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山形樹氷旅行記
友人と1泊2日で山形に行って来ました。
お天気に恵まれて立派な樹氷を見ることができました。スキー、樹氷ライトアップ、温泉を楽しんだ記録です。
蔵王
6:00過ぎ東京駅を出発。新幹線の改札にはスノーブーツを履いた人や板を担いだ人が大勢行き来しており、スキー&スノボシーズンを感じました。山形新幹線はナスみたいな色でかわいい。全席指定席でした。乗っている途中で朝日が差し込んでめちゃくちゃ眩しかったです。
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山形駅に9:00ごろ到着。蔵王温泉行きのバスに乗ります。
切符を買いつつバスの待ち列に並びました。新幹線は17号車の席だったのですが、山形駅の改札から一番近い号車だったこともあり、降りた人たちの中では早めにバス列に並べた気がします。シーズンのためバスは増便中で、大勢の人がいました。9:20ごろ山形駅を出発し、10:00ごろに蔵王温泉バスターミナルに到着。横倉ゲレンデの方に歩きました。天気がいい雪道はめちゃくちゃ眩しい。すっかり忘れていたのですが、サングラスを持って来ればよかったと後悔しました。
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今回の旅は友人2人と一緒に3人旅でした
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蔵王温泉スキー場
蔵王銘品館能登屋でスキーブーツと板をレンタルしました。レンタルは1日16:30まで。更衣室を貸していただき、荷物も預かっていただきました。親切にしていただきありがたかったです。貴重品のみロープウェイ駅のコインロッカーに入れました。こちらにも更衣室があったのでそこを利用してもよかったかもしれません。ロープウェイ駅隣でリフト券も購入。
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ゲレンデは目の前。ロープウェイは観光客で賑わっていて2時間待ちとのことでしたが、スキーリフト(23番)は空いていました。
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ふもとで足慣らし後、リフトを乗り継ぎながら上にあがりました。お天気に恵まれ風のない快晴、雪質も最高。これ以上ないスキー日和でした。アイスバーンもなくエッジが気持ちよく効いて楽しかったです。
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リフトを乗り継いでだんだん上がっていくと、徐々に木々が雪に覆われてきて、幹や枝の黒々とした色が見えなくなってきました。まるでホワイトチョコの小枝みたい。するとポツリポツリと大きな雪の塊のようなものが現れはじめ、樹氷らしきものが。一同大興奮!この時点ではまだ枝ぶりがわかる木々もあり、樹氷が点在している感じでした。
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樹氷高原駅に上がって連絡コースから樹氷原コースに合流。リフトを降りるとこれぞ樹氷原。降りる方も山頂の方も、全ての木が樹氷になっています。圧巻でした。10年ぶりにスキーをする友人もいたので、初心者コースを選んでユートピアゲレンデをメインに滑りました。
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17番のリフトを上がって降りて行く樹氷原コースは周囲を樹氷に囲まれながら緩やかな傾斜を下るコースで、コースが広くて景色を楽しむ余裕もあり、大きな樹氷に囲まれて最高のコースでした。
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ちょうどお昼頃になったので、樹氷高原駅近くのレストラン「とまとの森」でお昼ご飯を食べました。ハヤシライスセット1,900円。山形牛入りでお肉が美味しかったです。英語表記のメニューやベジタリアン向けのメニューなどもあり、外国人スキーヤーにも配慮されたお店でした。利用者の方からは韓国・中国語らしき言葉が多く聞かれました。
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昼食後は、レストラン近くの樹氷高原駅からロープウェイ山頂線に乗り、山頂へ。こちらのロープウェイはゴンドラ型で板などは自分で箱内に持ち込んで座るタイプでした。
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5分ほどで山頂駅に到着。ロープウェイとは反対側は緩やかな斜面に樹氷が立ち並ぶ異様な景色がありました。樹氷はモコモコして巨大で、お地蔵さんにもお化けにも見えます。黒いコントラストのない真っ白の雪景色はあまり馴染みがなく、一面の砂景色だった砂丘を思い出しました。
