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お金を出してダメ出しをもらう

対人援助スキルアップ

EAPメンタルヘルスカウンセラーの資格を取るための
勉強を始めたころ、居宅介護支援事業所の管理者でした。
カウンセラーを目指していたわけではなく、
EAPメンタルヘルスカウンセラー資格取得のカリキュラムが
ケアマネジャーの仕事、管理者としての役割を果たすのに
マッチングしたからです。

  自己投資というよりも、この先、好きなことを探求して、
ケアマネでもカウンセラーでもない立場で、要介護者と介護者の
メンタルヘルスにかかわる仕事をライフワークにするという
漠然としたビジョンを持っていました。
還暦までには、「好き」を「仕事」にする。
間に合ってません・・・・

「メンタルヘルスカウンセラー」の資格取得のための研修なので、
受講生同士でカウンセリングセッションをすることもあります。
カウンセラー役とクライアント訳を交代で行い、
講師からのアドバイスと受講生同士で感想を述べ合います

ケアマネ研修では体験できなかった実践

10年以上のケアマネ経験者で、居宅の管理者となると地域のケアマネ研修会ではスーパーバイザーとしての役割を担う主任ケアマネでした。
しかし、カウンセリングの学びの場では新人。
高額の研修費用(私にとっては)でしたが、「ダメ出し」を真摯に受け止めながら、大人になるとお金を出さなければ、人から指摘をしてもらう機会って得られないんだと実感しました。

カウンセリングセッションは15分や30分。
しかも、内容はできる限り、リアルな内容をという条件で行います。
仕事のこと、家族のこと、セッションのたびに、考えなくても
悩みのネタが尽きないのは、良いのか否か・・・
まったく初対面の様々な職業の方に、そこそこディープな悩みを話すのですが、それだけで、「ほぐれる」感じがするのも不思議でした。

さて、ダメ出しです。(もちろん、ありがたいご指摘です)
講師からの指摘は
「相手の悲しい、辛い話を聞いているときに、あんまり辛そうじゃないわね。もっと辛そうに聞かないと、伝わってるのかなってクライアントが心配になるかも。」
「相づちは、うんうんじゃなくて、『ええ』か『はい』でね。」
「沈黙は耐えましょう」
でした。

ケアマネの職業病か、辛い話を聞きすぎて、感情反応鈍磨?
相手が話しやすいように、いつも穏やかな雰囲気を心掛けるあまり、
悲しみや辛さへの「共感力」が弱くなっていたかもしれない。

セッションの相手からの評価は二極化
相手が女性の時は
「話しやすかった」
「本当にカウンセリングを受けたみたいだった」
「少し話すと察してもらえる感じで楽だった」
と高評価。

しかし、相手が男性になると
「共感してもらえているかな?」
「結論を急がれている感じ」
と、低評価。

相手が20代、30代の男性だと押しつけがましい
母性本能が伝わってるんだろうなという自覚あり(泣)

こうして、自分の支援者としての「癖」を指摘してもらう経験は
とても新鮮でした。

すぐに実践

学んだことはすぐ実践。

翌日から、信頼関係が構築されるまでの面談や電話の相槌は
「ええ」「はい」に変更。(今更、お恥ずかしい話です)
無意識に「うんうん」や「ふーん」を乱用していたことに気づきました。
経験を積むほど謙虚さが必要な専門職がケアマネです。
信頼を得て、会話が弾んできて、はじめて「うんうん。そうそう。」と
相槌を打つのは良いことですが、初回面談では、絶対にNGと決めました。

また、男性と話すときは、より、沈黙に耐え、
間を大事にし、「そうなんですね」と共感する言葉を多めにして、
先を急ぐなと自分に言い聞かせることに。

また、辛い話は辛そうに聞く。
やっているつもりでも、自分がどう見えているかはわからないものです。
介護の現場で、スタッフ同士で会話し、録画してみるのも良い研修になると思います。
私は、時々、鏡を見て、うっとおしくないうなずき方や表情を練習してみています。ちょっと、危ない人みたいですが・・・。

数回の研修で、アドバイスを受けただけでも
これだけの収穫がありました。

新人ケアマネの頃に、こんな研修があればどんなに良かったか。

読んで下さり、ありがとうございます。


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