まるく、あたたかく、つつみこむ。問い合わせが鳴り止まない介護施設「てまりグループ」ってなに?
みなさんこんにちは!「ホスピス特化型メディア」を運営しているりこです。施設の見学レビューや、業界で活躍されている方へのインタビュー記事を発信しています。
今回はご縁があり、石川県にある「てまりグループ」さんに訪問し、4つの施設と役員の方々へのインタビューをさせていただきました。
全国の介護施設の取り組みを知りたい方や、より思いがあるところで働きたい石川県の看護師・介護士さんなど、特に必見の記事です!
ぜひ最後までご覧ください。
「てまりグループ」とは
「てまりグループ」は、石川県金沢市に本社を構える株式会社スパーテルを中心とした組織で、医療・介護福祉・教育のサービスを展開して、地域の健康と生活を支えています。
主な事業内容は以下の2つに分かれます。
薬局事業:石川県内を中心に全国で17の保険薬局を運営し、地域に密着した医療サービスを提供
「てまりグループ」の福祉事業の最大の特徴は、どんな方からのご相談でもまずは断らないことで、認知症、身体介護のみの方から、医療介護の両方が必要な方まで幅広く受け入れています。
これは、「選択肢を増やすことで地域の受け皿でありたい」という、「てまりグループ」の皆さんの想いが根底にあります。
そのため、病院やケアマネからの問い合わせや紹介が後をたたず、施設は常に満床。待機リストやお部屋が空いていないことでやむをえずお断りすることもあるほどです。
医療と福祉の両面から地域社会に貢献し、すべての人により良い未来を届けることを目指されている、今石川県で最も勢いのある「てまりグループ」さんの中の様子を今日は特別に皆さんにお届けします!
てまりグループの施設見学
各施設にはそれぞれ特徴があり、今回は4つの施設を一つずつ簡単にご紹介させていただきます。
(1)住宅型有料老人ホーム「ひなの家ナーシング金沢末町」
まず初めに伺ったのは、「ひなの家ナーシング金沢末町」。
「ひなの家訪問看護金沢」管理者の上山さんが私をあたたかく笑顔で迎えてくれたのが、とても嬉しく印象に残っています。
中に入るとまず目に入る、1階の共用部ではご利用者のみんなでレクリエーションしたり、お食事を食べたり。
居室はご自宅で使い慣れた家具の持ち運びなどが自由で、ご利用者のお好きなようにカスタマイズして生活の場を整えることができます。
「ひなの家ナーシング金沢末町」では、看護師が24時間常駐しているため、夜間に医療が必要な方に対しても、切れ目のない看護を提供しています。
また、作業療法士が在籍しており、一人一人に合わせたリハビリプランがあることも特徴の一つだとお話をしてくれました。
(2)住宅型有料老人ホーム「ひなの家」
2件目は、住宅型有料老人ホーム「ひなの家」。
ここは、2013年4月にグループ初の住宅型有料老人ホームとして立ち上げられました。
認知症の方が主に利用されており、私がお伺いしたときはちょうどおやつのタイミング。カラオケをしていたり、訪問販売のタクシーへおにぎりやおやつを楽しそうに選んでいたりと、皆さん思い思いに過ごされていました。
毎日ちょっとした楽しみを感じていただけるように、認知症になってもその人らしい暮らしを続けていただけるように、スタッフの方が工夫を凝らしている様子がとても素敵でした。
(3)小規模多機能ホーム「ひなの家 押野」
3件目は、小規模多機能ホーム「ひなの家 押野」。
"小規模多機能ホーム"とは、生活の中心は自宅におきたい人向けの施設のことです。
在宅訪問、宿泊、デイサービスの3つの機能を持っており、全部同じスタッフが対応してくれることと、24時間いつでも臨機応変に相談できることが大きな特徴です。
ご利用者のほとんどは、お一人で過ごされている方か老夫婦。
例えば、老夫婦のご自宅でお風呂で一人が転んでしまいどうしようもない、という時に、電話をすると介護士の方が自宅まで来て助けてくれる、など何かあった時にどうしようか、という漠然としたお困りごとがある時に利用することができる仕組みがあります。
また、本人は自宅で過ごしたいと思いを持っているが、家族が自宅での介護に不安を感じている、などのシーンで、宿泊の受け入れを通じて徐々に家に帰れるようにする、などの取り組みもしています。
「ひなの家 押野」の登録者は常に満員の29人で、なかなか空きが出ない大人気の施設。お看取りまで対応しているため、ギリギリまで自宅で過ごしたい、という思いも叶えています。
見学中に特に驚いたことが、和室のお部屋があること。
多くの介護施設は、畳はフローリングにリノベーションされてしまうことが多いですが、「ひなの家 押野」では畳の部屋が数室ありました。
和室は襖を開けておくだけで一体感が出るため、離床できない方もリビングとのつながりを感じることができるのだと教えていただきました。
(4)住宅型有料老人ホーム「ひなの家 彩~いろどり~」
最後は住宅型有料老人ホーム「ひなの家 彩~いろどり~」です。
これまで紹介してきた3棟に比べて施設自体は最も大きく、3階建で50名の方が入居することができます。(こちらの施設も満床!)