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だんだんと夕方になり、15:30ごろに山頂から下まで一気に滑り降りてレンタルを返却しました。靴をスノーブーツに履き替えてライトアップに向かう荷物を整え、ロープウェイ蔵王山麓駅のコインロッカーに荷物を入れました。ライトアップ実施時は、コインロッカーの営業もロープウェイ終了まで延びるそうです。ここから蔵王山麓駅→ロープウェイ①→樹氷高原駅→ロープウェイ②→地蔵山頂駅と、2つのロープウェイを乗り継いで山頂に向かいます。
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だんだんと日が落ちてきた
樹氷ライトアップ
12〜2月の間の週末を中心に夜間の樹氷ライトアップが実施されています。このライトアップを見るのが今回の旅の一番の目的でした。ロープウェイ山麓線とロープウェイ山頂線を乗り継いで山頂に向かいました。
17:00過ぎにまずは山麓線に乗車しました。こちらのロープウェイは大きな箱に立った状態で多くの人数が乗車し、ぎゅうぎゅうの状態で上がっていきます。15分程度の間隔で2台の箱が往復している形です。
次は日中にも利用した山頂線に乗車しました。こちらは着席状態で乗車するため空間に余裕があり、窓から景色を眺める余裕があります。ちょうど日が暮れはじめて、夕陽が樹氷原を照らしていました。柔らかい光が輪郭をぼんやりと浮き立たせて、昼の強い日差しとは異なる様子が見られます。
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車窓から「ナイトクルーザー号で行く樹氷幻想回廊ツアー」の様子が見えました。こちらは予約がいっぱいで参加できなかったものです。
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地蔵山頂駅に到着後、駅屋上に上がって樹氷原を眺めました。写真だと伝わりづらいですが、風がすごく強くてものすごく寒かったです。手袋を外したくない気温でした。山頂付近は暖色系と虹色のライトがついており、駅の外の狭い範囲で写真を撮ることができました。
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かなりエレクトリカルな色
気温はマイナス、15分ほどで自分はギブアップして駅の中で友人たちを待ちました。山頂線に乗って樹氷高原駅に戻り、山麓線に乗り換えようとしたところ長蛇の列。先ほど書いたように山麓線は15分程度の間隔で2台の箱が往復しているため、待てど暮らせど15分ごとにしか列は進まないのです。列は駅の中に収まらず、屋外の渡り廊下で待つこと1時間。とても寒いなんてものではなくてバリ寒かったです。スキーウェアを着ていなかったら震えが止まらなかった気がします。
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蔵王山麓駅についたのは19:55ごろで、終バスは19:50に出てしまった後でした。そもそもバス停が山麓駅から徒歩15分程度離れていたこともあり、樹氷高原駅でロープウェイを待っている時点で間に合わなさそうだと確信していたため、タクシーを呼ぶことにしました。ロッカーの荷物を回収し、20:00ごろ無事にタクシーに乗車して山形駅に向かいました。
タクシーの運転手さんによると、こんなにお天気の良い日は2週間に1日くらいしかないそうで、土日に当たったのはかなり運が良かったらしいです。ガスってしまって樹氷が見えなかったり、風が強すぎてロープウェイが運休だったり、蔵王に着いても樹氷が見れるかどうかはかなり運次第だそうです。めちゃくちゃラッキーでした。特大の運を使ったおかげか、宿泊したホテルの大浴場のボイラーが壊れていて温泉付きなのに温泉に入れませんでした。ちょうど相殺された感じでホッとしました。
21:00ごろ山形駅東口に到着。タクシー内でこの時間までやっているご飯屋さんを調べたところ、駅前の山形五十番飯店が良さげでした。ヘトヘトだったのもあり、居酒屋ではなく中華料理屋に決定。運転手さんからも「飲んだ後の締めに行くお店で人気がある、美味しいよ」と太鼓判を押していただき、ワクワクしながらお店に向かいました。お店の前には列ができていましたが、割とスムーズに入店できました。クタクタだったので一杯でお腹が膨れそうなラーメンを頼むことにして、しじみラーメン、餃子、春巻き、胡麻団子を食べました。春巻きをぼとんとラーメンの中に落としてしまったりして大変でしたが、全部美味しかったです。疲労困憊で冷えた体にめちゃくちゃ沁みた〜〜〜
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ホテルにチェックインして日付が変わる前に就寝しました。
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友人が参加予定の学会が書いてあったのでパシャリ
山形
朝はホテルのバイキング。お米はつや姫、牛肉と里芋がたっぷり入った甘め醤油味の芋煮、そして玉こんにゃく。山形のご飯をたっぷり食べることができました。他のおかずも全部美味しかったです。大満足。個人的に絶対に玉こんにゃくを食べたかった希望がここで叶えられてしまいました。うれしい。
