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支援する人を救う言葉①

新人の頃に知りたかった!

 2017年にEAPメンタルヘルスカウンセラーの資格を取りました。
様々な心理の専門家の講義を受ける中で、新人ケアマネの頃に知っていたらどんなに救われただろうかと思った言葉をご紹介します。

「慣れない幸せより慣れ親しんだ不幸」

閉じこもり、ゴミ屋敷、精神疾患を抱える家族が共依存しながらの生活、経済状況の悪化、医療、看護、介護の介入拒否・・・。
様々なケースに対応しなければならないケアマネ。
介護支援専門員の更新研修にも、最近はようやく心理系の講義が含まれるようですが、介護保険開始当初は、事例検討会でお互いの知恵を出し合い、励まし合い・・・なんとも心もとない時代でした。

 それでも、何とか状況を改善しようと、介護保険で利用できるサービスや地域資源の紹介など、「介護予防」「自立支援」「対象者の意思の尊重」にフォーカスして支援を続け、結局、全部、拒否されるなんていうことがありました。
 なぜ、この人たちは、経済的な負担もなく、ただ、受け入れさえしてくれれば、生活が改善するのに、拒否するの?
 明らかな精神疾患があるわけでもないし、ごく、普通に生きてきたけれど、ちょっとしたズレから崩れていった生活を、ほんの少し変えることに、なぜそんなに抵抗するの?
ケアマネ新人の頃は、不思議で仕方ありませんでした。

 あの頃の私に、人は「慣れない幸せより慣れ親しんだ不幸」を選択するものだから、焦らないでと言ってあげたい。それを知っていれば、相手に寄り添い、ゆっくりゆっくりかかわることができたでしょう。

「底づきを待つ」

 医療、看護、介護の介入を拒むような事例の場合は、最悪の事態を避けるために、措置や保護入院などの対応を取りますが、命に係わる事態ではない場合、ケアマネの立ち位置は「介護予防」だったり、「自立支援」だったりするので、状況を「悪化」させるわけにはいかないという使命を全うしようとしていました。
 では、この「慣れない幸せ」を選択しない人たちにはどうしたらよいのでしょうか。

 例えば「底づき」を待ち、クライアント自身が「助けて」と思う瞬間に、適切な支援を差し出せるように備えるという方法です。
 今では、数々の事例に対応されてきたスーパーケアマネさんが集まるグループワークで、「底づきするのを待つ?」という言葉を耳にすることがあります。ここぞというタイミングで差し出す支援を関連機関が共有し、同じ方向を向いて、ケアマネ一人ではなく複数の専門職で「底づき」を待つことも多職種が連携した高度な支援だと思います。

 落ちそうな要援護者に崖の上から手を差し伸べるのではなく、多職種が大きなマットを広げて、落ちて「底づき」してもケガをさせないようにする支援もあると知ると、自分の非力さに悩まずに済むのでは?

 読んでいただきありがとうございます。
 


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