見出し画像

報酬目的の過剰訪問?!ホスピス業界で発生する問題事例や現場看護師からの口コミ紹介

このnoteは「家族を預けられるホスピス」を立ち上げ中の私による、ホスピス特化型メディアです。自身のホスピス立ち上げの中で学んだ、実際の施設見学レビューやホスピス業界の動向や最新情報、著名人のインタビューなどを投稿しています。

今回のnoteでは、ホスピス業界が抱える問題についてご紹介しています。今後ご家族の入居を検討されている方は施設選びの参考にしてみてください。

ホスピスの需要拡大に伴う参入企業の増加

ホスピスとは末期癌や難病を抱えた方が「最後まで自分らしく生きる」施設のことです。

特に日本では癌が死因のトップを占め、約3人に1人ががんで亡くなっており、今後も癌患者は増加する見込みです。

それに伴い終末期医療のあり方や尊厳死などへの関心の高まりを受け、最後まで自分らしく生きられる環境を提供する「ホスピス」の需要が拡大しています。

目次
・「ホスピス型住宅」の報酬体系について
・報酬を目的に過剰訪問。実際にあった悪徳な事例
・施設の方針と看護師の看護観に齟齬が生じる場面も

ホスピスについて詳しく知りたい方はこちら↓

「ホスピス」需要の膨らみに伴い、多数の企業がホスピス業界に参入していますが、その背景には「儲かるから始める」というような施設側の儲けのカラクリが隠れていることも。

今回は事例を取り上げながら、「ホスピス住宅」の課題を取り上げていきたいと思います。

「ホスピス型住宅」の報酬体系について

「ホスピス型住宅」の報酬体系は以下のように分かれています。

【報酬体系内訳】
・入居費
・居室利用料(家賃)
・医療保険報酬
・介護保険収入
・障害福祉サービス費
・その他生活支援サービス費

「ホスピス型住宅」と老人ホームの一番の違いは、医療保険報酬と介護保険収入を両獲りできる点です。そのため通常の老人ホームの倍ほどの収益になります。

また、入居者ががん末期と診断されていたり、重症である場合には訪問看護での診療報酬が算定でき、さらに難病の場合は障害に関する報酬も使えるため、住居費を合わせると、入居者1人当たりの月の売り上げは100万円ほどになることもあります。

さらに介護度が高いほど介護保険収入も上がる仕組みになっているため、なるべく介護度の高い患者を入居させたいという施設側の思いも事実としてあるようです。

報酬を目的に過剰訪問。実際にあった悪徳な事例

上述した「ホスピス型住宅」の報酬体系に着目した企業による参入が増加していますが、この訪問報酬を目的に過剰訪問をする悪徳な事例も発生しているそうです。
訪問するほどに訪問報酬が加算されるために、必要もないのに過剰に訪問したり、早朝や真夜中に訪問して加算報酬を受け取るケースが。

ある記事の看護師の証言によると、
「記録上はどの入居者も1日3回、1回30分、複数人で訪問ということになっていたが、実際には5分で終わる場合もあった。複数人で訪問するのは一部の人だけだった」と記載があります。

実際私自身も数十名の看護師さんにインタビューをする中でも、「訪問スケジュールに空きがある場合は、緊急訪問という形で加算を取っていた」という話を伺いました。

一方で、「実際のところ訪問時間以外にも何度も訪室するため緊急加算をとっても足りないくらいスタッフはケアしている」といった声も。
そのため、訪問看護師・有料老人ホームのスタッフとは別に、訪問時間以外はホームのスタッフが対応する、などで対策をしている施設もあるのだとか。

私個人として、両者の意見を聞くと確かに難しい問題とは思いますが、いずれにしても、訪問に関する透明性は担保するべきで、施設内ではルールに基づいた適切な運営と、事実に基づく申請を最低限守って欲しいと思いました。

その訪問自体に必要性があったかどうかは家族にはわかりませんし、訪問の時間帯や誰が訪問をしたのかは知る術もありません。しかし、そもそもそのような施設に自分の大切な家族を預けたいとは到底思えませんから。

施設の方針と看護師の看護観に齟齬が生じる場面も

またそうした事例が発生している施設では、勤務している看護師との間ですれ違いが生じて、実際離職にもつながっているケースもあります。
以前、看護師のAさんから、以下のようなお話をお伺いしました。

私はもともと終末期医療にとても興味があったので、大学病院での勤務を積んだのちに大手ホスピスへ入社を決めました。当時はまだホスピスという概念自体が浸透していなかったため施設数が少ない中でご縁を頂けたことと、待遇面も非常に良かったことが入社の決め手でした。

ですが、いざ入社をすると、入社前に抱いていた理想とはかなりのギャップを感じました。私が実際に患者さまに接している中で「Oさんのためには、もっとこうしたほうがいい。そのために予算をいただきたい」という相談を上の人にした時には、聞く耳を持ってもらえず、結局自分の時間外でボランティアとして働きかけるしかない、ということがよくありました。
自分が患者に提供したいサービスが全く思うようにできない、何度相談しても全く聞いてもらえないのが実情で、結局お金儲けをするためにホスピスを運営しているのでは、と思わざるを得ませんでした。

実際その施設はそうしたギャップを感じた看護師の離職率が高く、一人の患者さんに対して毎回違う看護師が担当につくということが起こっており、患者さんにとってもよくないと思います。

ホスピス経験のある看護師Aさんより

Aさんによると上記のような事例は、他のホスピス勤務の看護師からも聞いたことがあると言います。

施設が大きくなればなるほどシステマチックになって、患者一人一人に対してのホスピタリティやオーダーメイド性は担保できなくなるのは不可避でしょう。

ただ「終末期患者に寄り添い、最後をより良く過ごしてほしい」と胸を高鳴らせて入社する看護師との齟齬が生じて離職につながっているケースも少なくないようです。

あくまでも利用者が最後まで自分らしく過ごせるために存在するものであることを念頭に置き、透明性を担保したホスピス運営者がこれからも増えることを願っています。

以上、本noteでは、ホスピスの施設側が得られる報酬や、過剰訪問の問題について取り上げました!

━━━━━━━━━━━━━━━━━

このnoteではホスピス業界の最新情報や実際の見学レビュー、
インタビュー記事などホスピスに特化した情報を発信していきます!
よければフォローやいいねお願いします✨

私は「自分の家族を預けられる」ホスピスを日本にもっと増やしたい。
行き場のないシニアにとっての選択肢を増やしたい。
そして、将来的には自社の施設を持ちたいと思っています。

そのための情報収集など細かに行なっているので、ホスピス選びに悩んでいる方は、無料相談を受け付けています。
下記メールアドレス宛にお気軽にご相談ください。
→ info@nokos.co.jp

━━━━━━━━━━━━━━━━━

他の記事はこちら↓


いいなと思ったら応援しよう!

ホスピス特化型メディア | りこ
自分の「スキ」に素直になりたい、一回限りの人生を生き抜きたいのです。