こちらの施設には言語聴覚士が在籍しているため、嚥下機能が落ちた方などに対しても、食べることを諦めることがないように、などのサポートをしています。
また、ご利用者数が多くなってもケアが手薄にならないよう、通常の介護施設よりも人員配置を多めに設定することで、一人一人に寄り添う手厚いケアを実現しています。
役員インタビュー
最後に、てまりグループを創業時から支える創業メンバーお三方に、創業時からの想いや、今後の展望についてお聞かせいただきました。
◼︎福祉事業部部長 坂井さん
私は創業者の橋本の友人より声をかけて頂き、会社に入社しました。てまりグループの創業時から約20年弱、事業拡大のために走り続けています。
創業当初は「ナーシングホーム」という形態がまだ世の中に浸透していなかったこともあり、制度の勉強を0から独学で学び、運営、採用や集客にはかなり苦労しました。
それでも地域の受け皿として、困っている方の一番近くで寄り添っていたいという思いで、何度も病院に通って施設のことを知っていただいたり、一緒に働く仲間を集めるなど、数々の困難を乗り越えてきました。
そんな、私たち「てまりグループ」の最大の強みはコンセプトが明確にあることだと思っています。
どんな方でも「安心して暮らせる」ために、どのような疾患を持っている方もまずは受け入れて、困っている人の隣で寄り添う存在であることを創業当初からとても大事にしています。
創業時は4名だったのですが、ありがたいことに今では300名を超える仲間が集まりました。
規模が大きくなるほど、理念が社内に浸透しなくなってしまうという事例はよくある話ですが、私たちは、創業時から掲げている理念を新しいメンバーにも伝えるために日々の研修などを通じて理解し、実践に移せるようにしています。
そのような取り組みを通じて、今後もご利用者とそのご家族に安心してご利用いただけるケアを届けていきたいと思っています。
◼︎施設サービス課課長 北井さん
私はもともと介護福祉士として病院に勤めていたところに、橋本社長からのお声がけを受けて「てまりグループ」にジョインしました。
以前、病院で勤めていた時に、失語症・認知症の方がいました。
その際に、その方が自分に何を伝えたいのか、分かってあげられないことがとても悔しく、それをきっかけに認知症のケアを深く学び始めました。
そして、現場での経験を通じて、「本当の答えはその方の中にしかない、ただ分かってあげられることが大切なのだ」と感じました。
それはてまりグループにジョインした当初から変わらない思いとして、自分の中の根幹にあり、日々ご利用者と接する時にはその方のことを分かってあげようとする心を最も大切にしています。
また、この地域には、生活の場に近いところで暮らしたい方がとても多いです。そういう方々が、その人なりの暮らしを続けられるように私たちが力になりがたい、地域の受け皿として私たちがありたい、と思っています。
今後は、サービスを受けたくても受けられない方にも低額の料金で入居できるなどの選択肢を増やし、さらに多くの方に私たちの居場所を届けていきたいと思っています。
◼︎住宅サービス課課長 秋田さん
私は元々ケアマネとして老健で、准看護師として病院で働いたのち、てまりグループに入社して、今年で7年目を迎えます。
小規模多機能型ホームが立ち上がって2年目で入社しました。
当初は、小多機自体の認知度がなく、入居者も少ない状況だったのですが、私は、介護を必要とする方が家で生活をすることの限界や、小多機でなら自宅での生活が続けられる可能性が広がると確信していたので、そうした選択肢を知っていただくために奔走してきました。
今では多くの方にご利用いただいていますが、まだまだ家での介護や生活に不安を抱いている方は多いです。
本当は家で生活したいけれど、介護施設に入居する、そういったことがその方のせいではなくて、そういう受け皿がないことで諦めてしまうことがないように、
そうした思いを叶えてあげられる、支えられる地域の体制を私たちが先頭に立って作っていきたいと思っています。
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てまりグループさんでは専門職の募集をしています。
「とりあえずやってみよう」「一緒に課題解決してみよう!」と前向きに挑戦できる方は、ぜひてまりグループさんの門を叩いてみてください。