マネーフォワードシンカの執行役員COOになります|日記を通じて「今の自分」と泥臭く向き合い続けた1年半
こんにちは。中島力弥(なかしまりきや)といいます。
マネーフォワードのグループ会社 マネーフォワードシンカ で新規事業の立ち上げ、経営戦略等を担当しています。
そしてこの度、マネーフォワードシンカの執行役員COOになりました。
「まさかこんな大役を仰せつかるとは…」と続けたいところですが、あえて言わせてください。
「ついにCOOになったぞ!」
マネーフォワードシンカでの1年半。もどかしさや悔しさでいっぱいだったあの日から、いつしか明確に、「必ずCOOになる」と決めて、宣言して、走ってきました。
今、私の手元に1冊の日記帳があります。
2020年1月1日、マネーフォワードシンカにジョインした日から、毎日欠かさず日記を書いてきました。
(5年分の同じ日付の日記を、タテに書いていくスタイル(5年日記)
去年の今日何を思って何を書いたかがわかるので、書くたびに振り返って懐かしかったり恥ずかしかったりする)
せっかくの節目なので、今後の決意表明と合わせて、自分自身の変化や、なぜ「COOになる」と決意したのかを、この日記を通じて振り返ってみたいと思います。
その中で、私が感じた
「夢を語ることは全然恥ずかしいことじゃなく、しかもその夢や目標は必ずしも立派なものじゃなくていい」
とか、
「スキルとか努力というよりも、自分の願望にまっすぐであることが夢を叶えるための一番の近道だったりする」
みたいなことが、私と同じ「泥臭い誰か」の、背中を押すことができたらとても嬉しいです。
2020年6月4日 :「今年一番の衝撃だ」
そんな熱い感じで振り返り始めましたが、「そういえば1年目前の今日(noteを書いてる日)ってどんなこと書いてたんだろう?」と手始めに開いてみたら…
いったい私は何を書いてるんでしょう。
でも、サイゼの辛味チキンのコスパに脳天を撃ち抜かれたことがまるで昨日のことのように思い出されます。サイゼはすごい。
本題に戻って、入社当初にもう少し遡ります。
2020年1月27日:「自分に悔しくて涙が出た」
1年半前わたしは、
「“クライアントビジネス×経営課題の解決“をテーマにスタートアップFAに挑戦したい」
「素晴らしいプロダクトを持ちながらファイナンスが障壁となり思うようにスケールできないスタートアップの力になりたい」
という想いから、マネーフォワードシンカにジョインすることを決めました。
前職の東京海上ホールディングスでは海外M&Aを実務側で担当していたものの、”ファイナンシャル・アドバイザーとして“ 資金調達やM&Aのプロジェクトに従事するのははじめてで、最初は戸惑いや苦労もありました。
それを表すように当時の日記には、それはもう荒々しい筆圧で上記のように書かれていて、クライアントに対して十分なバリューが出せないもどかしさや悔しさを胸いっぱいに抱えていたのだと思います。
(しかも当時は妻が出産のため里帰り中で、孤独感のほかいろんな見えないなにかと戦っていたのかもしれない)
そんな、自分の実力のなさに悔しくて泣いていた私(改めて文字にすると恥ずかしい)ですが、自分の未熟さと向き合いひとつひとつキャッチアップしていく中で少しずつクライアントに対するバリューが出せるようになり、それから徐々に起業家/経営者の方から「これは信頼されているということかな?」と思うことも多くなりました。
そして2020年の5月には、2つ同時に新規事業を立ち上げるというかなり稀な(+しんどい)の責任者を任せてもらったりと、本当にいろいろなことを経験させていただきました。
さらに入社して半年(ちょうどサイゼの辛味チキンが脳天を直撃した2020年6月頃)、日記には、「自分の強みはなんなんだろう」「人に負けないスキルってなんだろう」みたいなワードがちらほら出てきています。
様々なプロジェクトを経験して少し目線が上がり、“自分ならではのバリュー”みたいなものを完全に意識しはじめ、悩み始めていたタイミングです。
2020年10月15日:「なんでもとりあえず0→7くらいまでもっていく力はすごい」
とはいえ、ファイナンス関連のプロジェクトの奥深さ(一朝一夕には経験できない幅の広さ)も痛感していたので、「これを人に負けないレベルで極めるのってちょっと厳しいかもしれないな、、、」と思いつつ、目の前のプロジェクトに全力で取り組みながら、スタートアップCxOの求人票に書いている要件を見ては「自分に足りてないのはココとココだな、、、」などとマーカーで線引いて勉強(研究?)したりと、自分の身の振り方を模索する日々が続き、、、
2020年10月にふと思い立って、転職する際に大変お世話になった、高野さん(ベンチャー/スタートアップ転職の専門エージェント)に相談しに行ったのを覚えています。
(わたしの転職についての高野さんとの対談記事)
そこで言われたことが、これまた記憶に残っていて、
中島:私ってこれまでの経験値的に、これといったハードスキルがないとおもうんですけど、どう思います?
高野:うーん、これといったものはないかもしれないですねえ。
中島:!!!!!?????