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10:00ごろチェックアウトをして荷物を預かっていただき、山形駅周辺を散策して山形城跡へ向かいました。道端に地元デザインのマンホールがありました。各地でマンホールデザインを見るのが趣味になりつつあります。調べたところ、中央から市の花ベニバナ、市の木ナナカマド、一番外側は真横から見たベニバナだそうです。素敵。
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山形城跡
南大手門側から山形城跡に入りました。体育館前を通り過ぎて奥に進みます。山形県立博物館に行きたかったのですが、なんと臨時休館中。残念。縄文の女神像やヤマガタダイカイギュウの像があったので見学しました。ヤマガタダイカイギュウの像は金属でできていて動きそうなアクチュエーター(シリンダーかな)も見え、かなり好みでした。
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山形市郷土館(旧済生館本館)
県立博物館が休館でガッカリしていたところ、山形市郷土館が開館していることに気づき訪れることに。なんと無料。旧済生館本館で、元々別の場所で病院として使われていたそうです。戦時中に空襲の標的になり得ることから解体され、後にその意義が認められて国指定重要文化財にも認定、この場所に移築されたとのこと。創建当時は医学校が併設され、オーストリア人医師・ローレツが近代医学教育の教鞭をとったそうです。
三層楼の後ろには8部屋に分かれた回廊があり、医学にまつわる展示や、実際に使われていた道具などが各部屋に展示されていました。三層楼は2階に上がることができ、移築で出てきた古い釘をはじめとして建築にまつわる展示物を見ることができました。他にも郷土館として霞城の発掘で出てきた埋蔵物の報告展示などもありました。
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ゆったり郷土館を見学した後は、本丸一文字門、最上義光之像などを見ながら丸東大手門から城外に出ました。最上義光は山形城の城主だった人らしく、銘板には「鎧兜は時代考証にとらわれず表現した」とあって面白かったです。冬の間は本丸には入れないそうで少し残念でした。
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東大手門大手橋を渡って、山形駅に戻りました。
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お堀に沿って伸びており、2本のレールは幅が違うらしい
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山形牛を食べたかったので、お昼は駅東口の焼肉屋さんで焼肉を食べました。山形牛焼肉 冷麺さくらのカルビ定食です。
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天神乃湯
ホテルの温泉には入れず、ぜひ温泉に入りたい!ということで、駅近くでタイムズカーシェアを借りて「山形うわの温泉天神乃湯」に向かいました。道中が雪道でなく日帰り入浴ができて露天風呂がある、という理由で友人が見つけてくれました。1人450円。露天風呂が2種類ついていて、ゆったりした休憩室もあり、温泉をゆっくり楽しめました。お風呂上がりには地元のビン牛乳をいただき、温泉卵を食べました。お風呂上がりはやっぱり牛乳ですね。
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山形駅に戻る途中、道の駅やまがた蔵王店、ぐっと山形(株式会社 山形県観光物産会館)、食の駅 山形蔵王店と、3つのサービスエリアが並んだかのような広大な道の駅に立ち寄り、お土産を買いました。たくさんのお土産があり、どれを買ったものか目移りしてしまうほど。友人の1人は日本酒を5杯も試飲して購入したそうです。自分は道の駅限定の芋煮煎餅や、鷹山堂の米沢小紋の巾着などを購入しました。
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こっそりさくらんぼ柄なのが山形らしくてかわいい
山形駅に戻って車を返却、温泉含めてトータルで3.5時間くらいのドライブでした。そのまま予約しておいた新幹線のチケットを早い時間の列車に変更し、夕飯を買い込んで17:00過ぎに乗車しました。かみのやま温泉駅付近で車窓から例の「田んぼにニョキっと立つ高層マンション」を見ることができて楽しかったです。
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今回は「樹氷が見たい」という友人の発案で、ホテルの予約から旅程まで友人に任せっきりの旅でした。自分は「玉こんにゃくが食べたい」という希望のみでここまで充実した旅ができたこと、本当に感謝です。一生で一度見るか見ないかの樹氷原を最高のコンディションで見ることができて、すごく良い旅になりました。