなこともできないの?」
○「今日はここを頑張っていたね」

できると思っていたことができないと、ついキツい口調になってしまいますよね。
第三者がいる場合、その人の目を気にして必要以上に怒ってしまうことがよくあります。習い事の先生、友達のお母さん、お店の中など、人目があるからこそ過度になってしまうケースも。「今日はそんな日なんだ」と思って何ができているかを探してみましょう。

【5】
✕「何やってんの!」
○「〇〇しちゃったね」

子どもへの八つ当たり、キツい言い方は、もしかしたら、何を言っても関係が崩れないと思えているからこその、お母さんの「甘え」かもしれません。その関係を長く続けてしまうと、親子間での信頼関係を育てることが難しくなっていきます。
自分自身の問題と子どもを、しっかり切り離して考えることができるようになると、不注意などでちょっとしたハプニングが起こっても「倒しちゃったね」「こぼれちゃったね」などと、必要以上に怒る必要がなくなります。

励ますときの「悪魔の口ぐせ」「天使の口ぐせ」

子育ての中で、子どもを励ます場面は多いものです。その背景には、「簡単に諦めない子に育ってほしい」「能力を伸ばしてあげたい」という親の思いがありますよね。
ただこの「〜してほしい」「〜してあげたい」という思いが強くなりすぎると、子どもに親の理想を押し付けたり、過剰に干渉したり、批判することにつながりかねません。

一方で、放任主義も良いコミニケーションとは言えません。
子どもは基本「遊び」や「楽しさ」を優先する傾向が強いので、「勉強は嫌いだからゲームをしたい」というのが子どもの素直な欲求です。苦手でも必要なことができる大人になってもらうために、励ますことは大切なのです。

【1】
✕「自分で決めたことでしょ」
○「何か考えが変わった?」

「自分で決めたことは、最後までやり遂げてほしい」というのは、親としてとても自然な気持ち。しかし「自分が決めたことでしょ」と言って続けさせることは、「あなたが決めた」を人質に、子どもを縛り付けることになりかねません。真面目な子ほど、「決めたのは自分だから…」と抜け出すことが困難になります。
もちろん1つのことを続けられるのは素晴らしいことですが、それと同じくらい、新しいことに自分からチャレンジするのも、素晴らしいことです。

子どもが、行きたくないと言ったり、弱音を吐いたりするようになった時は、「何か考えが変わった?」と聞いて、言い出しやすい雰囲気を作るのもいいと思います。

【2】
✕「ビリでもいいよ」「できなくてもいいよ」
○「応援しているよ」

「苦手だから嫌い」「苦手だから目標を持っていない」と考えるのは、大人の決めつけかもしれません。励ますつもりで口にした言葉が、「自分は期待されてない」と感じてしまうことも。
自分がかけて欲しい言葉と、他の人が言われて嬉しい言葉が、いつも同じとは限りません。

子ども励ましたいときには、目を見ながら、シンプルに「応援しているよ」と声かけを。余計な言葉を加えない方が、気持ちが伝わることも多いのです。

【3】
✕「それくらい大丈夫、大丈夫!」
○「そんな時もあるよね」

「大丈夫!」というのが悪い励まし言葉ではありません。もちろんそれによって気持ちを切り替えられる子どももいます。

ただ子どもの「痛い」「つらい」「疲れた」などネガティブな言葉が、決して悪いわけではありません。
大人になれば、表に出さず飲み込むことを学ばなければならないシーンも出てきますが、まだ子どものうちは、「そんなネガティブな感情さえも受け止めてくれる人がいる」ということを、身をもって学ぶことも大切です。

促す時の「悪魔の口ぐせ」「天使の口ぐせ」

日常のちょっとした行動に慣れてしまっている大人と比べて、子どもは何事にも時間がかかるものです。そのために子供の行動を急かせ言う言葉をかけてしまいがちです。
忙しい中での子育て、子どもが成長するペースに合わせて生活することは、決して簡単とは言えないでしょう。だからこそ、短い時間の中でも、親子で気持ちを通わせるコミニュケーションを探っていってほしいと思います。

【1】
✕「片付けなさい」
○「一緒に片付けない?」

片付け方も、「その本はここにしまって」などと、お母さんのやり方を指示するのではなく、一緒に話し合うと良いでしょう。
「これとこれ、一緒に使ってるよね。どこに置くと便利?」などと、子どもの趣味嗜好に合わせるようにすると、子どもも自分事として考えやすくなります。

【2】
✕「食べないなら片付けちゃうよ」
○「お母さんは早く片付けたいんだ」

子どもの視界に入るくらいの位置に移動して、「お母さんは明日も仕事だから、早く片付けたいんだ」と“私”を主語にして、具体的に促すと良いでしょう。
自分のことは自分で責任を持ってできる年齢の子どもだったら、「お母さんは先にお風呂に入るから、自分の食べた分の食器を洗って片付けておいてね」と伝えてもいいでしょう。

