【心理学論文49】成人の聴覚情報処理障害(APD)に効果的な治療法とは?
APDとは、聴覚そのものは正常に機能しているにもかかわらず、音をうまく処理できない障害であり、特に雑音の多い環境での聞き取りが難しくなる。
これにより、社会生活や仕事に影響が出ることがあるが、どの治療法が最も有効なのかは今も模索中だと考えられる。
何年前だったか、NHKで特集が放送されてから一気に認知が広まった印象がある。今では関連する書籍が多く、互助会も広く開催されているようだ。日本ではYouTuber(?)の笑歩さんが有名ですね。
Crum et al.(2024)の研究では、成人の聴覚情報処理障害(APD)に対して、どの介入方法が最も効果的なのかを明らかにすることを目的としている。
この研究では、APDの介入方法について書かれた1,618本の論文の中から、特に信頼できる13本を選び、それらの研究結果を比較・分析した。
その結果、さまざまな介入手法のうち、「Personal Remote Microphone Systems, PRMS」が最も有効で信頼できる介入法だったとのこと。具体的には、言葉の聞き取りやすさ(speech intelligibility)が改善したと書かれている。
ちなみにPRMSは、話し手のマイクからワイヤレスでリスナーのイヤホンに音を送ることで、反響や雑音、話し手との距離の影響を軽減し、よりクリアな音を届けるようにする装置らしい。日本でも取り扱いはあるかなー?
ちょっと専門外でわからない記述も多かったが、興味のある方はぜひ↓↓
おしまい。
Crum, R., Chowsilpa, S., Kaski, D., Giunti, P., Bamiou, D.-E., & Koohi, N. (2024). Hearing rehabilitation of adults with auditory processing disorder: A systematic review and meta-analysis of current evidence-based interventions. Frontiers in Human Neuroscience, 18, 1406916.