高野:でも、中島さんは未経験の分野でもなんでもとりあえず0→7くらいまでもっていく力はすごいと思っていて、それは才能なんじゃないですかねえ。
中島:(ズゴゴーン!!)←辛味チキンではない何かが脳天を直撃する音
この神面談を経て、
「自分はCFOというよりもCOOタイプなのかもしれない。しかも今ファイナンスの知見を日々積み上げているところだから、そこと掛け合わせたらすごくイイんじゃないか!?」
という風に、自分の中で描いていた、“将来のキャリア”という、レールの分岐的なアレがガチャっと切り替わった音が聞こえました。
そして日記というのはとても分かりやすいもので、「必ずCOOになる!」と決めたその日以降、「他の人の日記かしら」という勢いで文中に“COO”という言葉が出てきます。
しかもその多くが、
「このままじゃダメだ。こんな調子じゃCOOにはなれない。数字を作ること、組織全体を見ること、そのすべてをしっかり任せてもらうくらいにならないと。」
「人より担当案件が多いとか忙しいとかではなく、成果を上げなければCOOである意味がない。今の自分の成果では不十分だ。必ず目標を達成しなければ。」
「結果を出さない限りCOOの道はない。絶対にやりきらないとこのままではなれない。今の自分に喝!だ。」
という風に当時の自分を戒めまくっていて、なんか追い詰めてて辛そうだなと思う一方で、「目標達成のためにこんなにまっすぐだったんだな」と、自分ごとながら他人のように感心してしまいました。
2021年5月25日 :「今日は忘れられない日になりそうだ」
大手企業を辞めてスタートアップでチャレンジすると決めてから約1年半、
この“泥臭い”日記を通じて自分の至らなさと毎日向き合いながら、自分なりの挑戦をしてきました。
先日マネーフォワードシンカ代表取締役の金坂さんから、「中島さんにシンカの執行役員COOになってもらいたい」と言っていただいた日の日記には、
「2021年5月25日:ついに。ここまできた。頑張ってきてよかった。感慨深いなあ。今日は忘れられない日になりそうだ。」という風に短文でモソモソ書いていて、日記には“感慨深い”とかカッコつけて書きながら、ちゃっかり涙をこぼしたこともおそらく一生忘れないと思います。
昔から、「俺は絶対〇〇する!」とか「必ず〇〇になる!」とか、アグレッシブすぎる目標を周囲に高々と宣言しては鼻で笑われることも多かった人生ですが、夢や目標を語ることは全く恥ずかしいことじゃないと思っています。(今回もことあるごとに、「COOを展望している中島的には~」と叫びまくっては周囲の方の脳に直接すり込みまくっていました)
別にピカピカで立派な目標じゃなくてよいので、自分が腹の底から「こうなりたい」と思う姿を描いて、勝手にワクワクして、寝ても覚めてもその目標が自分の願望のど真ん中にあって、今の自分とのギャップにもがき苦しみながら、それでも前を向いて達成に向かって突き進んでいくのって、自分も楽しいですが、周りから見てても気持ちの良いものだと思います。(そう信じています)
もちろんCOOになることそのものがゴールではないのですが、「“COOになりたい”という目標を決めた」のではなく「COOに”なることを決めた”」ことで、考えや日々の行動のすべての基準が「COOになること」になっていくので、「やらなきゃ」とか「頑張る」とか、そういう次元のツラさみたいなのがなくなるのだと思っています。(結構アブない思想かもしれないのでその場合はどなたかがわたしの催眠を解いてください)
2021年5月25日 :「でもまだ始まったばかり。ここからさらに高みを目指していきたい」
2021年5月25日の日記には続きがあり、
「でもまだ始まったばかり。ここからさらに高みを目指していきたい。まだまだ個人としても組織としても成長できる。引き続き拡大と発展を牽引していこう。」
と締めくくっています。
マネーフォワードシンカは現在、資金調達/M&A支援等の多くのプロジェクトを通じて、スタートアップ業界における存在感を少しずつ高められている、という自負があります。一方で、まだまだやれること、やりたいことがたくさんあります。
投資銀行・コンサル・金融・銀行出身者等の多様なバックグラウンドを持つメンバーだからこそできる難易度の高い案件や、マネーフォワード本体との協業を加速させて多面的なスタートアップ支援を実現させること、未上場株式の流動化のように業界を変えるような大きな取り組み、マネーフォワードシンカのアドバイザリー機能とHIRAC FUNDのファンド機能の双方を活かした独自のポジショニングとスタートアップエコシステムにおける更なるプレゼンス向上など、挙げればキリがありませんが、簡単には成し得ないようなたくさんのチャレンジがまだまだ待っています。
私個人としても、スタートアップ業界の中で
「中島は何かと役に立つ」
「中島からはいつも面白い話が聞ける」
「中島はいろいろな取り組みにチャレンジしていて興味深いし刺激を受けるしなんかもうサイコー」
という風に言ってもらえるような、とびきり魅力的な人材を今後も目指していきたいですし、今回も「必ずそうなる」と、もう決めているので必ずそうなれると思っています。
大手企業からスタートアップという、リスクのある転職にもかかわらず、誰よりも私の可能性を信じ「あなたならきっとできる」と背中を押してくれた妻や、もうすぐ1歳半になる天使のような娘(というか娘の姿をした天使)、そして金坂さんをはじめマネーフォワードシンカ/HIRAC FUND/マネーフォワード本体のメンバーにも引き続き支えていただきながら、また「更なる高み」を目指して、自分らしく、この“泥臭い”日記と向き合っていこうと思います。
引き続き、マネーフォワードシンカ、そして中島に対する変わらぬご指導、よろしくお願いします!
(写真引用元:Eight Career Design)