【3】
✕「時間がなくなっちゃうよ」
○「何分あればできそう?」

脅しのように急かすのではなく、時間についてはお母さんから「これ何分あればできそう?」と早めに問いかけ、取り掛かるタイミングが具体的にイメージできるように促してみましょう。
他の人から言われた事はなかなか行動に移せなくても、自分で決めたことや、習慣になっていることは、比較的簡単に体が動きやすいものです。

【4】
✕「謝りなさい」「ごめんね、は?」
○「聞かせてくれる?」

子どもには子どもの主張があるのに、一方的に謝らせるのは、少々乱暴な対応かもしれません。
小さいうちでも子ども同士の喧嘩は、本人たちに解決させるのが一番だと思いますが、エスカレートしてきたら、大人の仲裁は必要です。
たとえ、その場を目撃していたとしても「どうしたの?お話聞かせてくれる?」と両方の話を聞くようにしましょう。おそらくどちらも、「相手のせいで」「〇〇くんが」と相手のせちにすると思います。それを大人が「〇〇くんはこうしたかったんだね。〇〇くんは、こう思ってたんだね」などと、お互いの言い分を整理してあげましょう。
こうしたプロセスを経て、子どもは「相手にも言い分がある」と理解できるようになっていきます。

止めるときの「悪魔の口ぐせ」「天使の口ぐせ」

危険な行為や迷惑な行為などには強行口調で止めざるを得ないですが、止める理由を親が説明せずに「ダメ」を連発しているのでは子どもはどうやってどうしてやってはいけないのか、その理由を理解できません。
どうしてダメなのか理由まで伝えたいですね。
近い未来も含めて親子で話し合うことが大切です。

【1】
✕「もうゲームはやめて」
○「今は何をやっているの?」

家庭内でルールを決める、タイマーを設定する、など色々と対策はありますが、そもそも子どもがゲームのどこに魅力を感じて、何が楽しいのか、考えてみたことがありますか。
一概に悪いと決めつけず、「今は何やってるの?」などと、子どもがのめり込む理由を知ろうとするのが第一歩です。ゲームに関心を示したことで、共通の話題が生まれ、会話が格段に増えることもあります。

【2】
✕「うちは無理」
○「そうだよね、欲しいよね」

親が「無理」を連発すると、子どもは自分の意見をどんどん言えなくなってしまいます。それを避けるためにも、まずは「そうだよね。欲しいよね」と素直に理解を示しましょう。
その後で、まだその要求を受け入れられないと考えているなら、理由を説明してあげればいいのです。わかりやすく、家庭の考えを伝え、先も見越しながら話し合えるのが理想的です。

【3】
✕「いい加減にして!」
○「今日は何時までにする?」

やるべきことを後回しにしているのは見ていて良い気分ではありませんね。
それならば早い段階で、例えばテレビの電源を入れたり、ゲームを始めたりした時に、「今日は何時までにする?」などと先に聞いておいた方が穏やかに話し合えるはずです。一方的に押し付けられたのではなく、話し合って自分で決めたルールは、子どもも守ろうとします。

【4】
✕「泣いている子、嫌いだよ」
○「涙が止まったらギューしようか」

子どもが泣きやみ方もわからなくなっているならば、「涙が止まったらギューしようか」など、泣きやんだ後のことを想像できる言葉をかけてみましょう。言い方やタイミングも工夫してみてください。

【5】
✕「ダメだよ!」
○「どうなると思う?」

一方的に禁止するのではなく、「もし〇〇が小さい子に当たったらどうなると思う?」「あれ、そうやって使うんだっけ?」など、子どもたち自身に、今自分がやっている行動について自覚を促すと良いですね。

【6】
✕「汚いよ!」
○「気になる?」

子どもは好奇心の塊。いろんなことに興味津々なのは当たり前です。
強い態度で止めるのではなく、「気になる?」などと聞き、どうしてそれを触らない方がいいのか、それで遊ばない方がいいのか等、説明してあげてください。

子どもの自己肯定感

最近では、自己肯定感が「やる気」や「挑戦する力」「コミュニケーション能力」や「学力」にまで影響及ぼすと報告されています。
お母さんと子どもの自己肯定感は、イコールの関係にあります。
自己肯定感は、人間関係の中で育まれていますから、子どもとって最も身近な存在であるお母さんからの影響が、とても大きくなるのです。

「悪魔の口ぐせ」がじわじわと子どもの自己肯定感を低くしていってしまいます。少しでもそれを減らし、「天使の口ぐせ」で子供たちの自己肯定感を高めていってあげましょう。

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