特養で86歳のおばあちゃんと話していたら、「お金に囚われた人生だけは送るな」と言われた話
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今回は、私が実際に介護施設でプチ修行させていただいた時の話を記事にしています。
(1)プチ修行に至るまでと今回の施設ご紹介
今回お伺いしたのは、社会福祉法人育明会が運営する特別養護老人ホームレジデンシャル百合ヶ丘です。
元々私は将来、ホスピスを立ち上げたいという思いがあり、活動をしています。
その中で、ホスピスが他の介護施設と具体的に何が違うのか、ネット情報だと100%の理解には至らず、自分の足で実際に見に行きたい、と思いました。
そして今回は、ボランティア先として特別養護老人ホーム(以下、特養)を探して、縁あってレジデンシャル百合ヶ丘さんにお邪魔させていただくことになりました。
見学をした上で分かった、特養とホスピスの違いは図解するとこのようになります。
一番の違いは対象と運営の目的です。
ホスピスは終末期の患者の終の住処としてお看取りまですることに対して、特養では要介護3以上の方が日常生活を送れるよう長期的に介護サポートをします。
今回お伺いしたレジデンシャル百合ヶ丘さんも、要介護3以上の方が生活をされており、車椅子や寝たきりの方も多くいらっしゃいました。
高台にある施設の雰囲気は、とても明るくて、清潔な印象を持ちました。
スタッフの方々の入居者さんへの対応も明るくて、「ここの方はとても親切なのよ」とみなさんが私に教えてくれるほどでした。
(2)86歳のおばあちゃんとの出会い
この日は、おはぎを作るレクリエーションのサポートをしながら、一緒におはぎづくりを体験させていただきました。
長い机に20人くらいずらりと並び、私の隣には86歳のKさんが座りました。
初めは私に警戒していたのか、特に関心がなかったのか・・・
無言で作り始めていましたが、私が懸命に話しかけていると、Kさんはだんだんと私に心を開いてくれたようで、施設での生活や、Kさんのご家族についてなど、いろいろなお話を聞かせてくださりました。
少し時間が経って、Kさんが私の目を見てこう言いました。
「ここに入居して2年経つけど、普段、部屋には私一人だけでお話し相手がいないの。だからあなたとお話しできることがすごく嬉しいし、こうして隣に座れたことは何かのご縁よね」
短時間のボランティアとはいえ、私はそう言っていただけたことがものすごく嬉しくて、今日ここにきてKさんと出会えたことは私にとってもすごく奇跡的なことのように感じるお言葉でした。
(3)おばあちゃんが教えてくれた人生で大事なこと
小一時間くらいおはぎを作っていると、それまで楽しそうにおはぎを作っていたKさんが、突然深刻な面持ちになり、私にこう問いました。
「・・・あなた、人生で一番大切なことは何か知っている?」
「・・・なんでしょうか?」
「健康、よ。
健康はお金では絶対に買えない。私も元気だったら、本当は歩いていろんなところに行きたいの」
Kさんは、以前足を骨折し、自由に歩くことができなくなり車椅子生活をされているのだそう。
「確かに私のおばあちゃんも、今ガンと闘っていますが本人も周りもとても辛いです」
「そうよね。そして、健康の次に大事なのは家族。
私も施設に入ってはいるけど、家族の協力なしには生きられないのよ。
人生で大事なのは、健康と家族のふたつ。
お金なんて、なんとでもなるんだから、あなた、お金に囚われた人生は送ったら絶対にダメよ」
それまで穏やかだったKさんは、私の目を鋭く見てそう諭してくださりました。
「健康第一」とはよく聞く話ですが、86年間の人生を歩んでこられたKさんの言葉の重みは、ずしんと私の心に響きました。
私がボランティアに来たはずなのに、私の方が大事なことをたくさん教えていただく時間になってしまいました。(汗)
今回ボランティアとして活動させていただいたレジデンシャル百合ヶ丘の皆様本当にありがとうございました!
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